ジャンル | 経営シミュレーションゲーム |
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対応機種 |
Microsoft Windows macOS Linux PlayStation 4 Xbox One Nintendo Switch |
開発元 | Limbic Entertainment |
発売元 |
カリプソ・メディア・ジャパン カリプソ・メディア(XBOne) スクウェア・エニックス ( 2021年2月28日まで) |
シリーズ | トロピコシリーズ |
人数 | 1人 |
発売日 |
Win, Mac, Linux 2019年3月29日 PS4 2019年9月27日 Xbox One 2019年9月27日 Switch 2020年11月6日 2021年4月22日 Xbox One(日本語アップデート) 2022年5月頃 |
対象年齢 |
CERO:D(17才以上対象) ESRB:T(13歳以上) PEGI:16 USK:12(12歳未満提供禁止) ACB:PG |
エンジン | Unreal Engine 4 |
『トロピコ6』は、2019年にカリプソ・メディアより発売された経営シミュレーションゲーム。トロピコシリーズの第6作である。Steamでは同年3月29日に発売され、PlayStation 4版とXbox One版(国外のみ)も9月27日に全世界同時に発売、Nintendo Switch版は2020年11月6日に日本国外で発売され日本でも2021年4月22日に発売された。当初はスクウェア・エニックス(PS4、Switch)がローカライズ・販売を行なっていたが、2021年2月28日よりカリプソ・メディア・ジャパンが引き継いだ。また、国内Xbox One版は2021年6月頃にカリプソ・メディアから直接配信された[注 1]が、日本語非対応のままだった。[1]しかし、日本国内版発売から約1年後の2022年5月頃に日本語追加のアップデートが実施され日本語対応となった。[2]
本作はSteam版のローンチの段階で日本語音声含むローカライズがされているのだが、日本語化ファイルを利用しなければデータを利用することができなかったが、[注 2]2021年6月よりSteam版も正式に日本語に対応した。[3]
また、本作はUnreal Engine4で開発されており、これまでよりも美しい見た目となっている[4]。
トロピコシリーズ共通のテーマ(2を除く)である、カリブの島国の独裁者の大統領(プレジデンテ)となって統治するゲームである。基本的なシステムは前作『5』をベースとしており、建築のマス目などは前作とほぼ変わらない。また、同じく時代の概念や研究などが存在している。本作では複数の島を運営できるようになっており、以前の作品に比べるとマップが広くなっている。
港の数だけ交易船を持つことができた前作と違い、本作では「交易ライセンス」と呼ばれるライセンスの数だけ輸出/輸入ができ、その数は決められているため輸入する資源を考えておく必要がある。輸入量は3段階で決めることができ、その時のレートで価格がいくらか上下する。
本作ではマップに複数の島が点在しており、橋をかけたり上陸港を作って交通インフラを整備すればその島にも建物を建設できる。橋は一定の長さまでしかかけられず、普通の道路よりも高額なため上陸港を使わないといけない島もある。また、それに伴い過去作よりも海岸が多めにある場合が多く、海岸の上に建設する施設も多い。ランダムマップ機能も備えており、さまざまなマップが生成できる。Steam版では生成したランダムマップをワークショップに投稿して共有できる。
前作と同じく時代の概念が存在し、『植民地時代』、『世界大戦時代』、『冷戦時代』、『現代』の4つがある。時代が進むに従って利用可能な布告や建造物、テクノロジーが増えるのも前作と同じだが、例えば「減税」が利用できるようになるのが冷戦時代に変更されているなど、布告や建造物が利用できるようになる時期が前作とは異なるものもある。また、時代を進める手段が前作の「研究」を完了させる方法ではなく、時代に応じて条件が変化する。
大統領府が破壊されるか、選挙で負けるとゲームオーバーなのはシリーズを通し一緒であるが、前作と同様に植民地時代だけは選挙は無く、革命派の数と支持率を一定数まで上昇させて「任期」の間に独立を果たすことが目的となる。因みに今作では任期を伸ばすタスクが定期的に供給されるため延々と植民地時代をプレイすることも可能。
