ニュー・フォーク、もしくはフォーク・ミュージック・リバイバル (Folk Music Revival) は、伝統的な民謡をモダンなスタイルで改革したフォーク音楽のことである(英: folk revival)。このジャンルは、1930年代か1940年代ごろに始まり、1960年代に頂点に達したアメリカのフォーク・ミュージック(en:American folk music)の再興運動、もしくは音楽ジャンルを指している。
主にアメリカやイギリスで起きた、民謡・民俗音楽のフォーク・ミュージックの再興運動がこう呼ばれ、アメリカではアメリカン・フォーク・ミュージック・リバイバル[1]、イギリス国内で起きた再興運動はブリテイッシュ・フォーク・リバイバルと呼ばれた。
初期のフォーク音楽にかかわったシンガーには、ウディ・ガスリー en:Woody Guthrie、ピート・シーガー 、レッドベリー en:Lead Belly、リチャード・ダイアー・ベネット en:Richard Dyer-Bennet, オスカー・ブランド en:Oscar Brand、ジーン・リッチー en:Jean Ritchie、ジョン・ジェイコブ・ナイルズ en:John Jacob Niles、スーザン・リード en:Susan Reed, ジョッシュ・ホワイト en:Josh White、シスコ・ヒューストン en:Cisco Houstonらがいた。[2]1950年代なかばのアーティストとしては、オデッタ en:Odettaの名を挙げることができる。
ザ・キングストン・トリオ en:The Kingston Trioはアメリカ西海岸出身で、過度に政治的なメッセージやプロテスト・ソングは避け、いわゆる行儀の良い、大学生的な歌を歌っていた。Cracked Potという名の、大学内のクラブで歌っていたところフランク・ウェルバー Frank Nicholas Werberに見出され、彼がマネージャーとなり、キャピトルレコードと契約を結ぶにいたった。最初のヒット曲は『トム・ドゥーリー』で、これはレッドベリーの追悼コンサートでも歌われ、レコードが300万枚以上売れるヒットとなり、グラミー賞のBest Country & Western Recording賞を受賞した。1958年から1961年にかけてのキングストン・トリオの大きな商業的成功によりキャピトルレコードに2,500万ドル(2021年の貨幣価値に換算して約2億2000万ドル)以上の収益がもたらされたことで、キャピトルレコードはキングストン・トリオに似たアーティストグループ、例えばブラザース・フォア en:the Brothers Four、ピーター・ポール&マリー en:Peter, Paul and Mary、ザ・チャド・ミッチェル・トリオen:The Chad Mitchell Trio、ザ・ニュー・クリスティ・ミンストレルズ en:The New Christy Minstrelsなどの楽曲のリリースにも力を入れてゆくことになった。
日本で知られたニュー・フォーク・アーティストとしては、ウディ・ガスリー、ボブ・ディラン、ニール・ヤング、バフィー・セント・メリー[3]、ローラ・ニーロ、メラニー、ジョニ・ミッチェルなどが挙げられる。ニュー・フォークは、アーティストがシンガーソングライターで、伝統的サウンドの尊重やメッメージ性を持つといった特徴をもつのが一般的である。イギリスのフェアポート・コンベンションなどもこのジャンルに含まれる。
弾き語りの路上ライブを中心に活動する日本人アーティストやその楽曲を、ニュー・フォークと解釈されることもある。英米の基準を適用すれば、高田渡などもニュー・フォークになるが、日本では新しいフォーク・シンガーやグループを指す場合が多い。添田唖蝉坊の音楽を現代によみがえらせた岡大介らは、フォーク・リバイバルにふさわしいとみられる場合もる。