チリクラブ(英語: chili crab、マレー語: Ketam cili )は、カニをチリソースで炒めた料理。シンガポールの名物料理として知られる[1]。
いわゆるエビのチリソースの具材をエビからカニに変えたような料理[1]。使われるカニの種類は主にノコギリガザミ(ドウマンガニ、マッドクラブ)だが、ソフトシェルクラブやアラスカキングクラブ(タラバガニ)、アラスカスノークラブ(ズワイガニ)などが使われることもある[1]。シンガポールでは、チリソースに溶き卵やトマトペーストなどを加えるアレンジを行っている店も多い[2]。またチリソース以外にブラックペッパーソースで炒められたタイプのものもある[1]。カニを食べつつ、ソースに饅頭を浸して食べるのが定番[2]。
歴史的には1956年に、当時シンガポールで屋台を営んでいたチャー・ヤム・ティアン夫妻が、蒸しガニの代わりの料理法としてカニをチリソースで炒めたものを売り始めたのが最初とされている[2]。
カニを丸ごと炒めるためどうしても価格が高くなりやすく、シンガポールでは1皿約50 - 70シンガポールドル程度[注 1]で提供している店が多い[1]。