名称 | SpX-31 |
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任務種別 | ISSへの補給 |
運用者 | スペースX |
COSPAR ID | 2024-200A |
任務期間 | 1日 8時間 12分(進行中) ≈30日(計画) |
特性 | |
宇宙機 | カーゴドラゴン C208 |
宇宙機種別 | カーゴドラゴン |
製造者 | スペースX |
寸法 | 全高:8.1 m (27 ft) 直径:4 m (13 ft) |
任務開始 | |
打ち上げ日 | 2024年11月5日 02:29:30 UTC (11月4日午後9:29:31EST)[1] |
ロケット | ファルコン9(B1083.5) |
打ち上げ請負者 | スペースX |
軌道特性 | |
参照座標 | 地球周回軌道 |
体制 | 低軌道 |
傾斜角 | 51.66° |
ISSのドッキング(捕捉) | |
ドッキング | ハーモニー 前方側 |
ドッキング(捕捉)日 | 2024年11月5日 14:52:11 UTC |
ドッキング時間 | 19時間, 49分(進行中) |
輸送 | |
重量 | 2,762 kg (6,089 lb) |
加圧 | 2,435 kg (5,368 lb) |
非加圧 | 327 kg (721 lb) |
スペースX CRS-31の徽章 |
COSPAR ID | 2024-200A |
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NASAによってSpX-31とも表記されることがあるスペースX CRS-31は、2024年11月前半に打ち上げが予定されている国際宇宙ステーション(ISS)への商業補給サービスミッション。このミッションはNASAによって契約され、スペースXが運用する。使用する宇宙船はカーゴドラゴンC208を予定しており、C208にとって5回目のミッションとなる。
NASAとスペースXは、現状ではCRS-31のケープカナベラル宇宙軍施設KSCLC-39Aからの打ち上げを11月初め以降を目標としている[2][3]。
このカーゴドラゴンには、2,435キログラム (5,368 lb)の与圧貨物と、327キログラム (721 lb)の非与圧貨物からなる総計2,762キログラム (6,089 lb)の貨物と補給品が積み込まれた。
積荷目録の詳細は以下の通り:[4]
いくつかの研究資機材がカーゴドラゴンに搭載されて軌道研究室に運ばれる。以下は、NASAが注目する4つのプロジェクトである。
CODEX(COronal Diagnostic EXperiment コロナ診断実験)は太陽風を検査し、太陽の表面温度より100万度も高い太陽風を何が加熱し、時速100万マイル近くで吹き出しているのかについての理論を科学者が確認するのに役立つ、世界規模で包括的なデータを作成する。
この研究では、太陽の外層大気やコロナの詳細を明らかにするために太陽光の直射を遮断するコロナグラフを使用する。この装置は、従来のコロナグラフで収集された密度情報に加えて、太陽風内の電子の温度と速度を決定する複数の測定を毎日行う。多様な国際チームが、メリーランド州グリーンベルトにあるNASAゴダード宇宙飛行センターで2019年からこの装置の設計、構築、テストを行っている[4]。
放射線耐性実験のARTEMOSSでは、生きた南極のコケであるヤノウエノアカゴケを使用して、一部の植物が放射線への曝露にどう耐えるかを研究し、宇宙放射線と微小重力の組み合わせに対する生物システムの物理的および遺伝的反応を調査する。これら 2 つの要因が植物の生理機能とパフォーマンスにどう影響するかについてはほとんど研究されていないが、結果は将来のミッションにおけるバイオ再生生命維持システムに使用するのに適した生物システムを特定するのに役立つ可能性がある。
コケは地球上のすべての大陸で生育し、あらゆる植物の中で最も高い放射線耐性を持っている。コケはサイズが小さく、手入れが簡単で、空気から水分を吸収し、厳しい条件に耐えられるため、宇宙飛行に適している。NASA が南極のコケを選んだのは、その大陸が太陽から高レベルの放射線を受けるためである[4]。
欧州宇宙機関のユーロ・マテリアル・エイジング調査には、宇宙空間に暴露された特定の材料がどのように経時変化するのかを調査する2つの実験が含まれている。1つ目のの実験は、欧州の15の宇宙機関から選ばれた材料を用いてフランス国立宇宙研究センターによって開発された。2つ目の実験では、地球の大気を透過していない紫外線にさらされた場合の有機サンプルとその安定性ないし劣化について調査する。
地上の施設では、宇宙環境のすべての側面を同時にテストできナタメ、宇宙で使用される材料の挙動と寿命を予測することは困難である。暴露されたサンプルは回収され、地球に送り返される[4]。
Nanolab Astrobeatは、冷間溶接を使用して宇宙船の外殻または船体の穴を内側から修復する方法について調査している。宇宙では地球上よりも金属材料を溶接するのに必要な力が少なく、冷間溶接は宇宙船を修復する効果的な方法となる可能性がある。
高速で移動する一部の微小隕石や宇宙ゴミは宇宙船の外面に穴を開け、ミッションの成功や乗組員の安全を危険にさらす可能性がある。宇宙船の内部からの衝撃を用いて損傷を修復する能力は、乗組員にとってより効率的で安全である可能性がある。この結果は、地球上での冷間溶接の応用も改善する可能性がある[4]。
CRS-31は、ISSのリブーストを行う初めてのドラゴン宇宙船となる予定である。2024年11月8日、カーゴドラゴンC208は後方に向いたドラコスラスターを12分半の間噴射する[5]。このリブーストのテストは、軌道、軌跡および速度の変化を注意深く観察することによってスペースXによる米国軌道離脱機の開発に役立つ[6]。アメリカのシグナスおよびロシアのプログレス補給船もISSへのミッション中に定期的にリブーストを行っている。これらの定期的なリブーストによって大気の抵抗による減速を打ち消している[7][8]。