ティンカーベル写像

ティンカーベル写像(ティンカーベルしゃぞう、Tinkerbell map)とは、2次元の離散力学系の一種。軌道がきれいなストレンジアトラクターを描くことで知られている[1]

ティンカーベル写像は、次の2変数連立差分方程式(漸化式)で与えられる[2]

ここで、a, b, c, d定数である。

特に a = 0.9, b = −0.6013, c = 2, d = 0.5 のとき、ティンカーベル写像はストレンジアトラクターとなり、これらの値がティンカーベル写像の標準的なパラメータとして知られている[1]。数値計算により、このストレンジアトラクターのリアプノフ次元は約 1.40 であることが求められている[3]

このアトラクターの形状から童話『ピーター・パン』に登場する妖精ティンカー・ベルの名を取り、キャスリーン・アリグッド (Kathleen T. Alligood) らによってティンカーベル写像と名付けられた[2]

a = 0.9, b = −0.6013, c = 2, d = 0.5 のときに現れるティンカーベル写像のストレンジアトラクター。横軸が xn、縦軸が yn

出典

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  1. ^ a b Alexandre Goldsztejn; Wayne Hayes; Pieter Collins (2007). “Tinkerbell Is Chaotic”. SIAM Journal on Applied Dynamical Systems (Society for Industrial and Applied Mathematics) 10 (4): 1480, 1499. doi:10.1137/100819011. 
  2. ^ a b K.T.アリグッド・T.D.サウアー・J.A.ヨーク、津田一郎(監訳)、星野 高志・阿部 巨仁・黒田 拓・松本 和宏(訳)、2006、『カオス 第2巻 力学系入門』、丸善出版 ISBN 4-431-71237-2 pp. 7, 11
  3. ^ デニー・グーリック、前田 恵一・原山 卓久(訳)、1995、『カオスとの遭遇―力学系への数学的アプローチ』初版、産業図書 ISBN 4-7828-1009-1 p. 182

外部リンク

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