メーカー | SNK(旧社)[注釈 1] |
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種別 | 据置型ゲーム機 |
世代 | 第4世代 |
発売日 |
1990年4月16日(業務用) 1990年4月26日(レンタル) 1991年7月1日(家庭用改定価格版) |
CPU | MC68000 |
対応メディア | ロムカセット |
対応ストレージ | PCカード |
コントローラ入力 | ケーブル |
売上台数 |
100万台[要出典] 110万台[要出典] |
最高売上ソフト | 真SAMURAI SPIRITS 覇王丸地獄変 /25万本 |
互換ハードウェア | Multi Video System(業務用ネオジオ) |
次世代ハードウェア |
ネオジオCD ハイパーネオジオ64 |
ネオジオ(NEOGEOまたはNEO・GEO)は、 SNK(旧社)が開発・販売、およびレンタルしていた家庭用ゲーム機、並びに業務用ゲーム機の名称。「新たなる大地」の意味を持つ[1]。また、両機で使用されているシステムウェアの総称でもある。キャッチコピーは「Advanced Entertainment System」。
「アーケードゲームと互換性のある家庭用ゲーム機」というコンセプト[2]のもとで、家庭用ゲーム機として開発が進められたが、後に業務用(アーケード用)にも流用された。キャッチコピーは「凄いゲームを連れて帰ろう」。イメージキャラクターは、黒い燕尾服に黒マントと黒シルクハットに笑い顔をイメージさせる切れ込みの入った、のっぺりした仮面姿の「ゲーマント」。
家庭用は、主にレンタルサービスを中心に展開していた。発売当初はゲームセンターに設置され、1プレイごとに料金を徴収する扱いもあったというが、ライトユーザーをふり向かせるゲームは少なかった。しかし、対戦型格闘アクションが流行となり、注目を浴びるようになった[1]。レンタルサービス開始間もなく、全国の玩具店やデパートなどで販売が実施されているという内容の誌面広告(『ファミリーコンピュータMagazine』 1990年5月25日号 発売は4月25日)で確認できる。
なお、この項目では家庭用ネオジオ(ロムカセット版)を中心に説明するが、業務用ネオジオであるMulti Video System(MVS)との共通箇所も併せて説明する。
ネオジオの基となるハードウェアは、ネオジオのサードパーティーとなるアルファ電子(後のADK)が開発した。
CPU | メイン:16bit/68000(12MHz)、サウンド用:8bit/Z80(4MHz) |
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メモリ | RAM:【68000】64Kバイト、【Z80】2Kバイト、【VRAM】68Kバイト |
サウンド | Yamaha YM2610(周波数固定ADPCM6音 周波数可変ADPCM1音 FM4音 PSG3音 ノイズ1音) |
最大表示発色数 | 65,536色中3,840色(15色パレット*256個) |
スプライト表示数 | 380 |
テキスト表示面 | 1 |
これらとは別に、ネオジオCD向けの周辺機器のうち一部は互換性があるため使用可能。
2004年の『サムライスピリッツ零スペシャル』をもって、日本国内でのネオジオソフトの開発は終了した。
非ライセンス品としては2005年12月7日にNG:DEV.TEAM[7]というドイツのゲーム開発チームにより、家庭用ネオジオ向け横スクロールアクションシューティングゲームのLAST HOPE(ラストホープ)[8]が製作されていることが発表され、翌年の10月には、日本向けにも発売された。価格は500ユーロまたは675ドルで日本円に換算すると約8万円と、家庭用ネオジオソフト史上もっとも高額で、また、販売数量は限られていた。ネオジオCD版やドリームキャスト版の発売も発表され、その後、家庭用ネオジオ版に続いてドリームキャスト版が、2007年11月にはネオジオCD版がリリースされた。ネオジオCD向け作品のリリースは、『ザ・キング・オブ・ファイターズ'99』以来となった。パッケージおよびジャケットにネオジオの表記は一切使用されていない。代わりに家庭用ネオジオの俗称である「AES」の文字が表記されており、CD版には「AES CD」と表記されている。
