『スリルドライブ』は、コナミが発売したレースゲームである。なお、外国版のポスターなどでは「FAST-PACED ACTION!」と記されている。
1998年に初代『スリルドライブ』がアーケードゲームとしてリリース。その後、2001年に『スリルドライブ2』が、2005年に『スリルドライブ3』と現在3作リリースされている。
交通事故をシミュレートしたこのレースゲームは、他の一般車等に接触したりすると、損害賠償金(ゲーム内での金額)が加算される。また、路外転落や追突、踏切事故等の大惨事を起こした際には自車が吹っ飛ぶ映像が「うわぁぁぁぁぁっ!!!」「ヒャーー!!!」「ヒエーッ!」などの絶叫と共に流れ、莫大な損害賠償金が加算される。事故を起こした後は破損したままの車を走らせる事になる(初代では事故後に修理されている)。ちなみに、日本版では「損害賠償額」は円単位だが、外国版ではそれぞれの通貨単位となっている。
本来はゲーム内に用意されたコースを走る車を避けながらより早くゴールに到達しクリアすることが目的のゲームであるが、ランキングにはハイスコアだけでなく損害賠償金のランキングも表示されるため、故意に大事故を連発して損害賠償金をより多く積み上げ、賠償金の額の多さを競う遊び方があることも知られている。しかし大事故を連発するとタイムロスに繋がってしまうため、損害賠償金を積み上げるにしても高度なドライブテクニックが要求されることに変わりはない。
車種には色々な種類があり、セダンや、バスなどといった公道でよく見掛ける乗用車などを使用できる。しかし、中には車ではない車種も登場する。詳しい項目は後述。
コースはアメリカ(道が広く、乗用車よりトラックが多いのが特徴。終盤に路面電車が出てくるコースでは、路面電車との接触を繰り返すことで高額の損害賠償金を狙いやすい。)、日本(交差点が多く、踏切があるのが特徴。踏切を横切る列車との接触は難度が高いが、成功すると高額の損害賠償金が発生する。)、ヨーロッパ(ロータリーや石畳の道路などが特徴)の3種類から選ぶ。
『スリルドライブ2』からは、時間や天候がコースによって異なっており、より困難な状況での走行を強いられる。『スリルドライブ3』では、シチュエーションが選べるようになっている。また、隠しコマンドを入力することで、状況をさらに悪化させて難易度を高くすることも可能である[1]。
『スリルドライブ3』では、コース上にショップが出現し、プレイヤーがショップを通過することで自車を変更する等様々なアクションが発生するようになった。その際にかかる代金は損害賠償金に加算される。また、交通違反の点数もあり、スピード違反以外のプレイヤーの違反状況に応じて点数が加算される。
画面上部には六角形のグラフが表示されており、プレイヤーの運転スタイルに応じてリアルタイムに変化していき、最後のプレイヤーの運転テクニック表示の時にもちゃんと表示される(初代のみ最後のプレイヤーの運転テクニック表示の時だけしか写っていない)。各作品における項目の種類は以下の通りである(一番上の項目から時計回り)。
ゲーム終了後にはゴールまでの道のり、損害賠償金の総額、罰点、ゲーム終了時のチャートによって、初代と『スリルドライブ2』は「A」-「E」の5段階、『スリルドライブ3』では「大吉」-「大凶」の6段階で運転技術が評価される。
ゴールタイムのランキングの他、最も損害賠償額が高かったプレイヤーの「WORST PLAYER RANKING」も表示される。
初代『スリルドライブ』、『スリルドライブ2』には1台で2シートのツイン通常筐体と、大画面とH型シフトを装備した一人用DX筐体が存在する。さらに、欧米では29インチモニタの一人用通常筐体が存在する。1作目で使用されているシステム基板は同社の『レーシングジャム』で使用されていたコナミ『NWK-TRシステム』を使用。2作目で使用されているシステム基板は当時同社のアーケードゲームで広く使用されていたコナミ『Viperシステム』。
『スリルドライブ3』では1台2シートの新規設計のツイン通常筐体が使用された。この筐体には新たにシートベルトが取り付けられ、事故が発生した時に少しきつく締まるようになっている。シートベルトを外した状態でもプレイできるが、事故を起こすとしばらく画面がぼやけた状態になる。3作目で使用されているシステム基板は、PlayStation 2をベースにハードディスクドライブを追加搭載したコナミ『Python』である。
メーカー名や車名の実名は登場していない。
全作品、全てのコースの特定の場所で、必ずパトカーが出現する。それぞれの国のパトカーでサイレン音、カラーリングが異なっているなどの違いがある。『スリルドライブ3』からはサイレン音と同時に、コースでの母国語で停止を命じるようになった。パトカーに接触しても、賠償金には加算されない。『スリルドライブ3』では緊急車両を妨害したとして減点され、シートベルトを装着せずに追跡されると、「シートベルト装着義務違反」としても減点される。
2007年には最新作の『スリルドライブ4』が稼働する予定となっていたが、2006年7月に実施されたロケテストを最後に表立った動きはなく日本国内での展開を中止している。同ロケテスト時では、「ニトロ」が使用できる、ブレーキ力の上昇、一定時間中何かに触れると即事故判定扱い、事故時の賠償金額が増加という4種類のアイテム(道路上に点在)が使用できた。その後日本国内での販売はされなかったが、同作を元に海外では『CRAZY STREETS』というタイトルで正式稼働している。