ジャンル | アクションゲーム |
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対応機種 |
セガサターン(SS) PlayStation 2(PS2) PlayStation 3(PS3) Xbox 360 Steam |
開発元 | ソニックチーム |
発売元 | セガ |
プロデューサー | 中裕司 |
ディレクター | 大島直人 |
デザイナー | 飯塚隆 |
プログラマー |
中裕司 片野徹(A-Life) |
音楽 |
佐々木朋子 幡谷尚史 熊谷文恵 |
美術 |
大島直人(ナイツデザイン) 星野一幸(キャラクターデザイン) |
人数 |
メインモード:1人 対戦モード:2人(サターンのみ) |
メディア |
[SS] CD-ROM [PS2] DVD-ROM |
発売日 |
[SS] 1996年7月5日 [PS2] 2008年2月21日 [PS3] 2012年10月4日 [360] 2012年10月5日 [Steam] 2012年12月17日[1] |
対象年齢 |
SS:全年齢(セガのレイティング) CERO:A(全年齢対象)(PS2・PS3・360・Strem) |
デバイス | [SS] マルチコントローラー対応 |
その他 |
セガサターン マルチコントローラー同梱版(7800円)同時発売 サタコレ(2800円)1997年6月20日発売 クリスマスナイツ(非売品) PlayStation 2 限定版(4800円)同時発売 |
『ナイツ』(正式名称:ナイツ NiGHTS into dreams...)とは1996年7月5日、ソニックチームの製作でセガより発売されたセガサターン用ゲームソフト。
独特でファンタスティックな夢の世界を、心地よいメロディの中で縦横無尽に飛び回り、悪夢の支配から自分たちの夢の世界を守る物語。作品の音楽や登場キャラクターは、後に同社で発売されている『ソニックアドベンチャー』や『ファンタシースターオンライン』などでも度々使用されている。
制作はソニックチームが担当。プロデューサー・メインプログラムはメガドライブ『ソニックシリーズ』メインプログラマーの中裕司、ディレクター・ナイツデザインは『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』キャラクターデザイナーの大島直人、ゲームデザインは『ソニック・ザ・ヘッジホッグ3』を手掛けた飯塚隆、音楽は『リスター・ザ・シューティングスター』を手掛けた佐々木朋子、『ソニック・ザ・ヘッジホッグCD』を手掛けた幡谷尚史、本作がセガ入社後初の参加作品となった熊谷文恵、キャラクターデザインは『ソニック・ザ・ヘッジホッグCD』を手掛けた星野一幸。
広告のイメージキャラクターをKinKi Kidsの堂本光一と堂本剛の2人を起用。
人は眠りにつくとその意識だけが「ナイトディメンション」という異次元空間へと旅立つ。そこにはイデアと呼ばれる光に人間の楽しいという意識が投影されることで作り出される「ナイトピア」と暗く恐ろしい夢の世界「ナイトメア」が存在していた。イデアには5つの種類が存在しそれぞれ純粋を表す「ホワイトイデア」、成長を表す「グリーンイデア」、知性を表す「ブルーイデア」、希望を表す「イエローイデア」、勇気あるものだけに宿る「レッドイデア」と呼ばれている。しかし今では全てのイデアを持つものは珍しく、特にレッドイデアを持つものはほとんどいなくなってしまった。
ナイトメアの支配者「ワイズマン」は夢の世界を悪夢の世界にしようとナイトピアに侵攻を開始し、夢を見る人々「ビジター」からイデアを奪いナイトピアを消滅させようとした。ワイズマンは数々のナイトメアンを生み出しナイトピアに送り込んだ。その中にはワイズマンが自分の片腕として生み出した極めて優秀な魔人『ファーストレベル』のナイトメアンである「ナイツ」と「リアラ」もいた。しかしナイツはその自由奔放な性格ゆえにワイズマンの逆鱗に触れ、また彼を快く思わないリアラの悪計にはまって夢の狭間に存在する「イデアパレス」に監禁されてしまう。こうして、人々の夢は悪夢に支配されつつあった。
ツインシーズに暮らす少女「クラリス」と少年「エリオット」もそれぞれのナイトピアでこの事件に巻き込まれ、ナイトメアンに4つのイデアを奪われてしまう。しかし自らのナイトピアを守ろうと勇気を振り絞った2人の頭上にレッドイデアが現れ、ナイトピアの消滅は免れる。そんな時2人はイデアパレスに監禁されているナイツに出会う。ナイツは、自身を短時間だけイデアパレスから解放する鍵となる勇気のイデアを持つ2人に対し、ナイトメアンから奪われたイデアを奪い返してワイズマンを倒し、ナイトピアを平和な世界にしようと持ちかける。
こうして、夢の中で出会った3人の果てしない冒険の旅が始まるのだった。
