バインセオ Bánh xèo | |
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ベトナム風バインセオ | |
種類 | パンケーキ、お好み焼き、クレープ |
発祥地 | ベトナム |
関連食文化 | ベトナム、カンボジア、タイ |
主な材料 | 米粉、水、ターメリック(粉末) |
バインセオ | |
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バインセオ(小皿がヌクチャム) | |
各種表記 | |
チュ・クオック・グー: | bánh xèo |
漢字・チュノム: | 炒/饒(餅炒/餅饒) |
北部発音: | バインセオ |
バインセオ(ベトナム語:Bánh xèo / 餅饒、IPA: [ɓǎjŋ̟ sɛ̂w])は、日本でベトナム風お好み焼き、西欧でベトナム風クレープなどと呼ばれるベトナム南部の粉物料理。溶いた米粉を焼き、具を後から挟む[1]。名前は熱した鉄板やフライパンに生地を注いだときの擬音(セオ xèo – 〈ジュージュー〉)を含む[2]。
ベトナム北部ではあまり食べられていないが、安南はじめ南部では日常的な家庭料理[2]であるためレシピは多彩で、中に入れる具も多様である。
基本的なレシピは、米粉とココナッツミルクをベースにした生地にターメリックを加えて黄色くすると、大きめの専用フライパンに薄く流し込む[3][4]。焼けたらあらかじめ加熱しておいた豚肉ともやし、海老、緑豆、あるいはやはり火を通してある鶏肉やキノコ、タマネギ、青ネギの薄切りなど好みの具をたっぷりと乗せて二つ折りにし、さらに油で皮をパリパリに焼く[3][4]。焼き上がったら皿に取り合わせの香草類(ミント、ドクダミ、紫蘇など)を添えて供する。一口大にちぎって香草と一緒にレタスやサニーレタスなどの葉もの野菜で包む。付けるタレは「ヌクチャム」と呼び、酢やヌクマム(魚醤)を混ぜてある。
ホーチミン市など都市部には専門店があるほか、屋台でも売られ、庶民的な食べ物としてフォーやチャーズィオ(春巻き)同様に旅行者の人気を集めている。
「バイン」とはパン、饅頭、ケーキなど粉をこねたもの全般を指す語で、「セオ」とは生地が熱い鉄板に触れたときにたてる音を表している[2]。
カンボジアでも日常に食べておりバインチャエウ[5][6](クメール語: បាញ់ឆែវ [ɓaɲ cʰaew]、banh chhev)と呼び[7]、ベトナム中部風よりも南部のバインセオに似ている。
タイ王国ではカノムブアンユアン(タイ語: ขนมเบื้องญวณ)またはバンサオ(同: บั๊ญแส่ว)という名前である。焼き上がりをパリッとさせるために生地に石灰水が入り、中身は刻んだココナッツや揚げ豆腐、チャイポー(菜脯)という中華風の大根の漬け物、揚げたラッカセイ、コリアンダーが入るなどタイ独自の特徴があり、付け合わせは豆もやしやキュウリの漬物など。バンコクなら屋台で買ったり、タイ料理あるいは宮廷料理のレストランで味わえる。