ネッド・プライス [ 2] (英語 : Edward "Ned" Price [ 3] 、1982年 11月22日 - )は、2021年 からアメリカ合衆国 国務省 報道官を務める政治顧問。2006年から2017年まで中央情報局 (CIA)で勤務した元諜報員 である。
2017年2月20日に、ドナルド・トランプ 政権で働くくらいであればCIAから引退するという決意をワシントン・ポスト に寄稿し[ 4] 、物議を醸した[ 5] [ 6] [ 7] [ 8] [ 9] [ 10] 。
プライスはダラス で育ち、セントマークス高校テキサス校を卒業した[ 11] 。学生新聞の貢献メンバーであり、毎年恒例のキャンプアウトに現在でも監督の役割で参加している。その後、ジョージタウン大学 を優等 で卒業し、外交学院で国際関係学 を学んだ[ 12] 。卒業後にCIAに加わることを見越して、この研究分野を選んだと伝えられている[ 13] 。その後、ハーバード大学 のケネディスクール で修士号を取得し、パブリックサービスフェローシップと優秀論文賞を受賞した[ 14] 。
ホワイトハウスで(2014)
プライスは、キャリアの初期には情報アナリストとして勤務した。彼の関心は、米国とその利益に対するテロ攻撃の可能性を検知し、それを阻止することにあった。2013年、マザージョーンズ誌 は、CIAが気候変動 に関する研究に資金を提供していることを「資源の無駄遣いだ」という共和党の反対[ 15] を押し切ってこれを擁護するプライスの言葉を引用した[ 16] 。彼のCIAキャリアの後半に国家安全保障会議 に出向し、その報道官およびバラク・オバマ 大統領の特別補佐官を務めた[ 17] 。オバマ大統領の下で働いた経験について書いた著書『West Wingers: Stories from the Dream Chasers, Change Makers, and Hope Creators Inside the Obama White House』を2018年に出版している[ 18] 。
2017年2月のワシントンポストの論説で、ドナルド・トランプに対する懸念の高まりを訴えた。例として、ライバル候補のヒラリー・クリントン との討論中に、トランプが諜報機関高官の意見を躊躇なく却下したときに最初の懸念を覚えたとしている。また大統領就任直後のトランプが本部を訪問した際、選挙運動のような自己アピールをしていたことに、自分や同僚のCIA職員がどれほど落胆したかを語っている[ 4] 。最後に、トランプが「閣僚級委員会」から情報機関高官を外したことを振り返り、彼らの助言を無視することで、公共の安全を危険にさらすことになると懸念を示した[ 9] 。
論説の中で、プライスは共和党政権と民主党政権の両方で忠実に奉仕したことを主張している[ 19] 。
2017年7月14日のポリティコ に掲載された記事で、プライスはドナルド・トランプ大統領の義理の息子であるジャレッド・クシュナー の任命とセキュリティクリアランスの継続的な保持に関連する懸念を表明した。記事の中で、プライスは、セキュリティクリアランスを取得するために経験した約1年に及ぶ広範な審査を振り返り、それをクシュナーに付与されたセキュリティクリアランスと比較した。クシュナーが2016年の大統領選挙 に干渉しようとするロシアの試みにクシュナーが関与したと見られることに関連する進展中の情報が最近公開されたことについて、「元CIA職員である私が仮にこのような活動についてほんの一部でも非難されていたら、クリアランスは即座に取り消されていただろうと自信を持って言える」と述べている [ 20] 。
2021年1月20日、バイデン政権 における米国国務省のスポークスパーソンに就任した[ 21] 。
2014年のガザ侵攻 中に犯された戦争犯罪に関する国際刑事裁判所(ICC)の調査について、米国は「深刻な懸念」を抱いていると述べた[ 22] 。プライスはICCについて、「この問題について管轄権を持たず」イスラエルを「不当に」標的にしているとしたが[ 23] 、裁判所はハマスも調査している[ 22] 。この声明は、アメリカとその同盟国に対する国際刑事裁判所の管轄権を否定するドナルド・トランプの大統領命令13928と一致している[ 24] 。
父はマーティン・ルイス・プライス、母はエリザベス・サラ・リーガー[ 1] 。自らが同性愛者であることを公表している[ 25] 。
^ a b “1982 Births”. Texas Birth Index, 1903-1997 (Texas Department of State Health Services)
^ “Career CIA Analyst Ned Price Quits Rather Than Serve Trump Administration ”. NPR.org . 2017年3月2日 閲覧。
^ “Watch Edward "Ned" Price Talk & Discussion Videos at Conferences | ConferenceCast.tv ” (英語). www.conferencecast.tv . 2021年8月28日 閲覧。
^ a b “I didn't think I'd ever leave the CIA. But because of Trump, I quit. - The Washington Post ” (2017年2月20日). 2017年2月20日時点のオリジナル よりアーカイブ。2021年1月18日 閲覧。
^ Edward Rosva (2017年2月21日). “National Security Council spokesman quits CIA, writes scathing editorial in Washington Post” . Salon magazine . オリジナル の2017年2月23日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170223080842/http://www.salon.com/2017/02/21/national-security-council-spokesman-quits-cia-writes-scathing-editorial-in-washington-post/ 2017年2月24日 閲覧。
