バトルテック (BattleTech) は、米国のゲーム会社FASA社が製作した未来世界を舞台にしたロボット兵器同士の戦闘を楽しむウォー・シミュレーションゲームやその派生作品のシリーズ名および商標名。
初期の段階では設定や挿絵等を、『ロボテック』や各種のジャパニメーションから流用(無断使用)していたため日本では混同されることも多いが、本作はそれらの作品とは別物の、完全オリジナルの世界感である。
ライセンスはFASA社が登録していたが、WizKids社をへて、2008年からCatalyst game labs社が管理を行っている。
バトルテックシリーズはFASA社が1984年に発表したボードゲーム型のウォー・シミュレーションゲーム『バトルテック』を元祖とし、様々な追加ルール集やデータ集が発売された他、『メックウォーリアシリーズ』などのロボットアクションゲームやSF小説シリーズ、TVアニメーションが発表された。ボードゲームやコンピュータゲーム、ミニチュアゲーム、テーブルトークRPGの『メックウォリアー』などは日本語版も制作され、日本でも展開されている。
シリーズの元祖であるボードゲーム『バトルテック』は、1984年の初版発売時は『バトルドロイド』 (BattleDroids)のタイトルで発売され、ゲーム中に登場する人型ロボット兵器の総称もゲーム名と同じ「バトルドロイド」だった。しかし、「ドロイド」はジョージ・ルーカスとルーカスフィルムの登録商標であり、第2版からゲームタイトルを『バトルテック』に、機体の総称を「バトルメック」(メック)に変更した。
FASA社は2001年に解散し、BattletechのライセンスがWizKids社、FanPro LLCに移管。WizKids社はミニチュアゲームとしてMechWarrior:DARK AGEを展開し、ホビージャパンが国内で販売を行った。
『バトルテック』の初期の版では、日本のテレビアニメ『超時空要塞マクロス』のバトロイド、デストロイドや『太陽の牙ダグラム』のコンバットアーマー、劇場版「クラッシャージョウ」のハンターメカのメカニックデザインや設定などを無断使用しており、その点で非常に注目を集めた。
特にバトロイドは、宇宙でも使用可能な気圏戦闘機に変形することができる高性能メック、『Land-Air 'Mech』(LAM)というそのままな設定とされ、『Aerotech』なる空戦用サプリメントに掲載された。なお、これは主に宇宙空間からの降下、戦闘機による近接航空支援や戦闘機同士の空中戦も扱ったサプリメントであり、LAMの扱いはそれほど大きくない。
当時は米国内で日本製アニメーション作品への注目度が上がってきた時期であり、他方日本はまだこの時代、これらアニメーション作品の海外輸出を真面目に考えておらず捨て売りしていた。そのため、この盗用に関して目立った問題とは見なされていなかった部分もある。
この盗用の件で、米国にてこれらの日本製アニメーションのライセンスを取得して再構成したアニメーション作品『Robotech(ロボテック)』を製作していたハーモニーゴールド USAからデザインの使用停止を求められた。訴えは認められ、旧デザインのメックは「なかったこと」にして独自デザインのものだけが「メック」として残ることになる。アメリカ人デザイナーによる新デザインはカートゥーンアニメを思わせるデザインに無骨なテクスチャとなっており、この骨太なデザインセンスが「日本ロボットアニメのパクリ」というかつての悪名を払拭するくらいのインパクトと個性を出すことに成功しているともいえる。 その後、『MechWarrior Online』などを手がけるPiranha Gamesとハーモニーゴールド USAとの間で和解が成立し、ハーモニーゴールドUSAが版権を持つ日本のアニメのメカをモチーフとした機体については、少なくとも、『MechWarrior Online』では使用が継続されることとあんった[1]。また、原作ボードゲーム「バトルテック」を展開するCatalyst Game Labsに対する訴訟も和解となった一方、『BATTLETECH』を手がけたHarebrained Schemesへの訴訟は棄却となった[1]。