キャラクターボイスはセガスタッフが担当している[2]。
夢の世界ナイトピアの住人。楽しいことが大好きで、ビジターに楽しい夢を見せてくれる存在。ゲーム中ではステージのそこかしこにいるが味方でも敵でもない。詳しくは後述の「#「A-LIFE」システム」を参照。
ゲームの敵キャラクターであるナイトメアンは、ナイトメアマスター、ファーストレベル、セカンドレベル、サードレベルの4種類に分けられる。ファーストとセカンドは各ステージのボス、サードは雑魚キャラクターである。
ナイツとデュアライズしている状態で様々なアクションが可能となる。
エリオット、もしくはクラリスとなってそれぞれの夢の世界「ナイトピア」に降り立つところからゲームが始まる。ステージ開始当初は人間の姿であり非力だが、イデアパレスに幽閉されているナイツとデュアライズすることで飛行能力を得ることができる。
ゲームの目的は主人公たちの表の夢の世界「ナイトピア」で敵キャラクター(ナイトメアン)に奪われてしまったイデアを取り戻し、悪夢の元凶である「ナイトメア」(ボスステージ)へ移動してそこにいるボス(強力なナイトメアン)を倒すことである。なお、ボスを倒す条件や方法はどれも異なる。
基本的にはナイトメアン自体に触れてもダメージは受けないが、デュアライズ中にナイトメアンの攻撃を受ける毎にナイツ・タイム(後述)が5秒減ってしまう。
ステージ選択後は必ず「ナイトピア」からゲームを開始する。ナイトピアとはクラリスとエリオットの楽しい夢の世界で、意識の象徴であるイデアによって形成されているという設定になっており、それを表したデザインとなっている。
イデアはプレイヤーの周囲を飛び回る光の球体として表現され、純粋をあらわす「ホワイト」、成長をあらわす「グリーン」、知性を現す「ブルー」、希望を表す「イエロー」が存在し、最初からその全てを持っているが、ものの数秒も経たずにナイトピアに進入して来たナイトメアの住人「ナイトメアン」に奪われてしまう。
イデアが無くなればナイトピアは消滅し、夢の世界はナイトメア(悪夢)になってしまう所を、ナイトピアの世界を守るために忘れかけていた勇気を現す「レッド」のイデアが現れる。
ナイトピアでは奪われた4つのイデアを再び取り戻し、奉納することが目的となる。
ナイトピアではステージ開始時に取り戻した「勇気のイデア」を媒体にイデアパレスでナイツとデュアライズする必要がある。
ステージマップは一つの小さな箱庭状、かつ画面は3Dで表現されるが、デュアライズ中は飛行コースに沿った2D横スクロール(一部ステージギミックによる例外あり)となる。コースはイデアパレスをスタート / ゴール地点にして、マップをぐるりと周回する形式。コースは1つのステージに4つ存在し、コース1に捕らわれたイデアを奪還しイデアパレスに奉納するとコースが切り替わり、次のコース(コース2)のイデアを奪還……といった形でゲームが進行する。
デュアライズ中は画面上部に「ナイツ・タイム」が表示され、ナイツが自由でいられる残り時間(秒)を確認できる。これがゼロになるまでにいずれかのイデアをイデアパレスに奉納できないと、デュアライズが解けてエリオットもしくはクラリスの姿に戻ってしまう。デュアライズが解けた状態でも見下ろし3Dの画面でエリオットもしくはクラリスを操作しイデアを開放することができる。
デュアライズの残り時間はイデアをイデアパレスに奉納(=コースクリア)すると一律で120秒まで回復する。この時エリオットまたはクラリスの状態であればナイツとデュアライズして次のコースへ移行する。
イデアを取り戻すために敵を倒すという行為を必要とはしていない事も本作の特徴である。イデアは各コース1か所づつ存在する「イデアキャプチャー」と呼ばれる機械に取り込まれており、破壊することで取り戻すことができる。
破壊するためには、ステージ(ないしコース)内に配置された「ブルーチップ」を取得した状態でイデアキャプチャーに入り、計20個のブルーチップを吸収させる必要がある。破壊後は取り込まれていたイデアがナイツの周囲を飛び回り視覚的に確認できる。
イデアの開放はエリオット、またはクラリスの状態でも可能でその間は制限時間は存在しない。ただしゲームオーバーのリスクやデュアライズ状態よりも移動速度が遅く、デュアライズが解除されるとそれまでにそのコースで獲得したスコアが0になるなどのデメリットが存在するためハイスコアを狙うには回避する必要性が生じる。
取り戻したイデアをパレスに奉納することでコースクリアとなり次のコースに切り替わる。
4つ全てのイデアを取り戻し、奉納するとプレイヤーはボスの待つ「ナイトメア」へと旅立つことになる。
アイテムを連続で取ったり、「リング」に連続で通ると(リングは一度通ると消滅する)「リンク (Link)」となり、スコアにボーナスが入り、スコアが高ければ高いほどイデア奉納時に出されるランクも高くなる。
