ジェームズ・チャールズ・レーラー (英語 : James Charles Lehrer 、[ 1] 、1934年 5月19日 - 2020年 1月23日 )は、アメリカ のジャーナリスト、小説家、脚本家、劇作家[ 2] 。PBS の『PBSニュースアワー 』の編集長及びニュースアンカー を務め、1988年 から2012年 まで12回のアメリカ大統領候補者討論会の司会を務め、大統領選挙期間中の討論司会者 (英語版 ) としての役割で知られていた。歴史や政治への関心と共に、新聞記者としての経験を活かした数多くのフィクションやノンフィクションの本を執筆した。
1934年 5月19日 、カンザス州 ウィチタ に生まれる。母親のロイス・キャサリン(Lois Catherine 、née チャップマン(Chapman ))は教師兼銀行員で、父親のハリー・フレデリック・レーラー(Harry Frederick Lehrer )はバス停留所長だった[ 3] [ 4] 。父方の祖父母はドイツ移民だった。母方の祖父は、ナザレ教会 (英語版 ) の著名な人物であるJ・B・チャップマン (英語版 ) だった[ 5] [ 6] 。ジムにはバプテストの牧師であるフレッド(Fred )という兄がいた[ 7] [ 8] 。ジムはウィチタの学校[ 3] 、テキサス州 ボーモント の中学校に通い、サンアントニオ のトーマス・ジェファーソン高校 (英語版 ) を卒業し、そこで「Jefferson Declaration(ジェファーソン宣言 )」のスポーツ編集者を務めた。ビクトリア・カレッジ (英語版 ) で準学位 を取得し、1956年 にミズーリ大学 ミズーリ・スクール・オブ・ジャーナリズム (英語版 ) でジャーナリズムの学士号 を取得して卒業した[ 3] 。
大学卒業後、父と兄に従い、1950年代後半にアメリカ海兵隊 に入隊し、歩兵将校として3年間勤務した[ 9] [ 10] 。レーラーは自分の奉仕と旅行が自分自身を超えて目を向け、他の方法では経験できなかった世界とのつながりを感じるのに役立ったと考えていた[ 11] 。
1959年 、テキサス州の「ダラス・モーニングニュース 」でジャーナリズムのキャリアを開始した。その後、「ダラス・タイムズ・ヘラルド (英語版 ) 」紙の記者として働き、1963年 のジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件 を取材した。そこで数年間政治コラムニストを務め、1968年 にローカル記事編集者になった[ 12] 。
テキサス州ダラスのKERA-TV (英語版 ) で、広報担当エグゼクティブディレクター、オンエアホスト、夜のニュース番組の編集者としてテレビでのキャリアをスタートさせた[ 13] 。1972年 にワシントンD.C.のPBS に移り、広報コーディネーター(Public Affairs Coordinator )、ジャーナリズム諮問委員会(Journalism Advisory Board )のメンバー、公共放送協会 (CPB)のフェローになった[ 14] 。レーラーはテレビ国家広報センター(National Public Affairs Center for Television 、NPACT)の特派員として働き、そこでロバート・マクニール (英語版 ) と出会った。1973年 、彼らは上院ウォーターゲート公聴会 とウォーターゲートテープ 放送の暴露をPBSで生中継した(この公聴会の報道は、後に『マクニール/レーラー・リポート(The MacNeil/Lehrer Report )』となるものにつながり、そのインスピレーションとなった)[ 15] 。レーラーは下院司法委員会 によるリチャード・ニクソン大統領の弾劾調査 を取材した[ 15] 。
1975年 10月、ニューヨークにあるThirteen/WNET の『ロバート・マクニール・リポート(The Robert MacNeil Report )』のワシントン担当記者となった。2ヶ月後の1975年12月1日 、共同アンカーに昇進し、それに応じて番組は『マクニール/レーラー・リポート(The MacNeil/Lehrer Report )』と改名された。1983年 9月、レーラーとマクニールは番組を『ザ・マクニール/レーラー・ニュースアワー(The MacNeil/Lehrer NewsHour )』としてリニューアルしたが、1995年 のマクニールの降板を受けて『ザ・ニュースアワー・ウィズ・ジム・レーラー(The NewsHour with Jim Lehrer )』に改名された。同番組は2009年 に『PBSニュースアワー 』に改名された[ 16] 。
客観性を維持するために、レーラーは投票しないことを選択した[ 17] 。