この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
従来は、ゲームセンターの業務用ゲーム機(アーケードマシン)でのゲーム内容の差し替えは内部基板の交換に依っていた。しかし、基板が嵩張ることから製造や流通のコストを押し上げる要因ともなっており、また小さなゲームセンターにとっては、ゲーム内容の入れ替えが大きな負担となっていた。
この問題に対して業務用ゲーム機メーカーのSNK側が出した回答の一つが、家庭用ゲーム機のように、汎用のハードウェアを作成し、ソフトウェアをロムカセット化した上で、ゲーム機内のスロットに投入することで、簡単にゲームの差し替えを行えるようにするという物だった。システム基板とソフトウェアの供給媒体との分離自体は1980年代にすでに確立されており、データイーストのデコカセットシステムやカプコンのCPシステムなどで既出の手法だったが、供給媒体をカートリッジとして交換を容易にしたほか、1台の基板で複数のソフトウェアを導入し切り替えることが可能な作りにするという独自の要素を導入した。また、初期タイトルのソフトウエアは3万円程度と、媒体がカートリッジ(カセット)だったため業務用としては非常に安価に設定された。この価格は、初期の家庭用のソフトウエアと同額である。
これにより開発され、1990年に発売された業務用ネオジオである、通称「Multi Video System」(略称:MVS)では、アーケードゲームとしての一般的な販売手法の他に、設置を希望する店舗に無償で筐体を貸し出しその収益を徴収するという独自の手法を取った。またソフトウェア交換が楽な上に1台のゲーム機で複数ゲームを提供できることから、スーパーマーケットなどに併設されているような小規模なゲームコーナーや、玩具店・書店・駄菓子屋の店頭にゲーム機を設営する際に、その省スペース性が受けて普及した。特に青いフードが目印のSCシリーズはローラーも付いており移動性にも優れた。なお、後期型の1カートリッジタイプを除けば、ソフトウエアごとのインカムを別々に集計する機能が備わっているため、不人気タイトルを容易に特定でき、適切なタイトル変更が行える仕様だった。
日進月歩の歩みでハードの移り変わりが激しいこの業界で、2004年までに家庭用ネオジオと共に14年間にわたりソフトを供給した。
モデル名 NEO-0。1992年度にグッドデザイン賞を受賞した[9]。
業務用のMVSがリリースされた一方、MVSと同時開発していた家庭用ネオジオも1990年4月26日[10]に58,000円で販売された。俗称:AES(家庭用ネオジオ本体などに記載されたネオジオのキャッチコピー「Advanced Entertainment System」から由来する)[注釈 4]で、これは後述のネオジオCDも同様である。発売当時、「ゲームセンター向けハードウェアと同じ品質で、かつゲームセンターでヒットしていたゲームがほぼそのまま家庭で遊べる」という特徴により、特に金銭に糸目をつけない熱心なゲームファンに支持された。翌年の1991年7月1日は、本体の販売価格が48,800円に変更された。併せて、それまでに発売されていた各ゲームタイトルの価格も見直しがされた。
ユーザーからは「容量が増えることに比例して手間とコストが掛かるのではないか」という疑問を抱かれていた。それに対してメーカーに聞き込むと、容量の増大に対してネガティブには受け取りにくい回答しか出されていない[11]。
なお、当初は「MVS用ソフトウェアにわずかな変更を施したものが家庭用」と思われていたものの、後述する「MVSコンバーター」や「ユニバースバイオス」の登場により、実際は業務用も家庭用カセット版も中身は全く一緒で、最初から家庭用のプログラムも組み込まれていることが明らかになっている。[注釈 5]
