『ハウリン・ウルフ・アルバム』 | ||||
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ハウリン・ウルフ の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 1968年11月 シカゴ Ter Mar Studios[1] | |||
ジャンル | エレクトリック・ブルース、サイケデリック・ロック、ブルースロック | |||
時間 | ||||
レーベル | キャデット・レコード | |||
プロデュース | マーシャル・チェス、チャールズ・ステップニー、ジーン・バージ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
ハウリン・ウルフ アルバム 年表 | ||||
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『ハウリン・ウルフ・アルバム』(原題:The Howlin' Wolf Album)は、アメリカ合衆国のブルース・ミュージシャン、ハウリン・ウルフが1969年に発表したスタジオ・アルバム。
チェス・レコード創設者レナード・チェスの息子であるマーシャル・チェスは、マディ・ウォーターズにサイケデリック・ロック色の強いアルバム『エレクトリック・マッド』(1968年)をレコーディングさせ、商業的に成功を収めたことから、ウルフにも同じ路線のアルバムを求めた[2]。ただし、ウルフ自身は本作を嫌っており、『エレクトリック・マッド』と本作の両方でギターを弾いたピート・コージーは後年「マディはセッションの間、ちょっと疑問を抱いていた程度だけど、ウルフは激怒していた」「私はこのセッションでの写真を何枚か持っていて、一部の写真ではウルフが露骨に私を睨み付けていた」と証言している[3]。また、マーシャル自身も後年のインタビューで「金のために作った」と認めている[2]。そして、本作のジャケットは白地に「This is Howlin' Wolf's new album. He doesn't like it. He didn't like his electric guitar at first either.(これはハウリン・ウルフの新作アルバムである。彼は本作を嫌っている。そもそも彼は、最初はエレクトリック・ギター自体を嫌っていた)」という文章が印刷された[2][4]。
全曲ともウルフが過去に発表した曲のリメイクで、アルバム『モーニン・イン・ザ・ムーンライト』から3曲、『ハウリン・ウルフ』から4曲、『リアル・フォーク・ブルース』から3曲が選ばれた[5]。
母国アメリカでは、総合アルバム・チャートのBillboard 200入りは果たせなかったが、『ビルボード』のR&Bアルバム・チャートでは49位に達し、本作からのシングル「イーヴル」は『ビルボード』のR&Bシングル・チャートで43位に達した[6]。Steve Leggettはオールミュージックにおいて5点満点中1.5点を付け「良く言っても奇妙、悪く言えば下らなく嘆かわしい結果となったが、ウルフ自身は明らかに、少しでも意味のある作品にしようとベストを尽くしており、彼に落ち度はない」と評している[7]。
アメリカのロック・バンド、カクタスは、1971年のアルバム『リストリクションズ』において、本作のアレンジに基づいた「イーヴル」をカヴァーしている[5]。
本作は2007年、日本で世界初CD化されたが、収録曲「イーヴル」はソウル・ジャズ・レコードから2004年に発売されたコンピレーション・アルバム『Chicago Soul』にも収録されている[5]。また、2009年には「テイク5」というレーベルからデジパック仕様のヨーロッパ盤CDが発売された[8]。
特記なき楽曲はウィリー・ディクスン作。