1992年に富士見書房より日本語版が発売されたボードゲーム『バトルテック』では、米国で書き直された新デザインのイラストは一切使用せず、『マクロス』のメカデザイナーである河森正治による新規オリジナルデザインが使用された。これらのメカデザインは、もともと河森がデザインしたデストロイド等の盗用されていた元祖のデザインとは似ても似つかぬ"日本風"に変更されて普及に一役買った。なお、元のデザインがそれとなく判るように意図的に似せているメックもあった。なお一部マニアは米国版の新デザインをかたどったソフビ製のフィギュアユニットを米国から購入、使用する風景も見られた。
ボードゲーム『バトルテック』は、戦場を模したヘクスマップ上にメックのコマを何枚か配置して、メック同士を戦わせるという一般的なウォー・シミュレーションゲームの体裁をとっている。プレイヤーは自軍の資金やメックの重量の制限内でメックの武装や装甲を改造できるのが特徴で、ゲームに使用することができるメックや武装パーツは数多くのエキスパンションセットを別個購入することで増やすことができた。この、「自分の好きなメックを作り出すことができる高い自由度」は他の類似ゲームに対する強烈な個性となっている。
初版は1984年に『バトルドロイド』の名称で発売。以後、バージョンアップが繰り返され、いくつもの追加ルール(エキスパンション)も発売された。日本では1992年~1994年にかけてラインナップの一部が富士見書房より翻訳発売された。翻訳を担当したのはグループSNEの清松みゆき。日本語版では機体のデザインが河森正治によって描き直されている。
ボードゲーム『バトルテック』はマニアックなカスタマイズ性(自由度の高さ)が特徴ではある。ただし、それゆえにゲームルールの複雑化を招いており、コアなマニアとそうでない者の評価の格差は激しい。「メカ物の発祥地」であるはずの日本では、逆に大きなブームを起こせなかった。
本作は、日本語版翻訳を担当した清松がデザインしたソード・ワールドRPGにも影響を与えた[2]。その大きなものがミサイルの命中本数表でありソードワールドにおけるレ―ティング表のアイデアに繋がる。
武装カスタマイズの複雑さが本作の特徴だが、武器の命中判定はシンプルである。どの武器であっても、六面体サイコロ二個によって行われる上方判定で行う。武器毎に専用の細かい表があり、サイコロの出目と表をつきあわせることで敵機にどのような損害を与えたかが決定される。
メック同士の戦闘は「射撃の雨を浴びせて敵メックの装甲、武装、その下の内部中枢やエンジン等を破壊して、ようやく敵メック一機を撃破する。そしてその間、自機も敵からの射撃の雨を浴び続ける」という力押しの射撃戦が基本である。ただし、バトルテックでも運が良ければわずか数発の命中で、搭載弾薬が誘爆し敵を撃破できる事はある。
また、そういうシステムである以上、重装甲・重武装のメックが有利になる。『バトルテック』ではメックに設定された重量によって装甲や武装に限界が発生するため、基本的には重いほど強いという一般則がある(なお、機体の大きさや小ささはシステム上考慮されていない)。
メックは重量が増すたびに鈍重になり移動力や回避性能が劣化するという弱点もあるため、軽量級が優位に立つシチュエーションもあるにはある。しかし、ゲームはアニメと違って、バランス上どんなに回避が高くても当たるときは当たるため、回避性能を強化して軽量級メックを強くするのは難しい部分もある。特に『バトルテック』をテーブルトークRPGとして遊ぶための拡張ルール『メックウォリアー』を導入すると、せっかく育てたキャラがあっけなく死んでしまわないように考慮が必要であるため、回避型より重装甲型の方がどうしても重用される傾向がある。
メックは手、足、胴体、背部、頭部など、各部位ごとに耐久力が存在しており、敵からの攻撃が命中した場合は、その部位の耐久力が削られる。また、武器も各部位ごとに装備でき、手にはライフルや剣を持ち、脚にはミサイルポッドや予備弾薬をつけるなどといったことも可能である。弾薬などを装備している部位が攻撃されると誘爆し大ダメージを食らうこともある。各部位ごとに自在に装甲を施す事も可能で、弾薬を積載し弱点となり易い場所は重点的に、多少破壊されても困らない所は装甲を削って重量を他に回す事も出来る。背部装甲を前面装甲に回せば「後ろから撃たれるとすぐ破壊されるが、とにかく前からの攻撃には強くする」といったカスタマイズになる。ただし頭部(コックピット)は装甲を厚くすることができないため、どのメックでも弱点となる。
