ジョナサン・ベネット

ジョナサン・フランシス・ベネット(Jonathan Francis Bennett, 1930年2月17日 - 2024年3月31日)は、イギリス哲学者。専門は言語哲学形而上学、近代哲学史。

ニュージーランドグレイマウスで、父・フランシス・オズワルド・ベネットと母・パール・アラン・ブラッシュ・ベネットの息子として生まれた[1]カンタベリー大学(旧・カンタベリー・ユニバーシティ・カレッジ)[2]哲学を学んだ後、オックスフォード大学モードリン・コレッジに進学した。

最初に得た大学のポストは、オークランド大学(旧・オークランド・ユニバーシティ・カレッジ)のジュニア・レクチャラーだった(1952年)[3]。その後ハバフォード大学ペンシルベニア州)哲学講師(1955年-1956年)、ケンブリッジ大学道徳科学(哲学)講師(1956年-1968年)、サイモンフレーザー大学(1968年-1970年)、ブリティッシュコロンビア大学(1970年-1979年)、シラキューズ大学(1979年-1997年)の教員を歴任した。1980年、オックスフォード大学ブレーズノーズ・カレッジでタナー講義を行った[4]。1992年、オックスフォード大学でジョン・ロック講義の講師を務めた。1985年、アメリカ芸術科学アカデミーフェローに選出された[5]。1991年、ブリティッシュ・アカデミーからもフェローに選ばれた。

心の哲学、出来事、条件法、帰結主義倫理学について数多くの著作がある。ベネットは近代哲学者の解釈者としても知られている[6]

ベネットの個人ウェブサイトでは、初期近代の哲学書を学生が読みやすい現代英語に翻訳したテクストが公開されている。

2024年3月31日に死去[7]

著作

[編集]
  • 1989 (1964). Rationality. Hackett.
  • 1966. Kant’s Analytic. Cambridge University Press.
  • 1971. Locke, Berkeley, Hume: Central Themes. Oxford University Press.
  • 1974. Kant’s Dialectic. Cambridge University Press.
  • 1990 (1976). Linguistic Behaviour. Hackett.
  • 1984. A Study of Spinoza’s Ethics. Hackett.
  • 1988. Events and their Names. Hackett.
  • 1995. The Act Itself. Oxford University Press.
  • 2001. Learning from Six Philosophers. Oxford University Press.
  • 2003. A Philosophical Guide to Conditionals. Oxford University Press.

脚注

[編集]
  1. ^ Hull, Richard (2013). “Jonathan Francis Bennett”. The American Philosophical Association Centennial Series. Presidential Addresses of The American Philosophical Association 1981–1990 10: 515–518. doi:10.5840/apapa2013172. 
  2. ^ University of Canterbury, Philosophy, Master's Theses”. University of Canterbury. April 13, 2012閲覧。
  3. ^ Hull, Richard (2013). “Jonathan Francis Bennett”. The American Philosophical Association Centennial Series. Presidential Addresses of The American Philosophical Association 1981–1990 10: 515. doi:10.5840/apapa2013172. 
  4. ^ Bennett, Jonathan. “Who is Jonathan Bennett?”. 13 December 2013閲覧。
  5. ^ Book of Members, 1780–2010: Chapter B”. American Academy of Arts and Sciences. June 15, 2011閲覧。
  6. ^ Lowe, E. J. (2005). Honderich, Ted. ed. The Oxford Companion to Philosophy. Oxford: Oxford University Press. p. 87. ISBN 0-19-926479-1 
  7. ^ In Memoriam: Jonathan Bennett (1930-2024)”. Leiter Reports (2024年4月3日). 2024年4月5日閲覧。

外部リンク

[編集]
  • SOME TEXTS FROM EARLY MODERN PHILOSOPHY - 英語で書かれた哲学の古典をベネットが現代英語に「翻訳」したテクストを公開しているサイト。ラテン語、フランス語、ドイツ語からの翻訳もある。