ジム・マトリー

ジェームズ・J・マトリー（James J. Mutrie、1851年 6月13日 - 1938年 1月24日）は、19世紀のメジャーリーグベースボールの球団オーナー、および監督。マサチューセッツ州チェルシー生まれ。現在のサンフランシスコ・ジャイアンツの共同創設者。

経歴・人物

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マトリーは幼いころからクリケットをプレーし、16歳から野球を始めた。1877年から1879年にはマイナーリーグの選手だったが、1880年にニューヨークに移り住み、ニューヨーク・マンハッタンで煙草の卸売業で財をなしていた実業家ジョン・B・デイやオーガスト・ベルモントと知り合い、彼らから野球チーム設立のための財政的支援を得ることができるようになった。

デイとマトリーは当時のポロ・グラウンズの野球の試合での借用権を得てニューヨーク・メトロポリタンズというプロ球団を創設、マトリーがチームの監督に就任した。当時メトロポリタンズは、ナショナルリーグなどのプロ野球リーグに所属しない独立チームとして活動し、1882年には162試合もの試合をこなすなど興行的にも成功した。

人気球団となったメトロポリタンズは、1882年のシーズン終了後、ナショナルリーグとアメリカン・アソシエーションの両方からリーグ加盟の要請を受けるが、デイとマトリーは、大胆にも両方のリーグに加盟すると打診していた。その後彼らは前年に破綻したトロイ・トロージャンズのナショナルリーグのフランチャイズ権を得て、新たな球団「ニューヨーク・ゴサムズ」を創設、前年トロージャンズに所属した選手の大半をゴサムズに移し、メトロポリタンズをアメリカン・アソシエーションに、ゴサムズをナショナルリーグに加盟させた。メトロポリタンズの監督はマトリーが行った。

メトロポリタンズは、1884年にアメリカン・アソシエーションで優勝したが、翌1885年からは収益のより大きいゴサムズに注力することになった。マトリー自身を含めメトロポリタンズの有力選手はゴサムズへ移り、メトロポリタンズは売却される。ゴサムズは同年「ジャイアンツ」とチーム名を変え、有力選手で固められたジャイアンツは1888年、1889年とナショナルリーグを2連覇する。

しかし翌1890年のプレイヤーズ・リーグ創設の際大量の有力選手がナショナルリーグを離れてしまい、チームの成績は低迷する。1891年のシーズン後マトリーはチームを離れた。その後マトリーはニューヨーク州エルミラでのホテル経営と、スタテンアイランドの新聞スタンドの運営を生業としていたが、1938年に癌のためニューヨークで死去した。

監督としての戦績

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※順位は年度最終順位

年度	チーム	リーグ	試合	勝利	敗戦	勝率	順位
1883年	NYP	AA	97	54	42	.563	4位
1884年	NYP	AA	112	75	32	.701	1位
1885年	NYG	NL	112	85	27	.759	2位
1886年			124	75	44	.630	3位
1887年			129	68	55	.553	6位
1888年			138	84	47	.641	1位
1889年			131	83	43	.659	1位
1890年			135	63	68	.481	6位
1891年			136	71	61	.538	3位
通算			1114	658	419	.611

