ソニー・グレイ

ソニー・グレイ
Sonny Gray
セントルイス・カージナルス #54
シンシナティ・レッズ時代
(2021年5月27日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 テネシー州ナッシュビル
生年月日 (1989-11-07) 1989年11月7日(35歳)
身長
体重
5' 10" =約177.8 cm
190 lb =約86.2 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2011年 MLBドラフト1巡目
初出場 2013年7月10日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国

ソニー・ダグラス・グレイSonny Douglas Gray, 1989年11月7日 - )は、アメリカ合衆国テネシー州ナッシュビル出身のプロ野球選手投手)。右投右打。MLBセントルイス・カージナルス所属。愛称はピクルス[1]

経歴

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プロ入り前

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ナッシュビルで生まれ、同じテネシー州スマーナで育つ。父ジェシーは彼が高校1年の時に交通事故で他界した。

高校時代は投手と打者の両方として活躍、またアメリカンフットボールでもクォーターバックとして地元紙の選ぶ最優秀選手に2007年と2008年の2年連続で選ばれる。

2008年にはMLBドラフト27巡目(全体821位)でシカゴ・カブスから指名されるが、契約せずにヴァンダービルト大学へ進学。

入学後しばらくはリリーフとして起用されていたが、大学3年、4年時はエースとして活躍。2010年に日本で開催された第5回世界大学野球選手権大会にはアメリカ合衆国代表として参加した[2]

最終年はヴァンダービルト大学初となるカレッジ・ワールドシリーズに出場し、テイラー・ヒルなどと共にチームを準決勝まで導いたが、準決勝ではアンソニー・デスクラファニープレストン・タッカーニック・マロンデなどのいるフロリダ大学に敗れた。

プロ入りとアスレチックス時代

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2011年MLBドラフト1巡目(全体18位)でオークランド・アスレチックスから指名を受け、7月25日に契約を結んだ。ルーキー級アリゾナリーグ・アスレチックスでプロデビュー。1試合に登板後、AA級ミッドランド・ロックハウンズへ昇格し、5試合に先発登板して1勝0敗、防御率0.45、18奪三振を記録した。

2012年はAA級ミッドランドで開幕を迎え、27試合に先発登板して6勝9敗、防御率4.14、97奪三振を記録した。9月にAAA級サクラメント・リバーキャッツへ昇格し、1試合に登板した。

2013年はAAA級サクラメントで開幕を迎え、7月10日にダン・ストレイリーと入れ替わる形でメジャー初昇格[3]。その日のピッツバーグ・パイレーツ戦でメジャーデビュー。5回裏から登板し、クリント・バームスから初奪三振を記録。2回を投げ、1安打無失点、3奪三振に抑えた[4]。7月20日にAAA級サクラメントへ降格した[5]が、8月10日に不振のトム・ミローンに代わって先発の枠を埋める形で再昇格[6]。8月15日のヒューストン・アストロズ戦で8回を無失点9奪三振に抑えてMLB初勝利を挙げた。また、チームが地区連覇を決めた9月22日のミネソタ・ツインズ戦でも先発し勝利を収めた。結局、途中昇格ながらシーズン通算で12試合に登板し、64イニングを投げ5勝3敗・防御率2.67、奪三振率は9を超え被本塁打率は0.6台の好成績を残す。その活躍が認められポストシーズンでも先発ローテーション入りした[7]デトロイト・タイガースとのアメリカンリーグディビジョンシリーズ(ALDS)では第2戦に先発してジャスティン・バーランダーと投げ合い、8回4安打無失点、9奪三振と好投し、チームのサヨナラ勝利に繋げた。

