デル・クランドール

デル・クランドール
Del Crandall
1955年のブレーブス時代
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 カリフォルニア州オンタリオ
生年月日 (1930-03-05) 1930年3月5日
没年月日 (2021-05-05) 2021年5月5日(91歳没)
身長
体重
6' 1" =約185.4 cm
180 lb =約81.6 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 捕手
プロ入り 1948年 ドラフト制度なし
初出場 1949年6月17日
最終出場 1966年9月14日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

デルマー・ウェスリー・クランドールDelmar Wesley Crandall, 1930年3月5日 - 2021年5月5日)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州オンタリオ出身のプロ野球選手捕手)、監督。右投右打。主にメジャーリーグベースボールのミルウォーキー・ブレーブス(現アトランタ・ブレーブス)で長く活躍した。

経歴

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現役時代

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ドラフト制度のない1948年シーズン前にボストン・ブレーブス(現:アトランタ・ブレーブス)と契約した。

1949年6月にブレーブスでMLBにデビューした。ジョニー・アントネッリ英語版とは10代同士のバッテリーを組んだ。ブレーブスの捕手ではフィル・マシ英語版が長く務めていたが、クランドールの活躍によりマシはこのシーズンの途中にピッツバーグ・パイレーツにトレード移籍した。このシーズンは63試合に出場し、打率.263・4本塁打・34打点などを記録し、新人王投票ではドン・ニューカムに次ぐ2位だった[1]

1951年1952年朝鮮戦争への兵役のため、試合に出場できなかった。

5年目の1953年1953年のMLBオールスターゲームに初選出された。

ニューヨーク・ヤンキースとの1957年のワールドシリーズではエースのルー・バーデット英語版ウォーレン・スパーンらと共に4勝3敗で優勝に貢献した。

ヤンキースとの1958年のワールドシリーズにも出場したが3勝4敗で敗退した。このシーズンは打率.272・18本塁打・63打点・OPS.805などを記録し、MVP投票では自己最高の10位だった[2]

1960年より同じポジションのジョー・トーリがMLBに昇格し、徐々に出場機会が減少した。

1965年2月、ボブ・プリディ英語版ボブ・バーダ英語版とのトレードでピッツバーグ・パイレーツに移籍した。

1965年11月、クリーブランド・インディアンスと契約した。1966年がMLBでの最後の出場となった。

投手のノーヒットノーランのうち3回を捕手としてリードした。1954年6月12日のジム・ウィルソン英語版[3]、1960年8月16日のルー・バーデット英語版[4]、1960年9月16日のウォーレン・スパーン[5]

ウォーレン・スパーンとは通算318試合でバッテリーを組んだが、これは歴代2位の記録である(ミッキー・ロリッチビル・フリーハンの324試合に次ぐ)[6]

通算打撃成績は1573試合で打率.254・1276安打・179本塁打・657打点などを記録した。シルバースラッガー賞のない時代だった。

1957年に創設されたゴールドグラブ賞では、初年度にはシャーム・ローラー英語版が受賞したが、その後5年間で4度受賞した。

引退後

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1972年から1975年に球団創設4年目のミルウォーキー・ブルワーズの監督を務め、いずれのシーズンも勝率は5割以下だった。1974年の開幕戦ではロビン・ヨーントを18歳でデビューさせた。

1983年途中から1984年途中に球団創設8年目のシアトル・マリナーズの監督を務めた。

監督通算成績は271勝338敗(勝率.445)、退場6回。

2021年5月5日に死去[7]