歩行兵器であるため、足へのダメージは致命的問題となる。加えて、動けなくなったメックは鹵獲することが可能である。作中世界におけるメックはオーバーテクノロジーの産物で、簡単に改造・製作はできないため、敵軍から奪ったメックはパーツ改造のための重要な資源になる。このため、両足が破壊されてメックが動けなくなると、敵に鹵獲される前に自爆してしまう等の保全機構がある。
本作においては、メックが何か行動をするたびに負荷がかかることで、熱ポイントがたまっていく。熱は一定時間ごとに多少は排熱されていくが、戦闘中は排熱される熱ポイントよりも蓄積される熱ポイントの方が大きくなることが多い。メックの動力は核融合炉であり、機体の温度上昇は融合炉暴走を招くため、熱ポイントがある一定以上たまると安全装置が働き自動停止(シャットダウン)する可能性が発生する。指定された熱ポイント以上になる度に自動停止判定を行わなければならず、判定に失敗すると自動停止となる。なお、安全装置を解除させる手段は存在するものの、熱ポイントがたまりすぎると今度は自爆の可能性がある。
戦闘中にシャットダウンしてしまえば、再起動までのわずかな時間ではあるが、好き勝手に撃たれ放題となってしまう。そのため、シャットダウンが起こらないように戦闘の合間合間でメックを休息させながら戦う必要がどうしても出てくる。
一部、熱の心配をする必要の無い機体も存在するが、その様な機体には必ずと言って良いほど「初心者向けだが攻撃力不足」のレッテルが貼られている。
ボードゲーム版の『バトルテック』にはテーブルトークRPGとして遊ぶための拡張ルール『メックウォリアー』が存在する。これは日本語版も富士見書房より1993年に発売されており、リプレイ集やシナリオ集なども出版されていた。日本語版はボードゲーム版と共に現在では絶版。
テーブルトークRPG版ではメックのパイロットをプレイヤーキャラクターとして創造することができ、パイロットの能力によりメックの戦闘性能が大きく変わるようになっている。もちろん、メックで戦っていないときの「戦士の日常」も普通のテーブルトークRPGのように楽しむことができ、より「日本のロボットアニメ」的な展開を楽しみやすくなっている。成長の要素もあり、キャラクターがメックの操縦に習熟してくさまやメックを改造して強化していく過程、また戦闘によりメックを失い(失機してしまい)新たな機体を得るまでの屈辱の日々などは、様々な戦場ドラマを生み出せるようになっている。
テーブルトークRPG版では、プレイヤー1人につき1人のパイロットと1人のバックアップスタッフ(メカニックなど)をキャラクターとして創造し、その2人のキャラクターを同時に動かすのが基本である。バックアップスタッフもキャラクターとして操れるのは、パイロットの能力がメック戦闘に偏りがちで、メックに乗っていないシチュエーションのシナリオを楽しみにくいからという配慮である。設定的には、メックパイロットはたとえ傭兵と言えども、騎士階級に当たるため雑用はやらない、とされている。ただし、後のバージョンではパイロットのみをプレイヤーキャラクターとして操ることに変更された。
プレイヤーキャラクターは全員で一つの小隊を組みミッションにあたる。プレイヤーキャラクターは1人につき1台のメックを持つ。つまりメック戦闘では1人のプレイヤーは1台のメックのみを操ればよいので、複数台のメックを管理して戦いあうボードゲーム版より管理は楽なものになっている。一方でゲームマスターは敵勢力のメックを全て1人で管理せねばならず、場合によってはボードゲーム版より管理に負担がかかることもある。
ミニチュアゲーム版は2002年に『メックウォリアー:ダークエイジ』の名前でWizkids社より発売された。日本語版もホビージャパンより同時発売している。
同じくWizkids社が発売している『メイジナイト』や『HeroClix』と似たルールが使われており、キャラクターのステータスやダメージをミニチュアの台座にあるゲージをクリックすることで管理できるゲームになっている。そのため、攻撃のたびにキャラクターシートやデータカードを参照したり、受けたダメージの記録などを行う必要がない。ルールはかなりシンプルでバトルテックの他のメディアに比べると軽く遊ぶことができる。
『メックウォリアー:ダークエイジ』ではこのゲージが二種類あり、通常のダメージとは別に「熱の溜り具合」も管理するようになっていて、「メックらしさ」は十分に味わうことができる。なお、この熱の溜り具合を管理するゲージはメックのミニチュアの台座にのみついていて、一般戦闘車両や歩兵師団のミニチュアの台座にはついていない。
