模式種 Scleromochlus taylori は全長がおよそ181ミリメートルで、長い後肢を持っており、この後肢により四足歩行も二足歩行も可能だった可能性がある。歩行様式に関する研究では、この動物はカンガルー(またはトビウサギ)のような蹠行性跳躍を行っていたと示唆された[3][4][5]。しかしながら、2020年のベネット (S. Christopher Bennett) によるスクレロモクルスの再評価では、この動物は「カエルのような足を拡げた四足歩行の跳躍者」であるとされた[6]。もしスクレロモクルスが実際に翼竜と類縁があるならば、これは翼竜がどのように進化してきたかについての洞察を与えることになる。なぜならば初期の翼竜もまた跳躍移動への適応を示していたからである[7]。
軽量な体を持った跳躍性のこの動物の系統上の位置については議論が続いている。異なる分析結果が、この動物が最も基盤的な鳥頸類であるとしながらも、一方は翼竜の姉妹群であるとし、一方はAvemetatarsaliaの基盤的メンバーで鳥頸類の外側に位置しているとした。Nesbitt et al. (2017) による系統分析ではスクレロモクルスは恐竜様類の基盤的メンバーであるか、非Aphanosauria・非翼竜のAvemetatarsalia基盤的メンバーであるとされた。しかしこの著者は、スクレロモクルスのスコアは標本の小ささと保存状態の悪さのために疑問が残るものであることを強調し、Avemetatarsaliaの基盤的位置近辺に置くことが最適であると判断されるような多くの重要な特徴によってスコアされているわけではないことを明言した[8]。
^ abWoodward, A.S. (1907). “On a New Dinosaurian Reptile (Scleromochlus Taylori, gen. Et sp. Nov.) from the Trias of Lossiemouth, Elgin”. Quarterly Journal of the Geological Society63 (1–4): 140–144. doi:10.1144/GSL.JGS.1907.063.01-04.12.
^Sereno, P.C.; Arcucci, A.B. (1994). “Dinosaurian precursors from the Middle Triassic of Argentina: Marasuchus lilloensis, gen. nov.”. Journal of Vertebrate Paleontology14 (1): 53–73. doi:10.1080/02724634.1994.10011538.