「ドクター・ロバート」 | ||||||||||
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ビートルズの楽曲 | ||||||||||
英語名 | Doctor Robert | |||||||||
リリース |
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録音 |
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ジャンル | ||||||||||
時間 | 2分15秒 | |||||||||
レーベル | ||||||||||
作詞者 | レノン=マッカートニー | |||||||||
作曲者 | レノン=マッカートニー | |||||||||
プロデュース | ジョージ・マーティン | |||||||||
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「ドクター・ロバート」(Doctor Robert)は、ビートルズの楽曲である。1966年に発表された7作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『リボルバー』に収録された楽曲で、アメリカではイギリスに先行してキャピトル編集盤『イエスタデイ・アンド・トゥデイ』に収録された。レノン=マッカートニー名義となっているが、実質的にはジョン・レノンによって書かれた楽曲[3][4]で、一部ポール・マッカートニーが手伝っている[5]。
音楽学者のウォルター・エヴェレットは、本作について1966年までにビートルズが発表した楽曲の中で、最も明白に薬物について言及した曲としている[6]。楽曲の主題となっているドクター・ロバートは、合法的な医療行為と偽って、アンフェタミンをはじめとした薬物を処方していたマックス・ジェイコブソンのような人物となっている。レノンは"Well, well, well"というフレーズから始まるブリッジ部分をマッカートニーが手伝ったとしている[6]が、音楽ジャーナリストのロバート・フォンテノットは「この曲の大半はジョンのアイデアによるもの」としている[3]。
作家のバリー・マイルズは、本作のモデルについてニューヨークに実在した医師、ロバート・フライマンであると推測している[7]。この人物は後に麻薬の使用が問題となったため、1967年に医師免許を剥奪され、1975年にニューヨーク医師会を追放されて1987年に死去している[3]。なお、「ドクター・ロバート」のモデルについては、1964年夏にビートルズにマリファナを教えたボブ・ディラン、オルダス・ハクスリーの小説作品『島』の登場人物であるロバート・マイファイル[8]、レノンとハリスン、パティ・ボイド、シンシア・パウエルにLSDを混入したコーヒーを飲ませた[9]歯科医のジョン・ライリー[8]など、諸説がある。
1980年の『プレイボーイ』誌のインタビューで、レノンは「主にドラッグやピルについての曲」とし、「僕自身のこと。ツアーの時にはいつも携帯していた」と語っている[10]。
「ドクター・ロバート」のレコーディングは、1966年4月17日にEMIレコーディング・スタジオで開始された[11]。本作と同時期に制作された「トゥモロー・ネバー・ノウズ」や「レイン」に比べると、比較的シンプルな仕上がりとなっている[12][13]。
レノンがリズムギター、マッカートニーがベース、ジョージ・ハリスンがマラカス、リンゴ・スターがドラムという編成でベーシック・トラックが7テイク録音された[6][14]。その後、ハリスンのレスリースピーカーを通したリードギターがオーバー・ダビングされた[6]ほか、ブリッジ部分にレノンのハーモニウムが加えられた[15]。なお、マッカートニーはピアノも演奏していたが[14]、最終版ではカットされている[16]。
19日にボーカルをオーバー・ダビングして完成となった[17]。
なお、リリース版ではフェード・アウトしているが、実際には43秒に渡るジャム・セッションが録音されていた。
「ドクター・ロバート」は、アメリカでは1966年5月に発売されたキャピトル編集盤『イエスタデイ・アンド・トゥデイ』に収録され[18]、イギリスでは同年8月5日に発売された『リボルバー』に収録された[19]。
モノラル・ミックスは、5月12日に制作され[20]、ステレオ・ミックスは5月20日に制作された[14]。その後6月21日にモノラル・ミックスが新しく制作されている。なお、アメリカ編集盤『イエスタデイ・アンド・トゥデイ』収録のミックスでは、ジョンの「OK, Herb」という声が入っていた[14][16][注釈 1]。
※出典[21]