詳細情報

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年度別投手成績

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O
P
S
1949 BSN/
MLN
67 239 228 21 60 10 1 4 84 34 2 1 2 0 9 3 0 18 8 .263 .291 .368 .660
1950 79 274 255 21 56 11 0 4 79 37 0 2 6 0 13 3 0 24 6 .220 .257 .310 .567
1953 116 420 382 55 104 13 1 15 164 51 2 1 5 0 33 5 0 47 13 .272 .330 .429 .759
1954 138 515 463 60 112 18 2 21 197 64 0 3 6 2 40 11 3 56 14 .242 .305 .425 .731
1955 133 495 440 61 104 15 2 26 201 62 2 1 6 6 40 11 2 56 12 .236 .299 .457 .756
1956 112 358 311 37 74 14 2 16 140 48 1 2 6 5 35 15 1 30 5 .238 .313 .450 .763
1957 118 420 383 45 97 11 2 15 157 46 1 2 4 2 30 9 1 38 13 .253 .308 .410 .718
1958 131 485 427 50 116 23 1 18 195 63 4 1 2 4 48 18 4 38 14 .272 .348 .457 .805
1959 150 582 518 65 133 19 2 21 219 72 5 1 9 5 46 8 3 48 24 .257 .318 .423 .741
1960 142 596 537 81 158 14 1 19 231 77 4 6 9 12 34 6 4 36 15 .294 .334 .430 .764
1961 15 32 30 3 6 3 0 0 9 1 0 0 1 0 1 0 0 0 1 .200 .226 .300 .526
1962 107 388 350 35 104 12 3 8 146 45 3 4 6 3 27 2 2 24 16 .297 .348 .417 .765
1963 86 282 259 18 52 4 0 3 65 28 1 4 3 2 18 5 0 22 10 .201 .251 .251 .502
1964 SF 69 219 195 12 45 8 1 3 64 11 0 3 2 0 22 9 0 21 5 .231 .309 .328 .637
1965 PIT 60 157 140 11 30 2 0 2 38 10 1 0 1 1 14 7 1 10 3 .214 .288 .271 .560
1966 CLE 50 122 108 10 25 2 0 4 39 8 0 0 0 0 14 5 0 9 3 .231 .320 .361 .681
通算:16年 1573 5584 5026 585 1276 179 18 179 2028 657 26 31 68 42 424 117 21 477 162 .254 .312 .404 .716
  • 各年度の太字はリーグ1位
  • 1951、1952年は出場なし
  • ボストン・ブレーブス(BSN)は1953年にミルウォーキー・ブレーブス(MLN)に球団名を変更

年度別守備成績

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捕手






















1949 BSN/
MLN
63 287 39 6 5 .982 2 33 16 17 .515
1950 75 311 41 12 7 .967 3 27 20 7 .259
1953 108 566 62 9 13 .986 6 56 29 27 .482
1954 136 665 79 8 11 .989 6 59 30 29 .492
1955 131 611 67 10 8 .985 7 61 27 34 .557
1956 109 448 44 2 9 .996 3 29 14 15 .517
1957 102 414 59 6 11 .987 4 60 37 23 .383
1958 124 659 64 7 6 .990 3 60 31 29 .483
1959 146 783 71 5 15 .994 2 61 29 32 .525
1960 141 764 70 10 9 .988 11 59 33 26 .441
1961 5 17 3 0 0 1.000 0 3 2 1 .333
1962 90 460 54 3 7 .994 5 46 25 21 .457
1963 75 413 38 4 2 .991 4 53 32 21 .396
1964 SF 65 402 30 3 7 .993 1 33 21 12 .364
1965 PIT 60 248 23 1 4 .996 3 23 10 13 .565
1966 CLE 49 304 15 3 2 .991 0 24 16 8 .333
通算:16年 1479 7352 759 89 116 .989 60 687 372 315 .459
  • 各年度の太字は当該ポジションにおけるリーグ1位
  • 各年度の太字年ゴールドグラブ賞受賞
その他のポジション

記録

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関連項目

[編集]

脚注

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  1. ^ 1949 Awards Voting”. Baseball-Reference.com. 2021年5月8日閲覧。
  2. ^ Del Crandall Stats”. Baseball-Reference.com. 2021年5月8日閲覧。
  3. ^ a b Philadelphia Phillies at Milwaukee Braves Box Score, June 12, 1954”. Baseball-Reference.com. 2021年5月8日閲覧。
  4. ^ a b Philadelphia Phillies at Milwaukee Braves Box Score, August 18, 1960”. Baseball-Reference.com. 2021年5月8日閲覧。
  5. ^ a b Philadelphia Phillies at Milwaukee Braves Box Score, September 16, 1960”. Baseball-Reference.com. 2021年5月8日閲覧。
  6. ^ a b Lolich and Freehan formed a battery more than any other combo in baseball history”. www.vintagedetroit.com (2018年10月1日). 2021年5月8日閲覧。
  7. ^ 名捕手デル・クランダール氏が死去…アーロン氏らとブレーブス黄金時代築く”. スポーツ報知 (2021年5月7日). 2021年5月8日閲覧。

外部リンク

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