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音楽・音声 | |
Sarasate: Zigeunerweisen, Op. 20 ギル・シャハム (vn)、ローレンス・フォスター指揮ロンドン交響楽団、Universal Music Group提供のYouTubeアートトラック。 | |
映像 | |
(ピアノ伴奏版) ZIGEUNERWEISEN アウグスティン・ハーデリヒ (vn)、江口玲 (pf)、ヴァイオリン奏者自身の公式YouTube。 |
『ツィゴイネルワイゼン』(独:Zigeunerweisen)作品20は、スペイン生まれのヴァイオリニストであるサラサーテが作曲、1878年に完成した管弦楽伴奏付きのヴァイオリン独奏曲である[1]。1904年に本人の演奏のレコードが録音されている。
本作は派手で劇的でありながら哀感を持ち合わせる技巧的なヴァイオリン曲として知られる。題名は「ジプシー(ロマ)の旋律」という意味である[1]。ドイツ語では「ツィゴイナ(ー)ヴァイゼン」とするほうが現代的な発音であり、また日本語ではチゴイネルワイゼン、またはチゴイナーワイゼンとも表記される(なお日本語の題名表記は語尾の「-er」を母音化させない古典的な舞台ドイツ語の発音を基にしたものである)。 いくつかのハンガリー民謡・大衆音楽の旋律を組み合わせて作曲されている。オリジナルはヴァイオリンと管弦楽であるが、ヴァイオリンとピアノで演奏する機会も多い。作曲者本人による録音が残されている[2]。
出版はライプツィヒのゼンフ社[3]により、そのオリジナル版は、その後ジムロックに買い取られたが、ヴァイオリンパートはほどなくアウグスト・ウィルヘルミ[4]校訂のものに差し替えられ、現在に至っている。現在入手の容易なブラウド・ブラザーズ[5]、カール・フィッシャー[6]、エドウィン・F・カルムス[7]等の再版スコアはいずれもゼンフまたはジムロックを基にしたものである。
独奏ヴァイオリン、フルート2、オーボエ2、クラリネット2(B♭管)、ファゴット2、ホルン2(F管)トランペット2(F管)、ティンパニ、トライアングル(ad libitum/任意)、弦5部
協奏曲の3楽章に相当する3部からなる。演奏時間は約8分。
1904年にサラサーテ本人のヴァイオリンとフアン・マネン(ホアン・マーネンとも表記されるスペインのヴァイオリニスト)のピアノによる伴奏での録音が行われている。この録音には、途中でサラサーテの声とも言われる謎の呟き声が入っていることで知られる。一説によれば、サラサーテ本人がレコードの録音許容時間をオーバーしそうなことに気付き、伴奏者に途中を端折って演じるよう指示したものという(20世紀初頭のレコード吹込み時間は短く、また録音原盤自体が修正録音のできない一発録りのディスク媒体であった時代で、後年なら雑音としてカットされるような小声もカットできないまま販売に至ってしまった)。
上記のレコードの呟き声をモチーフとし、内田百閒は1947年に短編小説「サラサーテの盤」を書いた。この小説を元に鈴木清順は幻想的かつ異様な怪奇性を伴った映画『ツィゴイネルワイゼン』を制作している。
曲の有名さと劇的な展開を活かし、以下のようにフィギュアスケートのプログラムに使用されている。
大衆的にも知名度の高い曲であることから、バラエティ番組やCMでは精神的に大きなショックを受ける等の悲劇的なシーンを効果的に演出するBGMとして多用されている。