ノーガハイド(Naugahyde)は、アメリカの人工皮革のブランド名のひとつ。布にポリ塩化ビニルを吹き付けたビニールレザーの一種で、ユナイテッド・ステイト・ラバー・カンパニー(現・ユニロイヤル)社が売り出し、1960年代に広く普及した。通気性がないため、ソファやスーツケースなどに使われた。同社の所在地であるコネチカット州ノーガタックと、皮を表す言葉hideを合体させて命名された。
まだビニールレザーが珍しかった1960年代、ノーガハイドが何の革なのかという問い合わせがメーカーに多数寄せられた。そこでユニロイヤル社は、「動物を殺傷しない人工皮革」という点を強調するために、「ノーガ」という架空の動物を創り上げ、これを宣伝材料に使った。同社の設定では、ノーガは18世紀にアメリカにもたらされたスマトラ原産の動物で、脱皮するので、動物を殺さないでその皮を利用することができる、というもの[3]。ノーガハイドの端切れで「ノーガ」という名のキャラクター人形を作り、代理店や一般客に配って宣伝に利用した。1966年の誕生から[2]1970年代にかけて使われたが、現在は復刻版や企業とコラボレーションしたものが出ている[4]。