『スーパーヒューマン・サムライ・サイバー・スクワッド』(英: Superhuman Samurai Syber Squad)は、アメリカ合衆国のテレビドラマ。日本の特撮テレビドラマ『電光超人グリッドマン』をアメリカでローカライズした作品[1]。1994年9月12日から1995年7月15日までシンジケーション番組として放送され、ABC放送でも放送された[1]。略称は「SSSS」[1]。
コンピューター内に潜む悪のプログラム、キロカーンはマルコム・フリンクが生み出したメガウィルス・モンスターを使い、デジタル・ワールドに攻撃を開始する。とある事件からデジタル・ワールドに入れるようになったサム、タンカー、シド、アンプらアマチュアバンドの少年たちは、それを阻止するべく戦うこととなる。
『電光超人グリッドマン』の商品をアメリカ合衆国へ輸出するに際して企画された番組で[2]、サバン・エンターテイメント製作の『パワーレンジャー』の影響を受けて製作された[1][3]。『パワーレンジャー』のように戦闘シーンの新規撮影は行われず、使用済みの戦闘シーンを何度も流用するということも行われた[1][4]。新規撮影シーンはすべてセット撮影で、セットの種類は主要人物の自室、学校の廊下とカフェテリア、ビークルの操縦席と多くはない[1]。少ないセットで撮影を行うことで短期間で多くのエピソードを撮影できたとされる[5]。
ストーリーエディターのジーマン・メイゴンとマーク・ザスラヴは執筆の速さを買われて起用され、1週間で4話分の脚本を執筆している[5]。メイゴンは当時の事を「頭をかきむしる日々だった」と述べているが、DIC側の脚本チェックなどがなかった為、自分たちが好きなビートルズのネタを番組中に組み込むことが出来たとも述べている[5]。
最終回は制作終了から数週間後に追加制作が決定したため、すでにセットが解体されたことからこのエピソードのみグリフィスパークにてロケが行われている[5]。
ジーマン・メイゴンによればマーク・ザスラヴともにDICに呼ばれ、続編について話し合いを行ったと述べており、企画を書いたが実現はしなかったと述べている[5]。
タイトルは当初、『パワーボーイ』 (PowerBoy) の予定だったが[1][6]、『パワーレンジャー』との混同を防ぐために変更された[6]。DICは、タイトル変更はフォックス放送からの要望だったとしている[6]。
タイトルにある「サイバー」の綴りは本来なら「Cyber」が正しいが、頭文字をSに統一するため、「Syber」となっている[1]。
第39話「Kilo Is Coming To Town(キロが街にやって来る!)」にてキロカーンとチーム・サムライの最終決戦が行われ、日本版における藤堂武史であるマルコム・フリンクがチームサムライを助けて友情を結ぶという最終話のような展開が行われたが、クール延長のためか互いに記憶喪失として対立関係が続くことになった結果、『グリッドマン』より長い第53話まで続けて放送された。
人物パートを撮り直す関係で、『グリッドマン』の主要人物はアメリカのハイスクールに通っていたアマチュアバンドのチーム・サムライの面々にほぼ一新されている。また、サーボ(グリッドマン)に変身するサム以外のタンカー、シドニー、アンプ、ラッキーといった仲間たちも、コンピュータワールドでアシストパーツに乗り込む。
2018年に日本で放送されたテレビアニメ『SSSS.GRIDMAN』には、アシストウェポンとしてグリッドマンをサポートする面々「新世紀中学生」が登場する。その名称などには、本作へのオマージュを感じさせる部分も多い。
ノースバレー高校に通う学生によって結成されたアマチュアバンド。
カッコ内は出演話数
話数 | サブタイトル | 登場メカウィルスモンスター | 監督 | 脚本 |
---|---|---|---|---|
1 | To Protect and Servo | カットホブ(ボルカドン) | ブラッド・クライスバーグ | ジーマン・メイゴン マーク・ザスラヴ |
2 | Samurize | ブリンク(亜武丸) | ||
3 | Samurize, Guys! | トリマブロー(ジェネレドン)[8] | ||
4 | Amp Loves You, Yeah, Yeah, Yeah! | 名称不明モンスター(ギュルンバ) スケルトン・ヴィールス(チドゲラー) | ||
5 | An Un-Helping Hand | ナイトメア・ヴィール(ダズルバ) スコーン (シノビラー)(声 - ニール・ロス) |
ジーノ・タナセスク | |
6 | His Master's Voice | スコーン(カンフーシノビラー) (声 - ニール・ロス) |
ブラッド・クライスバーグ | |
7 | Some Like it Scalding | プレックトン(フレムラー) | ジーノ・タナセスク | |
8 | Mal-Kahn-Tent | シーボー(バモラ) (声 - グレン・ボーディン) |
ブラッド・クライスバーグ | |
9 | The Cold Shoulder | トリマブロー グラーム(ブリザラー) プレックトン | ||
10 | Que Sera Servo | 名称不明モンスター(ジュバゴン) | ジーノ・タナセスク | |
11 | A Break in the Food Chain | トリマブロー ホック(バギラ) |
アダム・ワイズマン | |
12 | Ashes to Ashes Disk to Disk | トロイド(ステルガン) | ||
13 | Lights, Camera, Action | スケルトン・ヴィールス コルド(アイガンガー) |
ブラッド・クライスバーグ | |
14 | Sweet and Sour Kilokahn | ホック | アダム・ワイズマン | |
