『形と客体:「もの」について』(Forme et objet - Un traité des choses、2011年)- トリスタン・ガルシアによると、「形」(forme)には、それぞれの「もの」(chose)を他のものと違うものとして定義するという役割がある。どんなものでも、存在しているか否かに関わらず、そのものの形に囲まれている。ものについて、2つの視点がある。その1つは、形に囲まれているものだけを考えて、その周りの「世界」(monde)のなかではもの同士の区別をしない。「世界」は統一した無限の広がりのようで、形がないので「もの」ではない。2つ目の視点では、ある「もの」をもう1つの「もの」の一部分として考えることである。形に囲まれているものがもっと大きい形に囲まれているものの中に含まれているという場合である。そのような「ものの中のもの」は客体(objet)という。トリスタン・ガルシアの本は、対立した前半と後半に構成されており、前半では形の視点から(formellement)「もの」と「世界」の関係を探り、後半ではものの中にある客体の視点から(objectivement)「もの」と「もう一つのもの」の関係について考える。
『人間でありかつ動物である我々』(Nous, animaux et humains、2011年)
『激しく生きる-現代的な執念』(La vie intense - Une obsession moderne、2016年)