ジェラルド・トール(Gerard Toal/Gearóid Ó Tuathail, 1962年 - )は、アイルランド出身の地理学者。専門は、政治地理学、批判地政学。
アイルランド国立大学メイヌース卒業後、イリノイ大学で修士号、シラキューズ大学で博士号取得。現在、バージニア工科大学地理学部教授。
フーコーの思想を援用して、知と権力の観点から、マッキンダーなど地政学者の言説や、外交政策形成における地理学的想像力の役割を考察し、批判地政学を提唱している。
- Critical Geopolitics: the Politics of Writing Global Space, (University of Minnesota Press, 1996).
- An Unruly World?: Globalization, Governance, and Geography, co-edited with Andrew Herod and Susan M. Roberts, (Routledge, 1998).
- Rethinking Geopolitics, co-edited with Simon Dalby, (Routledge, 1998).
- The Geopolitics Reader, co-edited with Simon Dalby and Paul Routledge, (Routledge, 1998, 2nd ed., 2006).
- A Companion to Political Geography, co-edited with John Agnew and Katharyne Mitchell, (Blackwell, 2003).
- 「ジオポリティクスの終焉?――世紀末の複数的プロブレマティックに関する諸考察」『10+1』13号(1998年)
- 「地政学と言説――アメリカの外交政策にみられる実践的な地政学論」『空間・社会・地理思想』3号(1998年)
- 「批判地政学」『現代思想』27巻13号(1999年)
- 「ポストモダンの地政学?――近代地政学的想像力とその克服」『空間・社会・地理思想』6号(2001年)
- 「批判地政学の理解のために――地政学とリスク社会」コリン・グレイ、ジェフリー・スローン編『進化する地政学――陸、海、空そして宇宙へ』(五月書房, 2009年)