ソコニシン科 | |||||||||||||||||||||||||||
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ソコニシン Bathyclupea argentea
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Bathyclupeids | |||||||||||||||||||||||||||
下位分類 | |||||||||||||||||||||||||||
本文参照
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ソコニシン科(学名:Bathyclupeidae)は、スズキ目スズキ亜目に所属する魚類の分類群(科)の一つ。ソコニシンなど外洋で生活する深海魚を中心に、少なくとも1属7種が含まれる[1]。科名(模式属名)の由来は、ギリシア語の「bathys(深い)」とラテン語の「clupea(イワシ・ニシン)」から[2]。
ソコニシン科の魚類はすべて海水魚で、西部太平洋からインド洋にかけて、およびメキシコ湾周辺の外洋に分布する[1]。海底から離れた深海の中層を漂泳して生活するものとみられ、水深300-800mの範囲からの報告が多い[2]。日本近海からはソコニシン1種のみが知られていたが[3]、2014年に新種として Bathyclupea nikparini が高知沖から報告されている[4]。
採集されることが比較的稀なグループであり、本科魚類の生活史についてはほとんどわかっていない。
左右に平たく側扁し、イワシやニシン類と似た体型をもつ。一般的に小型の魚類で、体長は最大でも20cm程度である[2]。
背鰭は1つで、体の後方寄りに位置する[1]。背鰭の棘条を欠き、軟条は8-10本[2]。臀鰭の基底は長く、1本の棘条と24-39本の軟条で構成される[2]。背鰭・臀鰭ともに鱗で覆われ、本科の英語での別名「deep-sea scalyfin」の由来となっている[2]。胸鰭は26-30軟条で、鰭条はやや長い[2]。口は前上顎骨と主上顎骨によって縁取られる[1]。椎骨は31個[1]。
ソコニシン科にはNelson(2016)の体系において、ソコニシン属のみ1属7種が認められている[1]。これに加えて、2014年には日本近海産の1種を含む2種が新種として記載されたほか[5]、新属として Neobathyclupea 属の設置が提唱された[6]。
本科はかつてニシン類と近縁と考えられ、1940年代には独立の「ソコニシン目(Bathyclupeiformes)」としてニシン目に続く位置に置かれたこともあるが[7]、以後はスズキ目の一部としての位置付けが確立している。