スカシユリ | |||||||||||||||||||||
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分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Lilium maculatum Thunb. | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
スカシユリ(透百合) イワトユリ(太平洋岸) イワユリ(日本海岸) ミヤマスカシユリ(山地生) ヤマスカシユリ(山地生) ハマユリ |
スカシユリ(透百合、Lilium maculatum Thunb.)は、ユリ科ユリ属に属する植物の一種。海岸の砂礫地や崖などに生える多年草。大きさは20cm - 60cmとなる。本種は古より栽培・育種の対象となっており、交配の母種として使われることが多い。
本種と近縁種をスカシユリ亜属(Lilium pseudolirion Thunb.)として分類することがある。杯状の花を上向きにつけることが特徴。本属には、本種スカシユリの他、近縁種のエゾスカシユリ、ヒメユリを含む。
鱗茎は白色で卵型。茎は直立し、高さ20cm - 60cm程度。葉は葉柄のない披針形で互生する。花期は太平洋岸の個体群で7月 - 8月、日本海側の個体群で5月 - 6月。茎の頂に、直径10cm程度の、赤褐色の斑点を持つ橙色の花をつける。花被片の付け根付近がやや細く、隙間が見えることから「透かし」百合の和名がある。近縁種のエゾスカシユリと比較し、花柄やつぼみに綿毛がないこと、全体にやや小型であることで判別される。
日本の中部地方以北の海岸の砂礫地や崖、岩場に生育する。個体群が地理的に隔絶されており、地域型として、太平洋岸に分布する個体群と、日本海岸に分布する個体群に分けられる。太平洋岸の個体群をイワトユリ、日本海岸の個体群をイワユリと呼ぶ場合と、栽培品種をスカシユリ、野生種全般をイワトユリと呼ぶ場合がある。
和名(学名) | 分布 | 特徴 |
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ミヤマスカシユリ (Lilium maculatum Thunb. var. bukosanense (Honda) Hara) |
日本の中部地方以北の太平洋側の山地。(埼玉県、茨城県) | 埼玉県の武甲山で発見された。ほか茨城県の山地にも散在している。石灰岩地を好み、茎は下垂して伸び、葉は広線形。花期は7月で、上向きに花をつける。花被片は強く反り返る。太平洋岸側の個体の特徴があり、太平洋側の個体から分化したと考えられる。 |
ヤマスカシユリ (Lilium maculatum var. monticola Hara) |
日本の北陸地方から東北地方の深山(新潟県、福島県、山形県、秋田県) | 花柄やつぼみは無毛。花期は6月 - 7月で、花被片はあまり反り返らない。日本海側の個体の特徴があり、日本海側の個体より分化したと考えられる。 |
本種およびその変種は、古来より栽培目的、食用目的で採掘され、またシカなどによる食害の影響で個体数が減少を続けている。
画像 | 和名(学名) | 分布 | 特徴 | 保護上の位置付け |
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エゾスカシユリ (Lilium pensylvanicum Ker Gawl.) |
千島列島、樺太、中国東北部、日本(北海道) | 比較的冷涼な地域の海岸などの砂礫地に生育する。スカシユリと比較してやや大型。スカシユリの亜種(Lilium maculatum Thunb. subsp. dauricum (Baker) Hara)とされることもある。形態はよく似ているが、代表的な違いとして、花柄やつぼみに綿毛が多いことで判別が可能。 | ||
ヒメユリ(姫百合) (Lilium concolor Salisb.) |
中国東北部、ロシア沿海州、朝鮮半島、日本(本州東北南部以南、四国、九州) | 山地生で、日当たりの良い草原を好む。茎は直立し、高さは30 - 80cm程度となる。花期は6月 - 7月。花の色は朱色がかった赤色。 | 環境省レッドリスト:絶滅危惧IB類(EN) 都道府県別: 野生絶滅:愛知県 絶滅危惧I類:青森県、福井県、和歌山県、岡山県、山口県、香川県、徳島県、高知県、愛媛県、大分県、熊本県、宮崎県 絶滅危惧II類:広島県 情報不足:三重県、兵庫県 その他:奈良県 |
園芸品種として栽培されるほか、デンプンに富む鱗茎を食用とすることがある。
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