トヨタ・JZエンジン | |
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A80型スープラの2JZ-GTE | |
生産拠点 | トヨタ自動車田原工場[1] |
製造期間 | 1990年8月 - 2007年5月 |
タイプ | 直列6気筒DOHC24バルブ |
排気量 |
2.5L(1JZ系) 3.0L(2JZ系) |
圧縮比 |
8.5(1JZ-GTE,2JZ-GTE) 9.0(1JZ-GTE) 10.0(1JZ-GE,2JZ-GE) 10.5(1JZ-GE,2JZ-GE) 11.0(1JZ-FSE) 11.3(2JZ-FSE) |
最高出力 |
180ps(1JZ-GE) 196ps(1JZ-GE) 200ps(1JZ-GE,1JZ-FSE,2JZ-FSE) 215ps(2JZ-GE) 220ps(2JZ-GE,2JZ-FSE) 225ps(2JZ-GE) 230ps(2JZ-GE) 280ps(1JZ-GTE,2JZ-GTE) |
最大トルク |
225N・m(1JZ-GE) 235N・m(1JZ-GE) 250N・m(1JZ-GE,1JZ-FSE) 279N・m(2JZ-GE) 284N・m(2JZ-GE) 294N・m(2JZ-GE,2JZ-FSE) 304N・m(2JZ-GE) 363N・m(1JZ-GTE) 378N・m(1JZ-GTE) 432N・m(2JZ-GTE) 451N・m(2JZ-GTE) |
トヨタ・JZエンジンは、トヨタ自動車が製造する直列6気筒DOHCエンジン。M型エンジンの後継として1990年に登場した。現在はV6のGRエンジンが後継となっており、補給用エンジンのみの製造となっている。本エンジンの使用燃料は、全て無鉛プレミアムガソリンである。
1980年代後半から1990年代後半にかけて新規開発された、トヨタの乗用車用量産ガソリンエンジンの中では珍しく、ポート噴射仕様の経済性重視型である「FE」型が世代を通して存在しない(経済性重視型としては、直噴仕様の「FSE」型が後に登場した)。
共通事項
JZ系エンジンで最も基本的なエンジン[2]。 このエンジンをベースにターボ仕様[2]、直噴仕様、排気量拡大エンジン(2JZ)が登場した。
このエンジンはLASRE(Light-weight Advanced Super Response Engine)として開発されたため[2]、エンジン全体はコンパクトな大きさ、ヘッドは効率の良い燃焼室形状を保持しつつバルブ径を大きくすることが求められていた[2]。
それにより、エンジンの高さを抑えることができ、ストロークに対してボアを広めにとることが可能なショートストローク設計となっている[2]。加えてエンジンブロックは振動や曲げを抑えるためにブロック骨格などを利用し、高い剛性を持つ設計となっている[2]。
また、先代のM型エンジンとは異なり基本型の当該エンジンからDOHCが設定されている。
トヨタ製[3]1JZ-GEをベースにしており腰下はベースエンジンの1JZ-GEとコンロッド、ピストンを除き全て共通である[2]。しかし、シリンダーヘッドにのみJZ系エンジンの中では唯一ヤマハ発動機による再設計が施されている[2]。また生産は加工部品をトヨタ自動車田原工場で製造し[1]、アッセンブリをヤマハ発動機が担当するという他のJZエンジンとは異なる体制をとっていた[要出典]。
共通事項
2JZ-GEのターボ仕様のエンジンである。加給方式は同容量のターボチャージャー2基を、低負荷時は1基・高負荷時は2基を駆動させて加給するシーケンシャル方式で、世代を通じて変更されていない。「トヨタ最強エンジン」との呼び名も高く[5]、特にドリフトでは現在でもベース車両のメーカーを問わず多用されており、日産・シルビアにスワップする例もみられる[6]。
カタログ上では1JZ-GTEに引き続き280psの最高出力であるが、日産・RB26DETTと並んで1000ps級のチューニングを施される例が確認できる[7]。
1JZ-GTEにヤマハ発動機が関与している影響でこのエンジンにもヤマハ発動機が関与しているという論調が存在するが、ヤマハ発動機は当該エンジンには一切関与していない[3]。
2008年1月、トヨタ自動車は同社公式HP上のリコール情報として「1JZ-FSEおよび2JZ-FSEエンジンにおいて、長時間のアイドリング等特定のエンジン回転域を多用されるような運転により、インテーク側にカーボンが徐々に堆積し吸入空気の流れが変化し、アイドル不調が発生することがあります。保証期間を通常の5年から9年(走行距離無制限)に変更します。」と発表した[8]。
トヨタ車に限らずガソリン直噴エンジン[9]においては、使用状況や経年変化によってススの堆積、燃費の悪化、アイドリング不安定、エンストなどのエンジン不調・不具合が発生するケースも多い。