家庭用本体の販売と同じ日に、レンタル用の本体とソフトウェアも販売開始され、ゲームセンターや当時急速に日本全国に普及していたレンタルビデオ店で貸し出す事業を行った。なお、パソコンゲーム業界では1980年代前半よりレンタルを「違法コピーの温床」と否定的に捉える風潮が強かった。家庭用ゲーム業界もそれをほぼそのまま踏襲していたことから日本ではアメリカ合衆国と異なりゲームレンタルは「潜り」の商売とみなされて来た経緯がある。そのため、ネオジオのソフトを含めたレンタルは日本初のメーカー公認レンタルである[注釈 6]。
2004年、SNK(旧社)の後継企業に当たるSNKプレイモアは『サムライスピリッツ零スペシャル』を最後にネオジオの生産を終了させた。生産終了の最大の理由は、「海賊版、エミュレーターなどのコピー問題」である。[要出典]
SNKや後継のSNKプレイモアはこの問題に対策を施したが、発売から10年以上も経っていたこともあって、ハードはすでに徹底的に隅々まで解析され尽くされていた。そのため、知識のある人間によってコピーガードなどのプロテクトは簡単に解除されたり、会社側がさらにセキュリティを強化しようとしても、今度はソフトの互換性に問題が生じることとなってしまった。
以上のことなどを踏まえ、SNKプレイモアは生産終了を発表し、事実上ネオジオの歴史に幕を閉じることとなった。このことについては、「ザ・キング・オブ・ファイターズ完全読本」内でも、SNK時代からのSNKプレイモア社員によって語られている。
一部の国では2007年現在において安価で良質なゲームが楽しめる業務用ゲーム機として重宝されていた[12][13]。
2010年、ネオジオは発売後20周年を迎えた。これを記念し、SNKプレイモアは同社サイトに20周年記念ページ“ NEOGEO MUSEUM ”を開設した[14]。この記念ページ立ち上げと同時に別会社に委託する形でネオジオメモリーカード、ネオジオCD・ネオジオポケットを除くネオジオの補修を再開していたが、現在は終了している。
2012年12月、SNK公式ライセンス商品としてNEOGEO Xが日本国内でも発売された。
2018年5月10日には現SNK社よりネオジオ ミニが発表され[15]、7月24日に発売された。本体は業務用の「SC型」を模している。ネオジオの名作タイトルを40作品プリインストール(内蔵)し、3.5インチ液晶ディスプレイを搭載し、モバイルバッテリーにも対応しているので携帯ゲーム的に遊ぶことができる(外部ディスプレイへ映像も出力できる)。
2019年11月11日には現SNK社よりネオジオ アーケードスティック プロが発売された。先に出た「ミニ」同様、ネオジオの名作タイトルを20作品+αプリインストールしているが、こちらはネオジオCDに付属したコントローラをイメージしたジョイスティック(にゲームが内蔵された形)になっており液晶ディスプレイは非搭載。「ミニ」のジョイスティックとしても使用できる。
2005年、SNKプレイモアはPlayStation 2(以下:PS2)向けとして、『NEOGEO オンラインコレクション』というシリーズを発表。高額なネオジオ向け製品が完全移植で、安価にPlayStation 2で楽しめることとなった。第1弾として発売された『餓狼 MARK OF THE WOLVES』(以下:餓狼MOW)は、この作品は旧SNK時代の作品であるものの、オープニングに出てくる「SNK」および「SNK Presents」のロゴが「SNK PLAYMORE Presents」に差し替えられており、「基本操作説明」の画面はカットされているなど、完全移植ではなかった。
一応完全移植と呼べるようになったのは第3弾である『THE KING OF FIGHTERS オロチ編』からである。しかし、第3弾以降の一部の作品でも、表現などの問題もあって修正せざるを得なくなったものもあった。逆に、第2弾の『月華の剣士1・2』以降の作品には、第1弾である『餓狼MOW』にあったギャラリーモードや技表、プラクティス(トレーニング)モードが無く、PS2用に少し変更を加えただけの、ネオジオ版ほぼそのままのいわゆるベタ移植だった。
