ハナヒョウタンボク | ||||||||||||||||||||||||||||||
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分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Lonicera maackii (Rupr.) Maxim. (1859)[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ハナヒョウタンボク(花瓢箪木)[2] |
ハナヒョウタンボク(花瓢箪木、学名: Lonicera maackii)は、スイカズラ科スイカズラ属の落葉小高木[2][3][4][5]。
直立する小高木で、樹皮が縦に裂け剝れる。枝は中空。子房基部の苞は線状披針形で早落する。花柄が2-4mmとごく短いのが特徴。花冠は2唇形になり、上唇は先が4裂する。葉の先はとがり、基部はくさび形になる[2][3][4][5]。
高さは2-4m、ときに5mに達して、分枝して茂る。幹の樹皮は褐色から灰褐色になり、縦に裂けて剝れる。若い枝は褐色から茶褐色で、短毛が生え、中空になる。葉は対生し、葉身は長さ3-8.5cm、幅1-4cmの狭倒卵形から狭倒披針形で、先端は鋭突頭または尾状にとがり、基部はくさび形または円形となり、縁は全縁になる。葉の両面の葉脈上に沿って屈毛が生え、裏面全体に微細な油点がある。葉柄は長さ2-5mmになり、密毛が生える[2][3][4][5]。
花期は6月中旬。葉腋から長さ2-4mmになる短い花柄を伸ばし、その先に2個の花をつける。子房の基部に2個の苞があり、線状披針形で長さ3-5mm、軟毛と腺毛が生え、早く落ちる。2個の小苞は長さ1.5-2mmとごく小さく、縁毛があり、下部は合着する。子房は下位で長さ2mm、離生し、3室あり、無毛。萼片は5中裂し、裂片の長さは2-3mm、披針形で縁毛がある。花冠は2唇形になり、長さ17-22mm、はじめ白色から帯紅白色で、のちに黄色になり、花冠内外に軟毛が生える。花冠筒部は長さ5mm、上唇は長さ12-17mmになり4浅裂し、下唇は幅3-5mm、広線形になる。雄蕊は5個あり、花冠より少し短いが、花冠筒部からは長く超出する。花糸に軟毛が生え、葯は長さ3.5mmになる。雌蕊は1個、花柱の長さは13mmになり、軟毛が密生し、柱頭は頭状になる。果実は径5-8mmになる球状の液果で、2個ずつ並ぶが合着はせず、9-10月に赤く熟す。種子は長さ3-4mmの卵形となる。染色体数2n=18[2][3][4][5]。
日本では、青森県、岩手県、群馬県、長野県に分布し[2][4][5]、山地にまれに生育し[2][3][4]、沢沿いなどの湿り気の多い場所に生える[6]。しばしば石灰岩地に生育する[5]。世界では、朝鮮半島、中国大陸北部、モンゴル、東シベリアに分布する[4][5]。
シベリアの沿海州では、広く分布し、水辺の林でふつうに見られる。北アメリカ大陸では、帰化植物としてさまざまな植生に広がり、原植生への影響が大きいとして問題になっているという[6]。
和名ハナヒョウタンボクは、「花瓢箪木」の意で[2]、牧野富太郎 (1903)がつけた[7]。
種小名(種形容語)maackii は、ロシアの探検家でナチュラリストのリヒャルト・マーク (Richard Maack) への献名である[8]。
絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト)
まれに見られる植物である[2]。都道府県のレッドデータ、レッドリストの選定状況は、次の通りとなっている。青森県-絶滅野生生物(EXランク)、岩手県-Aランク、群馬県-情報不足(DD)、長野県-絶滅危惧II類(VU)[9]。
長野県軽井沢町にある「長倉のハナヒョウタンボク群落」が、長野県の天然記念物に指定されている[10]。また、岩手県葛巻町にある「ハナヒョウタンボク群落」が葛巻町の天然記念物に指定されている[11]。