2014年スプリングトレーニングにメジャー契約で参加した。プレシーズン・ゲームでは6試合に登板して0勝1敗、防御率3.48だった[8]。シーズンは初の開幕ロースター入りを果たし、3月31日に行われたクリーブランド・インディアンスとの開幕戦に先発。6回を投げ、5安打無失点、7奪三振と好投したが、打線の援護がなく勝敗は付かなかった[9]。だが、その後もシーズン通じて先発ローテーションに定着して33試合に登板した。14勝10敗、防御率3.08という成績を記録し、チームで唯一200イニング以上に投げた。

2015年は自身初となるオールスターに選出されたが、登板機会はなかった。最終的にチームの先発投手としては唯一となる2桁勝利・200イニング以上を記録した[10]。防御率2.73はアメリカンリーグ3位、14勝は同8位タイ、2完封は同1位タイという素晴らしい成績を記録。WHIPは前年から低下し、1.08となった。オフにはサイ・ヤング賞の投票でダラス・カイケルデビッド・プライスに次ぐ3位だった[11]

2016年はあまり調子が上がらないままのピッチングが続き、8月には右前腕部の負傷により離脱した[12]。結果的に22試合の先発登板に留まり、防御率5.69、5勝11敗、WHIP1.50と、本来の実力を発揮出来ずじまいだった。

オークランド・アスレチックス時代
(2017年3月7日)

2017年はシーズン開幕前の2月9日に指名投手枠で第4回WBCアメリカ合衆国代表に選出された[13]が、2月26日に故障の懸念から辞退した[14]。シーズンでは7月25日までに16試合に先発し、6勝5敗、防御率3.43であった。

ヤンキース時代

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ニューヨーク・ヤンキース時代
(2018年4月7日)

2017年7月31日にダスティン・ファウラーホルヘ・マテオジェームズ・カプリーリアンとのトレードで、ニューヨーク・ヤンキースへ移籍した[15]。背番号は54をアロルディス・チャップマンが使用しているため55となった。移籍後は11試合に先発したが、打線の援護に恵まれず、4勝7敗、防御率3.72と不本意な成績に終わった。シーズン通算では27試合先発し10勝12敗、防御率3.55と2年ぶりの2桁勝利を記録した一方、2年連続で2桁敗戦・負け越しとなった。

2018年は先発ローテーションの一角として7月までに21試合に先発していたが、8勝7敗、防御率5.08と振るわず、8月以降は先発の座を剥奪された。最終的に2年連続の2桁勝利は達成したが、30試合登板(先発23試合)で11勝9敗、防御率4.90、WHIP1.50と前年から大きく成績を落とした。

レッズ時代

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2019年1月21日にシェド・ロング・ジュニア2019年のMLBドラフト指名権(戦力均衡ラウンドA)を条件に、レイベル・サンマルティンと共にシンシナティ・レッズへトレードされた[16]。その際、契約を2020年から3年延長し、総額3050万ドルの3年契約で合意した。背番号を「54」に戻すことができた。

シーズンではオールスターに選出されていたマックス・シャーザーが故障で辞退したことで、代替選手として4年ぶり2度目となるオールスター選出を果たした。この年にミルウォーキー・ブルワーズからレッズに引き抜かれた、ヴァンダービルト大学時代のコーチであるデレク・ジョンソン英語版が投手コーチとして帯同したこともあり、成績が向上した[17]。最終的には11勝8敗、防御率2.87、自己最多の205奪三振などを記録し、サイ・ヤング賞の投票では7位だった[18]

ツインズ時代

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2022年3月13日にチェイス・ペティとのトレードで、フランシス・ペゲーロと共にミネソタ・ツインズへ移籍した[19]

2023年7月2日に選手間投票で通算3度目となるオールスターゲームに選出された[20]。オフの11月3日にフリーエージェント(FA)となった[21]。ツインズからはクオリファイング・オファーを受けていたが、同月14日の期日までに契約は行わなかった[22]

カージナルス時代

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2023年11月27日にセントルイス・カージナルスと3年7500万ドル、4年目は球団オプションという契約で合意した[23]