SNKプレイモアはD4エンタープライズに版権許諾を出すという形でWiiのバーチャルコンソールに参入しており、同サービスで一部のネオジオ用ソフトがダウンロード販売されていた。
2010年12月22日にはPlayStation 3およびPlayStation Portableにおいてネオジオ用ソフトのダウンロード販売を行うネオジオステーションが開始された。PS3版は、1080p描画によりi/p変換を排し液晶などフラットパネルディスプレイ上でブラウン管と遜色ないプレイ環境を実現するとともに、インターネットを通じてラグの少ない高品質なマルチプレイが楽しめる。PSP版はアドホック通信によるマルチプレイに対応している。両機種とも、ゲーム中の任意の状態のセーブ、ネオジオ用メモリーカードや当時のバグなどの現象を含めたエミュレーションなどが可能な他、購入済全タイトルを網羅するBGM鑑賞モードを搭載している。
2011年4月19日には上記のD4エンタープライズが運営するプロジェクトEGGより、Windows向けにネオジオ用ソフトの配信を開始。千差万別なWindows環境に合わせて解像度を含む各種設定が変更可能であり、クイックセーブやムービーキャプチャも搭載されている。
この他、Xbox 360のXbox Live Arcadeに移植されたタイトルも存在する。それぞれHD高画質化されており、オンラインによる対戦・協力プレイが可能、実績システム、インゲームマニュアル(格闘ゲームでは技表を表示)などに対応している。
2016年からはハムスターと日本一ソフトウェアによるアーケードアーカイブスのサブブランド「アケアカNEOGEO」としてMVS版の配信が行なわれている。
このようにそれぞれのプラットフォームにて安価にダウンロード販売がなされているタイトルも多く、入手もゲームプレイも容易である。移植にあたってはバーチャルコンソールとプロジェクトEGGのようなROM版そのままの完全移植に近いものから、ネオジオステーション、Xbox LIVE アーケードのように元から新たな機能を追加した上での新規移植とも言える出来のタイトルも存在する。
SNKから公式に発行されていたネオジオ関連の広報誌および公式ファンクラブは以下の物が存在した。
SNK公認のネオジオ専門のゲーム雑誌として以下のものが存在した。
SNKが倒産後、枝分かれ組のひとつであったブレッツアソフトはネオジオに代わる後継機種として「クリスタルシステム」という基板を発表した。この基板は韓国のマジックアイズ社が開発した「VRanderZERO」というマザーボードのアーキテクチャを流用し独自にカスタマイズした基板で、見た目は小型のMVSといった趣きの基板だった[16]。しかし、元々のVRanderZEROマザーが非常に故障しやすい基板だったのに加えて、直後にブレッツアソフトがサン・アミューズメント社に吸収合併されたため、実際に発表されたタイトルは『ザ・クリスタルオブキングス』とメキシコのEVOGA社のブランドで発売された『エヴォリューションサッカー』の2タイトルのみであった、日本国内では公式に発売されず、『ザ・クリスタルオブキングス』のみ非公式で発売された。SNKプレイモアにとってブレッツアソフト、サンアミューズメント、そしてSNKネオジオ社は現在では傍系扱いとなっている[要出典]ため、クリスタルシステム基板自体が無かったことにされてしまった。生産終了後、SNKがネオジオ向けに開発していた作品を初めとする、SNKプレイモアが現在、権利を所有しているアーケード向けの作品の大半については、サミー(後のセガサミーホールディングス)が開発したプラットフォームである「ATOMISWAVE」へ移行し、移行後2年後にSNKプレイモアはプラットフォームを同社と旧SNK創設期より長く付き合いのあるタイトーの「Taito Type X」に変更している。また、タイトーのアーケード向けダウンロード配信システム「NESiCAxLive」での配信も予定されている。