主要諸元表 | |
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種類 | 舶用ガスタービンエンジン |
全長 | 6.52メートル (21.4 ft) |
全高 | 2.04メートル (6.7 ft) |
重量 | 10,300ポンド (4,700 kg) |
出力 | 33,600 軸馬力(25.1メガワット) |
燃料消費率 |
0.373 ポンド/軸馬力-時間 (226.9 g/kW-hr) |
排気温度 | 566 ℃ |
排気量 | 152.9ポンド毎秒 (69.4 kg/s) |
熱効率 | 37 % |
熱消費率 | 6,863 BTU/shp-hr |
値はISO条件値。LM2500 DataSheetおよび、 Building on a Marine Power Legacyによる。 |
ゼネラル・エレクトリック LM2500(General Electric LM2500)は、主に船舶の推進エンジンや発電等の多様な産業用として使用されるゼネラル・エレクトリック社のターボシャフト・ガスタービンエンジンである。
船舶用ガスタービンエンジンの中でも最も販売数の多いものであり、元々は航空機用のゼネラル・エレクトリック CF6-6 ターボファンエンジンから船舶用へ再設計された派生品である。
最新版のLM2500では33,600軸馬力(25.1 MW)が取り出せ、ISO条件下(ISO 3977)では37%の熱効率が得られる。本機はアメリカ海軍の軍艦や、水中翼船、ホバークラフト、高速フェリーやその他の国の軍艦などのさまざまな用途・国籍において使用されている。
LM2500/LM2500+はCODAG又はCODOG推進システムのタービン部分、またはCOGAGシステムの2台1組の動力機関としてこのクラスでは最も標準的なものとなっている。
2004年には、29ヶ国以上の世界中の海軍で1,000台以上のLM2500ガスタービンが使用されていた。[1]
日本では、石川島播磨重工業株式会社(現・株式会社IHI)によって、イタリアではアビオ S.p.A.によって、また韓国ではハンファテックウィン(旧・サムスンテックウィン)によってライセンス生産されている[2]。
海上自衛隊では、こんごう型から近年の主要な護衛艦に搭載されている。
軍用のLM2500の多くの設置では、標準的な40フィートの海上コンテナ(長さ:40フィート(約12m)、幅:8フィート(約2.4m)、高さ:8フィート6インチ(約2.6m))と同じ寸法の鉄製コンテナ内にエンジンが収められている。
コンテナ化されたLM2500は吸気ダクトが適切な形状となっている限り、容易に搭載艦から取り外せるように設計されているようである。
LM2500+はLM2500の発展型であり、40,200軸馬力(30,000kW)又は発電機と組み合わせれば28.6MW程の電力が得られる。当時世界で最も大きな大西洋クルーズ船であるクイーン・メリー2号では、このタービン発電機2組が煙突に近い上部構造物内に設置され、船の4台あるディーゼル発電機の補助発電機となっており、艦内の電力不足、又はメインの発電機が故障した際には、追加の電力供給を担っていた。
LM2500ファミリーの中の最新開発のものはゼネラル・エレクトリック LMS100である。 LMS100は、部分負荷でも効率が高く、出力を50%に下げたときでも40%の熱効率を実現する。従来と同様の保守コストでサイクル寿命が長く、10分で始動から最大出力が可能であり、気温上昇による出力低下の割合が小さい。高効率、高信頼性、高い負荷追従能力、低量排出など、他の80-160MW級のガスタービンでは得られない最高の価値を提供すると謳われている。
ゼネラル・エレクトリックは、ゼネラル・エレクトリック LM6000という、さらに大きなエンジンを提供している。LM6000は、最新型のLM2500と同様の形態で最大出力が2倍となっている。
LM2500は、アメリカ海軍においてスプルーアンス級駆逐艦とそれに関連して1970年から建造されたキッド級ミサイル駆逐艦に初めて使用された。この形態で21,500軸馬力(16,000 kW)に向上された。
同じ形態で、続いて1980年代にオリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートとタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦で使用された。
LM2500は、1980年代に計画され1990年代初頭には就役していたアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦とサプライ級高速戦闘支援艦で26,500軸馬力(19,800kW)へ向上された。
2010年以降の最新世代では28,000shp以上と向上されている。