選手としての特徴

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オーバースローから、最速97.4mph[24](約156.8km/h)・平均94mph(約151km/h)のフォーシームと、平均92mph(約148km/h)のツーシームを主体に、平均81mph(約130km/h)のカーブ、平均85mph(約137km/h)のスライダー、平均89mph(約143km/h)チェンジアップ、稀に平均90mph(約145km/h)のカットボールを投げる[25]

チェンジアップはもともと平均85mph(約137km/h)程度だったが、年々球速がアップしており、2016年終了時点では88mph(約142km/h)まで向上している[25]

ゴロの割合が通算54%と高く、ツーシームなどで打たせて取るスタイルだが、一方でスライダーの空振り率も高く、必要に応じて奪三振も狙える本格派である[25]

通算被wOBAが対右打者は.289なのに対し、対左打者は.283と、右投手であるが左打者を苦としていない[25]

詳細情報

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年度別投手成績

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W
H
I
P
2013 OAK 12 10 0 0 0 5 3 0 0 .625 261 64.0 51 4 20 0 0 67 2 1 22 19 2.67 1.11
2014 33 33 2 2 0 14 10 0 0 .583 899 219.0 187 15 74 2 7 183 15 0 84 75 3.08 1.19
2015 31 31 3 2 1 14 7 0 0 .667 831 208.0 166 17 59 0 2 169 13 0 71 63 2.73 1.08
2016 22 22 0 0 0 5 11 0 0 .313 517 117.0 133 18 42 0 2 94 15 0 80 74 5.69 1.50
2017 16 16 0 0 0 6 5 0 0 .545 400 97.0 84 8 30 0 1 94 7 0 48 37 3.43 1.18
NYY 11 11 1 0 0 4 7 0 0 .364 278 65.1 55 11 27 1 2 59 3 1 31 27 3.72 1.26
'17計 27 27 1 0 0 10 12 0 0 .455 678 162.1 139 19 57 1 3 153 0 1 79 64 3.55 1.21
2018 30 23 0 0 0 11 9 0 0 .550 582 130.1 138 14 57 0 8 123 9 1 73 71 4.90 1.50
2019 CIN 31 31 0 0 0 11 8 0 0 .579 708 175.1 122 17 68 1 7 205 7 1 59 56 2.87 1.08
2020 11 11 0 0 0 5 3 0 0 .625 235 56.0 42 4 26 0 2 72 7 1 26 23 3.70 1.21
2021 26 26 0 0 0 7 9 0 0 .438 575 135.1 115 19 50 1 8 155 9 0 67 63 4.19 1.22
2022 MIN 24 24 0 0 0 8 5 0 0 .615 488 119.2 99 11 36 0 6 117 3 0 44 41 3.08 1.13
2023 32 32 0 0 0 8 8 0 0 .500 754 184.0 156 8 55 0 6 183 6 1 59 57 2.79 1.15
MLB:11年 279 270 6 4 1 98 85 0 0 .536 6528 1571.0 1348 146 544 5 51 1521 97 5 664 606 3.47 1.20
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績

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投手(P)












2013 OAK 12 9 10 1 0 .950
2014 33 18 41 3 3 .952
2015 31 37 23 0 1 1.000
2016 22 10 11 1 3 .955
2017 16 11 9 2 1 .909
NYY 11 5 12 1 0 .944
'17計 27 16 21 3 1 .925
2018 30 15 18 1 0 .971
2019 CIN 31 22 19 2 4 .953
2020 11 5 6 1 0 .917
2021 26 13 19 0 2 1.000
2022 MIN 24 5 12 1 1 .944
2023 32 10 20 0 1 1.000
MLB 279 160 200 13 16 .965
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰

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記録

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背番号

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  • 54(2013年 - 2017年7月30日、2019年 - )
  • 55(2017年8月1日 - 2018年)

代表歴

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  • 2010年世界大学野球選手権大会アメリカ合衆国代表