15 | To Sleep, Perchance to Scream | クロノ(メカギラルス) ナイトメア・ビールス | ||
16 | Out of Sight, Out of Time | ソーン・ヴィールス クロノ | ||
17 | Money for Nothin' & Bits for Free | クロニック(メタラス) | ジーノ・タナセスク | |
18 | Water You Doing? | ネクスター(テラガイヤー) | アダム・ワイズマン | |
19 | Just Brown & Servo | カットホブ 名称不明モンスター(メカバモラ) | ||
20 | My Virus Ate My Homework | ソーン・ヴィールス(プランドン) トロイド | ||
21 | Hello Darkness, My Old Friend | シーボー 名称不明モンスター(メカジェネレドン) |
ブラッド・クライスバーグ | |
22 | Born With a Jealous Mind | スモッグ・ヴィールス(スカボーン) | アダム・ワイズマン | |
23 | Cheater, Cheater, Megabyte Eater | ステューピッド・ヴィールス(デビルフェイザー) (声 - ニール・ロス) | ||
24 | Romeo & Joule-Watt | 名称不明モンスター(メカバモラ) クロニック(ネオメタラス) | ||
25 | Rock n' Roll Virucide | ロックン・ロール・ヴィールス(ゴロマキング) (声 - ジェス・ハーネル) | ||
26 | Stiff As A Motherboard | マヌフ(ニセアノシラス) | ||
27 | Pride Goeth Before a Brawl | シドニー・ヴィールス(テレボーズ) (声 - ロビン・メアリー・フローレンス) |
ブラッド・クライスバーグ | |
28 | Starkey in Syberspace | ライドン(メカステルガン) | アダム・ワイズマン | |
29 | Hair I Stand, Head in Hand | プレックトン(メカフレムラー) | ||
30 | Portrait of the Artist as a Young Virus | 名称不明モンスター(ボランガ) | ブラッド・クライスバーグ | エリック・ビートナー ジェームズ・ローリー |
31 | The Taunt Heard Round the World | ホッキネイター(メカバギラ) | アダム・ワイズマン | ジーマン・メイゴン マーク・ザスラヴ |
32 | Tanks for the Memories | ネクスター | ドン・ギリース | |
33 | Love Me Don't | 名称不明モンスター(ギラルス)[9] | マーク・ザスラヴ ジーマン・メイゴン | |
34 | Syberteria Combat | マヌフ | デイモン・ヘンリー | |
35 | Over the River and Through the Grid | ステューピッド・ヴィールス | ジーマン・メイゴン マーク・ザスラヴ | |
36 | Do Not Reboot 'Til Christmas | スモッグ・ヴィールス | ||
37 | Kilokahn Is Coming to Town | キロカーン | ||
38 | Hide and Servo | プレックトン | ||
39 | Little Ditch, Big Glitch | コルド(マグネガウス) | ||
40 | Hasta la Virus, Baby! | |||
41 | Give 'Til It Megahertz | コルド | マイケル・パトリック | |
42 | The President's a Frink! | スコーン | ヒュー・マン | |
43 | Beep My, Beep My Baby | 名称不明モンスター(メカバモラ) | ドン・ギリース | |
44 | Forget You! | コルド | ロバート・G・ラントリー | |
45 | Loose Lips Sink Microchips | スコーン (声 - ニール・ロス) |
デイモン・ヘンリー | |
46 | It's Magic | クロニック(ネオメタラス) | ジェームズ・イヴェール・マットソン | |
47 | Pratchert's Radical Departure | 名称不明モンスター(ボランガ) | ブラッド・クライスバーグ | ドン・ギリース |
48 | Foreign Languages | 名称不明モンスター(メカジェネレドン) | ゲイリー・グラスバーグ | |
49 | Truant False | ホック アンチウィルスプログラム(アノシラス)[10] |
アダム・ワイズマン | マイケル・パトリック |
50 | Lucky's Unlucky Adventure | コルド | ブラッド・クライスバーグ | ヒュー・マン |
51 | What Rad Universe! | ホッキネイター | アダム・ワイズマン | マイケル・パトリック |
52 | Syber-Dunk | クロノ | ヒュー・マン | |
53 | Take a Hike | 名称不明モンスター(ギラルス)[9] | ブラッド・クライスバーグ | ジーマン・メイゴン マーク・ザスラヴ |
玩具展開はプレイメイツ・トイズが行った[1][14][2][15]。ベーシック・アクションフィギュアを除いて、原作の玩具とほぼ同様のものが発売されている[15]。