またイデア奪還時には経過時間[6]に応じたボーナススコアが加算され、その後イデアをイデアパレスに奉納するまでの間、全ての取得スコアが2倍になるボーナスタイムに移行する。
デュアライズ中はイデアを取り戻した後もイデアパレスの上を通り越せば、奉納せずにもう一度同じルートを周回することもできる。この時イデアパレス通過前に獲得したブルーチップやリングなどのアイテムなどは復活し、再度スコアとして取得できる。
コースクリア時、スコアに応じたランクが表示される。このランクはコース(ラップ)ごとに記録され、最高ランクは「A」となっている。しかしスコアは人間に戻ってしまうと非常に下がってしまうため、いかに限られた時間内で多くのスコアを得るかがポイントである。
特に、高ランクを得ようとした場合、イデアキャプチャー破壊 - そのまま奉納のルートではE - Cランク程度が限界のため、それ以上のランクを得るには必然的に周回を繰り返す必要がある。
システム上強制はされていないものの、短い時間でより早くイデアを奪還し、より多くリンクし、より多く周回を繰り返すことで、スコアをより高くし、ランクを上げるというのがこのゲームの真の目的である。しかし欲張りすぎると時間切れでデュアライズが解除されてしまうため、その辺りのさじ加減も重要である。
なお、イデア解放までにかかる時間はスコアに大きく影響するが、イデア解放後にイデアパレスに奉納するまでどれだけ時間がかかっても、スコアに影響はない。
ナイトピアでは時間切れでデュアライズが解除されてもゲームオーバー(このゲームでは「ナイトオーバー / night.over」と呼ぶ)にはならない。エリオットまたはクラリスの状態で出現するアラームエッグ(卵の形をした目覚まし時計)に捕まってしまうとゲームオーバーである。
このアラームエッグは比較的動きが遅いため、そう簡単につかまることはなく、地面から浮いた足場には上ることができないため、少し気をつけていれば捕まることはまずない。また、アラームエッグはナイツとデュアライズ状態では出現しない。
ナイトメアでは巨大な敵「ナイトメアン」と対決することになる。
ナイトメアンはクラス分けされており、ここで戦うこととなるナイトメアンは、ナイトピアに登場する小型のサードレベルのナイトメアンよりも強力な「セカンドレベル」、もしくは「ファーストレベル」のナイトメアンである。ナイトメアのナイトメアンのほとんどは巨大な身体を持ち、多様な攻撃でナイツを苦しめる。
ナイトメアでの時間切れは即刻ナイトオーバーであるため、限られた時間内でナイトメアンにダメージを与え倒さねばならない。しかし中には通常の攻撃だとまったくダメージを与えられないナイトメアンも存在し、彼らを倒すにはナイトメアに用意されたトラップを利用しなくてはならない場合もある。ナイトメアンをより早く倒すと、残り時間に応じてボーナス倍率が得られる。ボーナス倍率はナイトピアで得たスコアを1.0倍~2.0倍まで0.1倍刻みで増加させるものである(倍率は残りタイムにより決定される)。
ステージ毎に決まったボスが出現するが、ワイズマンを除く6体を全て倒すとランダムで出現ボスが変化するようになる(オプションで設定を変更することで固定することも可能)。
ナイトピア4コースのスコア合計にナイトメアで得た倍率ボーナスを掛けたスコアがそのステージでの最終スコアとして集計される。このスコアに応じて最終的なランク(A~F)も下される。なお、スコアとランクの関係はステージごとに異なる。
クラリスとエリオット各4ステージずつ存在するが、第4ステージは第1から第3でランク「C」以上を取ることで開放される。また、4ステージ全てでランク「A」を出してゲームをクリアすると通常とは違った展開になるため、すべてのストーリーを見るためにもスコア稼ぎを則す仕組みになっている。
本ソフトには「A-LIFE」システムという人工生命(ライフゲーム)の要素がある。(ゲーム進行上のルールには一切影響しないおまけ的な要素である。)
マップ上に存在する「ナイトピアン」というキャラクターの制御に用いられており、「ナイトピアン」は頭に天使の輪がかかったかわいらしいキャラクターとして表現され、マップの各所で生活をしている。プレイヤーが彼らに対してネガティブ(パラループで消滅させる)な行為をしたり、逆にポジティブ(ナイトメアンに襲われている彼らを助け出す)な行為をとったりすると、ナイツに対する感情に変化が生まれ、ゲーム中のBGMがリアルタイムで変化する。
ナイトピアン同士がぶつかると卵が生まれることがあり、それをタッチして孵化を促すことで新しいナイトピアンを誕生させることができる。ドリルダッシュやタッチダッシュでナイトピアンにナイトメアンをぶつけることで、ナイトピアンとナイトメアンが掛け合わされた生命体「メピアン」を誕生がする。メピアン同士の交配の結果として、ピアンのパーツのみが遺伝した場合には「スーパーピアン」が生まれる。
