バイロケーション | ||
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著者 | 法条遙 | |
イラスト | 久保田眞由美 | |
発行日 | 2010年10月23日 | |
発行元 | 角川ホラー文庫 | |
ジャンル | ホラー小説 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 文庫本 | |
ページ数 | 410 | |
次作 | バイロケーション スプリット | |
公式サイト | 法条遥『バイロケーション』KADOKAWA | |
コード | ISBN 978-4-04-394387-6 | |
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『バイロケーション』は、法条遙による日本のホラー小説、およびそれを原作とする日本映画。
タイトル通り、19世紀初頭から世界各国でその存在が語られ、実際に研究がされている怪奇現象“バイロケーション”を題材とした作品である[1]。
2010年、角川書店主催の第17回日本ホラー小説大賞長編賞受賞。応募時の原題は『同時両所存在に見るゾンビ的哲学考』[2]。
2013年、続編『バイロケーション スプリット』が発売。“バイロケ”をもつ殺し屋を主人公にしたストーリーで、映画オリジナルの設定が逆輸入の形で使われている[3]。
2014年に映画化され、結末が異なる『バイロケーション 表』『バイロケーション 裏』の2作が連続公開された。
2014年9月12日から14日にかけてアメリカ合衆国・ロサンゼルスで開催されたLA EigaFest 2013では招待作品として上映された。
ある日、新婚の忍はスーパーマーケットで偽札使用を疑われ、警察に通報されてしまう。しかしやってきた警察官・加納に連れて行かれたのは警察ではなく、高級フランス料理店「アンリス」だった。そしてそこで忍は”バイロケーション(通称バイロケ)”という自分と寸分違わぬ容姿をして、オリジナルの記憶も知識も全て持っているもう1人の自分というものが世の中に存在しており、そのバイロケによって生活を乱されている人が他にもいるため、情報交換や対策を立てる会を発足しているということを聞かされる。到底信じられない忍は、その場にいた加納を含めた他のメンバー(飯塚・門倉・御手洗)からの会への誘いも断ったが、その後も度々バイロケに遭遇したため、バイロケに夫をとられてしまう可能性も危惧して会への参加を決めた。
情報交換が主であった会での対策は、バイロケを捕まえて殺し、その後の経過を観察するという第2段階に突入しようとしていた。警官という職業柄、拳銃を所持している加納のバイロケがその対象として選ばれたが、実際に捕えて医師の御手洗が解剖した翌日、本物の加納が自宅で遺体で発見される。殺したのはバイロケではないかと考えた飯塚は会のメンバーそれぞれに護衛をつけたが、今度は門倉が政令病院の中の倉庫内で角材で殴り殺された状態で発見された。またしても密室状態だった。警察はその病院に勤める御手洗に疑いをかけて連行していったが、その後忍は「自分がオリジナルである」と主張する御手洗に呼び出されたり、再び現れた死んだはずの加納に「飯塚の亡くなった奥さんを調べろ」と言われたりと混乱し、質問に何も答えようとしない飯塚にも不信感をつのらせる。誰も信用できなくなっていた忍に、会にほとんど参加していなかった加賀美が、「僕はあなたが知りたいことは全部知っている」と言う。そして新幹線のチケットを渡された忍は、加賀美とともに飯塚の地元へと向かう。
バイロケーション 表 バイロケーション 裏 | |
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監督 | 安里麻里 |
脚本 | 安里麻里 |
原作 | 法条遙 |
製作 |
山下直久 水口昌彦 木村憲一郎 山本浩 香月純一 植木英則 |
製作総指揮 | 井上伸一郎 |
出演者 |
水川あさみ 千賀健永 高田翔 滝藤賢一 浅利陽介 酒井若菜 豊原功補 |
主題歌 |
黒夢「ゲルニカ」(表) FAKY「The One」(裏) |
撮影 | 月永雄太 |
編集 | 村上雅樹 |
製作会社 |
KADOKAWA ポニーキャニオン エイベックス・エンタテインメント 博報堂 東映チャンネル デジタル・フロンティア |
配給 | KADOKAWA |
公開 |
2014年1月18日(表) 2014年2月1日(裏) |
上映時間 |
119分(表) 121分(裏) |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 8000万円[4] |
角川ホラー文庫20周年記念作品として映画化[5]。
『×ゲーム』(2010年)や『リアル鬼ごっこ』シリーズ(2012年)などのホラー作品で手腕を発揮する安里麻里が監督・脚本を務め[6]、ヒロインが突如発生するもう1人の自分(バイロケーション)に遭遇して“自分の人生”を奪い合う様をサスペンスホラーとして描く[7]。主演の水川あさみは1人2役に挑戦し、Kis-My-Ft2の千賀健永は映画初出演となる[1][7]。特報やTVスポットでは”殺される”という言葉で埋め尽くされるシーンやバイロケの不気味な眼球運動、実際に殺し合うシーンなどが使われ、"『シックス・センス』を超える結末"というキャッチコピーもつけられた[8]。
劇中や映画ポスターで登場するバイロケーション人形[1]制作は、人形作家の三浦悦子が担当している[9][10]。
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2013年10月21日、六本木ヒルズアリーナで行われた第26回東京国際映画祭にて特別招待作品としてワールド・プレミア上映され[17]、グリーンカーペットセレモニーでは、「自分の近くに発生するもう一人の自分」をテーマにしている作品であることに倣い、エンディングが異なる「表」と「裏」の2バージョンが制作されたことも併せて発表された[18]。2014年1月14日に行われたプレミア試写会では、観客に「表」「裏」の記載があるうちわを持ってもらい、見たい方を掲げることで上映作品を決定する異例の方式がとられた[19]。水川は「表」[14]、滝藤賢一は「裏」推しだったが[20]、多数決の結果、「表」が235人で「裏」が122人となり、「表」が上映された[19]。
「表」(オリジナルバージョン)は2014年1月18日に全国98スクリーンで公開され[21]、「裏」(別エンディングバージョン)は同年2月1日に公開[18]された。「表」はぴあ初日満足度ランキングで1位を獲得した[22]。
ハリウッドで開催される映画祭「LA EigaFest 2014」で公式上映された。
第26回東京国際映画祭で今作を鑑賞したイタリアのウディネ・ファーイースト映画祭プレジデントであるサブリナ・バラチェッティが、「近年の日本のホラー映画の中で断トツの完成度を誇る作品」と評価して出品を熱望し、第16回ウディネ・ファーイースト映画祭(2014年4月25日 - 5月3日)のコンペティション部門への出品が決定[23][24]。幼い頃からイタリア映画の大ファンだという監督の安里は、「国籍に関係なく楽しめるトリック映画だと思うので是非イタリアの皆さんにも謎解きにチャレンジしてほしい」と大興奮で喜びのコメントを寄せた[23]。