時代を経るにしたがって国外勢力も変化し、世界大戦時代は枢軸国と連合国、冷戦時代は西側条約機構と東側条約機構、現代は、アメリカ、ロシア、中国、中東、EUとなる点も前作と同じである。前作とは違い各時代の勢力の代表者のキャラクターもそれぞれ存在する。
「支持率」の概念があり、プレイヤーの政策によって上下する。支持率が低くなると反体制派が増え、暴動やデモが発生する確率が高くなる。支持率は、布告の「減税」やブローカーの「イメージアップキャンペーン」を駆使して上昇させることも可能。また、多くの住民は政治的見解を持っており、何らかの「派閥」に属している。派閥は時代が進むに応じて数が増えていき、最終的に8つの派閥がトロピコ国内に登場する。各派閥には支持度が存在し、特定の建造物を建てたり、布告を出す、憲法の選択肢を変える、代表から提案されるタスクを受け入れる/破棄するなどで上下する。限界まで低下すると最後通告としてタスクを突きつけられ、期間内に達成できないと何かしら大きなデメリットを被ることとなる。派閥によってプレジデンテに行う措置は異なっており、軍国主義者の場合は軍事クーデターを起こし政権を転覆させようとしたり、知識人ならハッキングによってスイス銀行口座を全額奪ったりする。また、未成年以外の住民一人一人に干渉することも可能で、賄賂を与えて政権支持率を上昇させたり逮捕・暗殺などが可能だが、賄賂以外の行動を行うと家族や周りの住民などに悪印象を与える。
国内勢力もそうだが、外国勢力にも気をつけなくてはいけない。国外勢力は前述の通り時代に応じて変化する。友好度が下がると禁輸令を出されたり海上封鎖を行われ貿易に支障が出る。限界まで友好度が下がると最後通告として期限付きでタスクが突きつけられ、達成できないと侵略されてゲームオーバーになる。前作とは違い、侵略は一部ミッションのイベントを除き撃退することは不可能。よって、各国と平等に貿易を行ったり、ブローカーを利用したりして、支持率をバランスよく上げていくことが重要となる。
図書館などのテクノロジー開発可能値を持つ建物を建造することで「知識」と呼ばれるポイントを生成できる。前作よりも研究が重要になっており、一部の建造物のワークモードやアップグレード、憲法、殆どの布告は研究を行わなければアンロックされないが、前作とは違い研究でアンロックしなければならない建造物は存在せず、その建造物が建てられる時代になった時点で建造可能。
前作の「一族」の概念は廃止され、カスタマイズ画面でプレジデンテの「特性」を変更できる。カスタマイズ画面はゲーム中にも開くことができいつでも変更可能。プレジデンテは「仕事中毒」の特性を選ばない限りは自由に島内を闊歩し各種施設を訪れる。訪れた施設はしばらくの間「効果」が上昇する。手動で訪れる建造物を選ぶこともできるが料金がかかる。また、『トロピコ4』の選挙前の演説が復活しており、特定の派閥を賞賛して支持率を上げたり、他国を批判して友好度と引き換えに国民の支持を仰ぐこともできる。公約を掲げることも可能だが破ると住民からの支持を失い次の選挙の際に響く。
建造物に関しては前作とあまり変わらない。『4』に存在していたワークモードの概念が復活し異なった挙動をさせることが可能。これによって別の原材料で工場を動かしたり、デメリットと引き換えに大きな恩恵を受けることができたりする。メリットしかないものも一部ある。過去作とは違い勤務シフトの概念があり、従業員が自宅に帰宅している間や娯楽施設などで休憩している間は建造物で働いていると見なされず、一人でも従業員が働いていなければ生産系の施設は稼働しない。布告により2交代制にすることも可能。また、自由の女神像といったランドマークを他国から強奪させることも可能である[4]。奪ったランドマークは様々な恩恵と見物料による収益をもたらしてくれるが、奪える数は各時代ごとに1つで最大4つまでとなっている。
過去作ではあまり利用機会がなく、前作でもレベルアップのためくらいにしか使わなかったスイス銀行口座だが、今回は「ブローカー」という人物との取引に使うことができ、各種設計図や布告などの政府ツール、支持率を上昇させるイメージアップキャンペーンや、タスクを達成したことにできる「説得力のある話」などのアイテム、研究を進めるのに欠かせない「知識」や、大卒の移民などと交換できるなど使い道が大幅に増えている。ただし一族単位で銀行口座が記録されていた前作と違い、今作ではマップ毎に別々で引き継がれない。
2021年6月のアップデートでスクウェア・エニックス版の誤訳を修正する為、一部のキャラクターはセリフを再録と声優変更がある。そのため一部の情報は正しくない可能性があるので注意。
なお、時代を進めるために連合国か枢軸国のどちらかに付く必要があるのだが、どちらについても史実と同じ結果で終わる。