ゼフィランサス・ロブスタの植栽
(2024年7月 沖縄県石垣市)
ゼフィランサス・ロブスタ(学名:Zephyranthes robusta、旧名:ハブランサス・ロブスタスHabranthus robustus)はヒガンバナ科タマスダレ属の多年生草本。以前はハブランサス属Habranthusとされていたが、遺伝的に両属を区別する根拠が無いことが判明し、旧ハブランサス属をゼフィランサス(タマスダレ属Zephyranthes)へ含むよう2019年に変更された[1][2][3]。本項でもこれらに従い、本種をタマスダレ属に含めて表記する。
細長い紐状の葉を広げ、斜め上向きに花茎を伸ばし、1個の花をつける。花色は白から桃色に変化する[4]。花は開花後1–2日で萎れる[5][6]。花が横~斜め上向きに咲き、雄しべは短く花弁にやや隠れる長さで、雌しべの先端は少し上向きになり、カブトムシの角状とも表現される[7]点は、旧ハブランサス属の特徴とされていた。
ブラジル・アルゼンチン・ウルグアイ原産で、観賞用として各地で栽培される。耐寒性は弱いが、種子をつけ、種子繁殖も可能[3]。半日以上の日照があればよく育ち、夏から秋まで断続的に咲く。レインリリーの仲間とされる通り、降雨後の開花が多い。寒冷地では秋の霜で休眠するため、盛土するか掘り上げて春まで室内保存するとよい。繁殖は鱗茎の分球で容易に増える。種子を春に蒔くと年内に咲く[4]。花壇や鉢植えとして利用される[6]。植物体に含まれるリコリン等の有毒アルカロイドが、哺乳動物や昆虫類による摂食を妨げているが、カタツムリやナメクジ等による食害はみられる[5]。
- Knox, Gary W. (2005). “Rainlily, Zephyranthes and Habranthus spp.: Low Maintenance Flowering Bulbs for Florida Gardens”. ENH1151 (Institute of Food and Agricultural Sciences Extension, University of Florida). http://edis.ifas.ufl.edu/pdffiles/EP/EP41200.pdf 2024年9月28日閲覧。.
- 小森谷慧; 椎野昌宏『世界の原種系球根植物1000』誠文堂新光社、東京、2014年。ISBN 9784416614112。
- García, Nicolás; Meerow, Alan W.; Arroyo-Leuenberger, Silvia; Oliveira, Renata S.; Dutilh, Julie H.; Soltis, Pamela S.; Judd, Walter S. (2019). “Generic classification of Amaryllidaceae tribe Hippeastreae”. Taxon 68 (3): 481–498. doi:10.1002/tax.12062. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/tax.12062.
- 石川, 貴之 (2022), “種々のZephyranthesとHabranthusの開花特性”, 埼玉県農業技術研究センター研究報告 (21): 59–62, https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/32295/081_zefiransas.pdf
- 小杉波留夫『Rain lily(レインリリー)後編』サカタのタネ 園芸通信、2024年。https://sakata-tsushin.com/yomimono/rensai/standard/eastasiaplants/20240827_008913.html。2024年9月28日閲覧。
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