^ “CIA analyst quits after 11 years because of Donald Trump's 'disturbing' behaviour | The Independent ” (2017年2月23日). 2017年2月23日時点のオリジナル よりアーカイブ。2021年1月18日 閲覧。
^ “Trump effect: CIA 'terrorist hunters' to quit in opposition to president | Middle East Eye ” (2017年2月23日). 2017年2月23日時点のオリジナル よりアーカイブ。2021年1月18日 閲覧。
^ “Departing CIA official blasts Trump in Washington Post op-ed - The Boston Globe ” (2017年2月24日). 2017年2月24日時点のオリジナル よりアーカイブ。2021年1月18日 閲覧。
^ a b “A CIA analyst just very publicly resigned because of Trump ” (英語). The Daily Dot (2017年2月21日). 2021年1月18日 閲覧。
^ Logan. “CIA analyst resigns, calls Trump's actions in office 'disturbing' ”. Business Insider . 2021年1月18日 閲覧。
^ Price, Edward (February 21, 2017). “I quit my CIA career because of Trump” (英語). Dallas News . http://www.dallasnews.com/opinion/commentary/2017/02/21/quit-cia-career-trump
^ “WAC - Beta - Secondary Page - World Affairs Council of Dallas/Fort Worth ” (英語). www.dfwworld.org . 2017年3月2日 閲覧。
^ “Disgusted By Trump, A CIA Officer Quits. How Many More Could Follow? ” (英語). NPR.org . 2021年1月18日 閲覧。
^ “Ned Price ” (英語). trumanproject.org . 2017年3月2日 閲覧。
^ Mooney. “CIA Backs $630,000 Scientific Study on Controlling Global Climate ” (英語). Mother Jones . 2021年1月18日 閲覧。
^ Sheppard. “The CIA’s Weather Underground ” (英語). Mother Jones . 2021年8月17日 閲覧。
^ “BREAKING: CIA Analyst Resigns Over Trump's 'Disturbing' Actions, But There's A MAJOR Problem” (英語). The Political Cult . (2017年2月21日). https://politicalcult.com/breaking-cia-analyst-resigns-trumps-disturbing-actions-theres-major-problem/ 2017年3月2日 閲覧。
^ “West Wingers: 9780143133292 | PenguinRandomHouse.com: Books ” (英語). PenguinRandomhouse.com . 2021年1月18日 閲覧。
^ Rozsa (February 21, 2017). “National Security Council spokesman quits CIA, writes scathing editorial in Washington Post ”. Salon . 2017年3月2日 閲覧。
^ Price (July 14, 2017). “Why Does Jared Kushner Still Have a Security Clearance? ”. Politico Magazine . July 15, 2017 閲覧。
^ “Ned Price tapped by Biden team as first-ever out gay State Dept. spokesperson ” (英語). Washington Blade: Gay News, Politics, LGBT Rights (2021年1月16日). 2021年1月18日 閲覧。
^ a b “U.S. has 'serious concerns' about ICC ruling on Israel war crime probe ”. www.msn.com . 2021年3月25日 閲覧。
^ Cohn (2021年3月3日). “Biden admin: International Criminal Court 'unfairly' targeting Israel ” (英語). TheHill . 2021年3月25日 閲覧。
^ “Executive Order 13928—Blocking Property of Certain Persons Associated With the International Criminal Court | The American Presidency Project ”. www.presidency.ucsb.edu . 2021年3月25日 閲覧。
^ “State Department's 1st openly gay spokesperson sends signal to the world, advocates say ” (英語). ABC News . 2021年2月3日 閲覧。
ウィキメディア・コモンズには、ネッド・プライス に関するカテゴリがあります。