ナイトピアンたちはドリームごとに特殊な行動をすることがある(楽器を持っていたり歌を歌ったりするなど)。
ナイトピアンは「パラループ」で消滅させることもできるが、かなり悲痛な叫び声とともに消えるので、あまり気持ちの良いものとは言えない。ナイトピアンと直接干渉する機会はあまり多くなく、プレイしている最中に発生する突発的な出来事によって状況が変化することが多いため、どちらかというと彼らとの干渉はライフゲームに近い感覚である。
この「A-LIFE」はドリームキャスト用ソフト「ソニックアドベンチャー」シリーズで「チャオ」という形になって導入されることとなるが、そちらはライフゲームというよりも育成ゲームに近い形であり、原型をとどめているとは言いがたい。『ファンタシースターオンライン』では、ある条件を満たすことにより「ナイトピアン」と「チャオ」の形をした防具を作ることができ、これらのキャラクターはソニックチームを代表するキャラクターにもなっている。
続編の『ナイツ 〜星降る夜の物語〜』にも引き継がれたが、そちらでは要素の変化が発生してもBGMの進行に影響を及ぼすことはない。
本作は「ナイトピアン」と「ナイツ」との友好関係度によってゲーム中の音楽が節ごとにリアルタイムで変動する。これは「プレイヤーが現在どのような状況であるか」ではなく「プレイヤーが今の今までどのようなプレーをしてきたか」を表すものであり、このゲームの音楽はプレイスタイルによって千差万別となるという最大の特徴がある。ナイトピアンとの友好関係はステージごとに個別で存在する。なお、この変動は本ソフトのセーブデータがある状態でクリスマスナイツのおまけモードをプレイすると自由にカスタマイズして視聴することができる。
本作で使用されているBGMは『リスター・ザ・シューティングスター』を手掛けた佐々木朋子(ササキトモコ)や『ソニック・ザ・ヘッジホッグCD』を手掛けた幡谷尚史、本作がセガ入社後初の参加作品となった熊谷文恵によって作曲されている。なお、佐々木は2001年にセガから分社化したウェーブマスターに移転し、『ROOMMANIA#203』などのシリーズに携わった。幡谷は『スペースチャンネル5』など様々なセガタイトルに、熊谷は『ソニックアドベンチャー』など多くの「ソニックシリーズ」タイトルに関わっていったが、2010年にセガを退社している。
すべてのステージでランクAをとってクリアすると、スタッフロール時のエンディングソング「DREAMS DREAMS」が子供(Cameron Earl Strother & Jasmine Allen)の歌うものから大人の男女(Curtis King Jr. & Dana Calitri)によるデュエット曲に変化する。
『プロ野球グレイテストイナン'97』ではオリジナルチームに「ナイツ」が登場。本作やソニックシリーズなど、セガキャラクターが多数参戦していた。
『ソニックアドベンチャー』のあるステージではナイツがゲスト的に出演し、そのマップの一部もかなり忠実に再現されている。
PlayStation 2用の周辺機器EyeToyを用いたソフトSEGA SuperStarsでは、ミニゲームの一つとしてナイツも入っており、プレイヤーが実際に両手を広げて大空を飛んでリングをくぐるという内容になっている。
『ソニックピンボールパーティー』にはナイツをモチーフとしたピンボール台が登場する。
『ソニックライダーズ』では、使用キャラクターの中にナイツが入っている。その他にもニンテンドー ゲームキューブで発売された『ファンタシースターオンライン エピソード1&2』のミニゲーム(GBAジョイキャリー用「NiGHTS~SCORE ATTACK~」[1])や、iモードのアプリとしても登場している。
Wii U版『ソニック ロストワールド』において本作のキャラクターがゲスト出演するステージ「ナイトメア」がプレイできるダウンロードコンテンツが配信された。登場するキャラクターとしてはナイツ、リアラ、ワイズマン、ナイトピアン、セカンドレベルナイトメアンがいる。なおナイツ、リアラ、ワイズマン、ナイトピアン、ギミック、アイテムのデザイン、BGM・SEについては『ナイツ 〜星降る夜の物語〜』のものが使用されている。
海外でのみ発売されている『Sonic & Sega All-Stars Racing』にちょい役でゲスト出演し、その続編『Sonic & All-Stars Racing Transformed』ではナイツをテーマにしたステージがあり、実際操作できるキャラクタとしても登場する。
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