2008年 4月に心臓弁手術を受け、同年6月26日 に復帰するまでレイ・スアレス (英語版 ) 、グウェン・アイフィル (英語版 ) 、ジュディ・ウッドラフ が代わりにアンカーを務めることになった[ 18] 。1983年 、49歳の時に軽い心臓発作から回復した[ 19] 。
2011年 6月6日 に『PBSニュースアワー』のアンカーを辞任したが、引き続き金曜日のニュース分析コーナーのモデレーターを務め、番組の制作会社であるマクニール/レーラー・プロダクションズ(MacNeil/Lehrer Productions )に携わった[ 20] 。
レーラーはジャーナリズムのキャリアの中で、ジョージ・フォスター・ピーボディ放送賞 、ウィリアム・アレン・ホワイト (英語版 ) 財団ジャーナリズム功労賞、ミズーリ大学ジャーナリズム学部 (英語版 ) の名誉勲章といった、いくつかのエミー賞 を含むいくつかの賞や栄誉を受賞した。2004年 にマクダニエル・カレッジ (英語版 ) から名誉ジャーナリズム博士号を授与された[ 21] [ 22] 。
1976年以降の多くの大統領および副大統領候補者への独占インタビューの抜粋が含まれている2000年と2008年のドキュメンタリー『Debating Our Destiny』など、アメリカ大統領選挙候補者討論会に関連するいくつかのプロジェクトに携わった[ 23] 。ジャーナリストのバーナード・ショー から「The Dean of Moderators」と呼ばれたレーラーは、1988年 から2012年 まで12回の大統領討論会で司会を務めた[ 24] 。2016年、大統領討論委員会 (英語版 ) (CPD)の委員を務めた[ 25] 。
レーラーが司会を務めた最後の討論会は、2012年選挙の最初の総選挙討論会 (英語版 ) であった。当初、2008年以降はいかなる討論会の司会も辞任すると宣誓していたが、CPDは粘り強く、新しい形式に興味があるため受け入れた[ 26] 。討論会はデンバー大学 で行われ、国内政策問題が取り上げられた。司会者としてのパフォーマンスは、候補者に与えられた制限時間を超えることを頻繁に許可したが、様々な評価を受けた。時間ルールの厳格な適用や自由回答形式の質問で批判を受けた一方、候補者が自分の意思で討論をある程度コントロールできるようにした点でレーラーのアプローチは賞賛された[ 27] [ 28] 。
2011年のナショナル・プレス・クラブ・ブック・フェア(National Press Club Book Fair )で著書「Tension City: Inside the Presidential Debates, From Kennedy–Nixon to Obama–McCain」にサインするレーラー
亡くなるまでの60年間、同じく小説家であるケイト・レーラー (英語版 ) と結婚していた。彼らには3人の娘と6人の孫がいた。父親はバス運転手で、短期間バス会社を経営していた。レーラーは熱心なバス愛好家 、趣味人であり、車両基地の標識、運転士の帽子、アンティークのおもちゃのバスなどのバス記念品のコレクターでもあった[ 29] [ 30] 。1950年代に大学生だった頃、テキサス州 ビクトリア でトレイルウェイズ (英語版 ) の切符販売員として働いていた。また、カリフォルニア州 ウィリアムズ (英語版 ) にあるパシフィックバス博物館 (英語版 ) とペンシルベニア州 ハーシー にあるバス交通博物館 (英語版 ) のサポーターでもあった。
多作な作家であり、数多くの小説、いくつかの演劇、脚本、3冊の個人回想録を執筆した。自身の著書「Top Down」は、ケネディ暗殺を巡る出来事に基づいた小説である[ 31] 。自身の最後の戯曲「Bell」は、ナショナル・ジオグラフィック協会 創立125周年記念式典の一環として制作された[ 32] 。
2020年 1月23日 、ワシントンD.C.の自宅で心臓発作により85歳で死去した[ 33] [ 34] 。
ウィリアム・アレン・ホワイト財団ジャーナリズム功労賞
全米テレビ芸術科学アカデミー支部、ワシントンD.C.のシルバーサークル(1999年)
The Will and Bart Show[ 45]
Church Key Charlie Blue[ 45]
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ジム・レーラーをフィーチャーした「Art at Our Doorstep: San Antonio Writers and Artists」。ナン・キューバ、ライリー・ロビンソン編集(トリニティ大学出版局 、2008年)。
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