脚注

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  1. ^ Players Weekend nearly put Gray in a 'Pickles' MLB.com (英語) (2017年8月23日) 2017年8月25日閲覧
  2. ^ http://www.jubf.net/wubc2010/system/prog/photocollection.php?category=photos&lang=jp
  3. ^ "A's select RHP Gray from Sacramento; option RHP Straily to Sacramento" (Press release). MLB.com (Oakland Athletics). 10 July 2013. 2014年4月5日閲覧
  4. ^ Scores for Jul 10, 2013”. ESPN MLB (2013年7月10日). 2014年4月5日閲覧。
  5. ^ "A's option RHP Sonny Gray to Sacramento" (Press release). MLB.com (Oakland Athletics). 20 July 2013. 2014年4月5日閲覧
  6. ^ "Oakland Selects RHP Sonny Gray from Triple-A Sacramento" (Press release). MLB.com (Oakland Athletics). 10 August 2013. 2014年4月5日閲覧
  7. ^ "A's Announce Starting Pitchers for American League Division Series" (Press release). MLB.com (Oakland Athletics). 1 October 2013. 2014年4月5日閲覧
  8. ^ 2014 STATISTICS Pitching”. MLB.com. 2014年4月5日閲覧。
  9. ^ Scores for Mar 31, 2014”. ESPN MLB (2014年3月31日). 2014年4月5日閲覧。
  10. ^ 2015 Oakland Athletics Pitching Statistics - Baseball-Reference.com (英語) . 2015年10月25日閲覧。
  11. ^ 2015 Awards Voting”. Baseball-Reference.com (2015年11月18日). 2020年5月31日閲覧。
  12. ^ Mark Chiarelli (2016年8月6日). “Gray pulled from start with right forearm injury” (英語). MLB.com. 2016年11月19日閲覧。
  13. ^ USA Baseball Announces 2017 World Baseball Classic Roster Archived 2017年2月12日, at the Wayback Machine. USABaseball.com: The Official Site of USA Baseball (英語) (2017年2月9日) 2017年3月16日閲覧
  14. ^ Gray will not participate in World Baseball Classic” (英語). MLB.com. World Baseball Classic (2017年2月26日). 2017年3月3日閲覧。
  15. ^ Bryan Hoch (2017年7月31日). “Nifty trade of Gray to Yanks creates buzz” (英語). MLB.com. 2017年8月2日閲覧。
  16. ^ Reds Acquire, Extend Sonny Gray As Part Of Three-Team Trade” (英語). 2019年1月29日閲覧。
  17. ^ Sonny Gray gives pitching coach Johnson credit for him making All-Star team”. en:Cincinnati Enquirer (2019年7月7日). 2020年5月31日閲覧。
  18. ^ 2019 Awards Voting”. Baseball-Reference.com (2019年11月13日). 2020年5月31日閲覧。
  19. ^ Press release: Twins acquire Sonny Gray and Francis Peguero from Cincinnati”. MLB.com. 2022年3月14日閲覧。
  20. ^ Thomas Harrigan (July 2, 2023). “Breaking down the full 2023 All-Star Game rosters” (英語). MLB.com. July 3, 2023閲覧。
  21. ^ 130 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). Home (November 3, 2023). November 9, 2023閲覧。
  22. ^ Seven Players Decline Qualifying Offer” (英語). Home (November 14, 2023). November 16, 2023閲覧。
  23. ^ “Sonny Gray signs with Cardinals for three-year, $75 million deal in MLB free agency”. CBS Sports. (2023年11月28日). https://www.cbssports.com/mlb/news/sonny-gray-signing-with-cardinals-for-three-year-75-million-deal-in-mlb-free-agency/amp/ 2023年11月28日閲覧。 
  24. ^ 2015年6月3日のデトロイト・タイガース戦で計測
  25. ^ a b c d Sonny Gray ≫ Statistics ≫ Pitching”. FanGraphs Baseball. 2017年7月30日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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