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デジタル教科書(デジタルきょうかしょ、英語: Digital textbook)は、学校の教科書として使われることを想定して作られた電子書籍である。従来の対面式クラスやオンラインコース、オンライン学位、Massive open online course(MOOC)などの様々な場面で使われている。
デジタル教科書は、電子教科書とも呼ばれる。
現在、普及しているデジタル教科書は電子黒板に教科書の内容を提示する「指導用デジタル教科書」であり、学習者用ではない[1]。
「学習者用デジタル教科書」を制度化する「学校教育基本法等の一部を改正する法律」が2019年度(令和元年度)に施行された。これによって、紙の教科書を主な教材として使用しながら、デジタル教科書を併用・代用することができるようになった。しかし、費用面のハードルもあり、なかなか導入が進んでいない[1]。
「指導用デジタル教科書」は教師が中心的な使用者である。2005年から普及が始まり、指導要領改訂を機に2011年より各教科に広がった。普通教室等で使われ、授業をわかりやすくサポートする補助的な役割として使われている[2]。
拡大縮小、ハイライト、共有、反転、リフロー、音声読み上げ 総ルビ、検索、保存、動画・アニメーション、ドリル・ワーク、参考資料など導入することによって教育活動の一層の充実、デジタル教材との一体的が期待されている。特別支援教育等では加えて拡大機能や音声読み上げ、文字の大きさ、背景色、テキストの色、行間・文字の間隔の変更機能の活用などが期待されている[3]。
「学校教育法等の一部を改正する法律」により、児童生徒の教育の充実を図るため必要があると認められる教育課程の一部において、紙の教科書に代えて学習者用デジタル教科書を使用できる。また、紙の教科書を使用して学習することが困難な児童生徒(視覚障害や発達障害等の障害、日本語に通じない、色覚特性、化学物質過敏症など)は教育課程のすべてにおいて、紙の教科書に代えて学習者用デジタル教科書を使用できる[4][5]。
また、「学校教育法第34条第2項」の教材について次のことが定められている。
学習者用デジタル教科書を使う時間が各教科等の授業時数の2分の1に満たないこと。児童生徒がそれぞれ紙の教科書を使用できるようにしておくこと。児童生徒がそれぞれのコンピュータにおいて学習者用デジタル教科書を使用すること。採光・照明等に関し児童生徒の健康保護の観点から適切な配慮がなされていること。コンピュータ等の故障により学習に支障が生じないよう適切な配慮がなされていること。学習者用デジタル教科書を使用した指導方法の効果を把握し、その改善に努めること。また、これらに加えて、紙の教科書に変えて学習者用デジタル教科書を使用する場合は障害等の事由に応じた適切な配慮がなされていること。学習者用デジタル教科書を使用する授業が、各教科等の授業時数の 2分の1以上となる場合には、児童生徒の学習及び健康の状況の把握に特に意を用いることが定められている[4][5]。
発行される学習者用デジタル教科書は原則として紙の教科書の内容と同一で教科書発行者に発行義務はない。有償の教材であり、機能、価格等は各発行者が決める[6][5]。
教科書目録に掲載される教科書目録に発行の有無が表示される予定である[6]。
アメリカ合衆国では2016年の時点でデジタル教材が30%、印刷教材が70%の割合となっている[7]。2000年以前のデジタル教科書の記録媒体はビデオテープやCD-ROMだった[7]。その後、2000年から2010年にかけてインターネット、ラップトップパソコン、電子黒板、DVDなどが普及した[7]。