外部リンク

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表話編歴ナショナルリーグ優勝監督
1870年代	76 アルバート・スポルディング 77 ハリー・ライト 78 ハリー・ライト 79 ジョージ・ライト
1880年代	80 キャップ・アンソン 81 キャップ・アンソン 82 キャップ・アンソン 83 ジョン・モリル 84 フランク・バンクロフト 85 キャップ・アンソン 86 キャップ・アンソン 87 ビル・ワトキンス 88 ジム・マトリー 89 ジム・マトリー
1890年代	90 ビル・マクガニグル 91 フランク・セレー 92 フランク・セレー 93 フランク・セレー 94 ネッド・ハンロン 95 ネッド・ハンロン 96 ネッド・ハンロン 97 フランク・セレー 98 フランク・セレー 99 フランク・セレー
1900年代	00 ネッド・ハンロン 01 フレッド・クラーク 02 フレッド・クラーク 03 フレッド・クラーク 04 ジョン・マグロー 05 ジョン・マグロー 06 フランク・チャンス 07 フランク・チャンス 08 フランク・チャンス 09 フレッド・クラーク
1910年代	10 フランク・チャンス 11 ジョン・マグロー 12 ジョン・マグロー 13 ジョン・マグロー 14 ジョージ・ストーリングス 15 パット・モラン 16 ウィルバート・ロビンソン 17 ジョン・マグロー 18 フレッド・ミッチェル 19 パット・モラン
1920年代	20 ウィルバート・ロビンソン 21 ジョン・マグロー 22 ジョン・マグロー 23 ジョン・マグロー 24 ジョン・マグロー 25 ビル・マケシュニー 26 ロジャース・ホーンスビー 27 ロジャース・ホーンスビー 28 ドニー・ブッシュ 29 ジョー・マッカーシー
1930年代	30 ガビー・ストリート 31 ガビー・ストリート 32 チャーリー・グリム 33 ビル・テリー 34 フランキー・フリッシュ 35 フランキー・フリッシュ 36 ビル・テリー 37 ビル・テリー 38 チャーリー・グリム 39 ビル・マケシュニー
1940年代	40 ビル・マケシュニー 41 レオ・ドローチャー 42 ビリー・サウスワース 43 ビリー・サウスワース 44 ビリー・サウスワース 45 チャーリー・グリム 46 エディ・ダイアー 47 バート・ショットン 48 ビリー・サウスワース 49 バート・ショットン
1950年代	50 エディ・ソーヤー 51 レオ・ドローチャー 52 バート・ショットン 53 チャック・ドレッセン 54 レオ・ドローチャー 55 ウォルター・オルストン 56 ウォルター・オルストン 57 フレッド・ヘイニー 58 フレッド・ヘイニー 59 ウォルター・オルストン
1960年代	60 ダニー・マートー 61 フレッド・ハッチンソン 62 アルヴィン・ダーク 63 ウォルター・オルストン 64 ジョニー・ケイン 65 ウォルター・オルストン 66 ウォルター・オルストン 67 レッド・ショーエンディーンスト 68 レッド・ショーエンディーンスト 69 ギル・ホッジス
1970年代	70 スパーキー・アンダーソン 71 ダニー・マートー 72 スパーキー・アンダーソン 73 ヨギ・ベラ 74 ウォルター・オルストン 75 スパーキー・アンダーソン 76 スパーキー・アンダーソン 77 トミー・ラソーダ 78 トミー・ラソーダ 79 チャック・タナー
1980年代	80 ダラス・グリーン 81 トミー・ラソーダ 82 ホワイティ・ハーゾグ 83 ポール・オーウェンズ 84 ディック・ウィリアムズ 85 ホワイティ・ハーゾグ 86 デービー・ジョンソン 87 ホワイティ・ハーゾグ 88 トミー・ラソーダ 89 ロジャー・クレイグ
1990年代	90 ルー・ピネラ 91 ボビー・コックス 92 ボビー・コックス 93 ジム・フレゴシ 94 開催中止 95 ボビー・コックス 96 ボビー・コックス 97 ジム・リーランド 98 ブルース・ボウチー 99 ボビー・コックス
2000年代	00 ボビー・バレンタイン 01 ボブ・ブレンリー 02 ダスティ・ベイカー 03 ジャック・マキーオン 04 トニー・ラルーサ 05 フィル・ガーナー 06 トニー・ラルーサ 07 クリント・ハードル 08 チャーリー・マニエル 09 チャーリー・マニエル
2010年代	10 ブルース・ボウチー 11 トニー・ラルーサ 12 ブルース・ボウチー 13 マイク・マシーニー 14 ブルース・ボウチー 15 テリー・コリンズ 16 ジョー・マドン 17 デーブ・ロバーツ 18 デーブ・ロバーツ 19 デーブ・マルティネス
2020年代	20 デーブ・ロバーツ 21 ブライアン・スニッカー 22 ロブ・トムソン 23 トーリ・ロブロ 24 デーブ・ロバーツ

表話編歴ニューヨーク・メトロポリタンズ 1884年アメリカン・アソシエーションチャンピオン
スティーブ・ブレディデュード・エスターブルックビル・ホルバートティム・キーフエド・ケネディジャック・リンチキャンディ・ネルソンデーブ・オルチャーリー・レイプシュレガーチーフ・ローズマンダッシャー・トロイ
監督: ジム・マットリー

ニューヨーク・ジャイアンツ 1888年ナショナルリーグチャンピオン

監督: ジム・マットリー

表話編歴ニューヨーク・ジャイアンツ 1889年ナショナルリーグチャンピオン
ウィリアム・ブラウンロジャー・コナーエド・クレーンバック・ユーイングジョージ・ゴアギル・ハットフィールドティム・キーフハンク・オーデイジム・オルークダニー・リチャードソンマイク・ティアマンモンテ・ウォードミッキー・ウェルチアート・ホイットニー
監督: ジム・マットリー

サンフランシスコ・ジャイアンツ歴代監督