しかし、日本では大きなブームを起こすにはいたっていない。
トレーディングカードゲーム版は1996年にウィザーズ・オブ・ザ・コースト社から発売された。スターターパックにはカード60枚、ルールブック1部、6面ダイス1個が付属している。なおこのゲームは日本国内では、主に英語版が輸入されて発売された。日本語版は発売されていない。
パーソナルコンピュータおよびコンシューマゲーム機向けのゲームソフトシリーズが各社より展開されている。
バトルテックのコンピュータゲームとしては1988年にメック戦士を主人公としたRPG『BattleTech: The Crescent Hawk's Inception』(Infocom社)が初となる[3]。それ以降はメックの操縦シミュレータ系のアクションゲームがほとんどで、自身がメックに搭乗し、僚機とともにミッションをこなして行く「メックウォーリア」や、メック部隊を指揮して敵地進攻のミッションをクリアして行く「メックコマンダー」[4]、Xbox用アクションゲームの「メックアサルト」[5]といったタイトルで発売されている。
コンピュータゲーム化の権利はボードゲーム版の権利を持つFASAよりインフォコム社、アクティビジョン社、Microprose社、FASA Interactive社、マイクロソフト社等様々なパブリッシャーに許諾されていたが、2007年に解体されたFASA Interactive社よりボードゲーム版のデザイナーだったジョーダン・ワイスマンが権利を買い戻し、Smith & Tinker社を設立して旧FASAのゲームの権利を管理している。
2009年にはSmith & Tinkerより許諾を受けたカナダのPiranha Games社が7年ぶりのシリーズ新作の発売を発表した。
コンピュータゲーム版では、僚機との連携が重要となる。僚機に指示を出して安全な標的を殲滅している間、自分はターゲットとなる隊長機を撃破したり、敵を貶めるためにあらかじめ僚機を伏兵とし、機関停止させてセンサーに引っ掛からない状態で待機させ、敵を誘き出した所で味方機に攻撃させたり、などの戦術も可能である。僚機もろとも敵陣に切り込んで、その圧倒的火力で打ち倒す事も可能である。逆にプレイヤーの側が停止状態でセンサーに掛からなかった敵に後から攻撃される事もある。メックの多くは前面よりも背面装甲の方が薄い。なお、ボードゲームでは原則として全て見えている状態でプレイするので、自ら機関停止させることはない。
PCゲームやコンシューマゲームで展開しているコンピュータゲーム版のバトルテックシリーズとは別にアーケードゲーム版のバトルテックも存在する。
バーチャル・ワールド・エンターテインメント社の開発により[11]、8人程度が同時にプレイできる「メック操縦リアルタイムシミュレータ・アトラクション」としての「Battletech」が運営されている。一時は日本国内の大都市にも『バトルテックセンター』(BattleTech Centers)の名称で展開されていたがすでに撤退している。アメリカではバージョンアップが繰り返されながら維持されていたが、2024年時点ではテキサス州ヒューストンの「Battlefield Houston」内の「MechCorps Entertainment」で唯一稼働しており、アニメコンベンションでの出張営業も行っている[12]。
コクピットを模した密閉できる乗り込み形の筐体を使って、1人が1体のメックを操縦し、最大8人でリアルタイム対戦できる。操縦席に備え付けの低性能のマイクとヘッドホン、またはプレイヤー持ち込みによるインカムセット等で、互いに情報を交換しあってチームバトルを行うこともできる。プレイヤーは初めてのゲームの場合はパイロット登録が必要で、登録を行うとコールサイン、IDナンバーを記載したIDカードを取得できた。搭乗予約に使用、搭乗回数によるルーキー・スタンダード・ヴェテランというランク分けが行われており、店舗側予約端末がその管理を行っていた。
上級モードでは、ユーザーが70を超えるオプションスイッチやフットペダル、複数モニターを設定する事により、操縦桿にある複数のトリガーを各搭載武器に自由に割り振る事ができ、メックの上半身を戦車の砲塔のように旋回させ、進行方向以外の位置の目標を射撃する機能も使用可能になる。また、上級モードではメックの機体温度が上昇した場合、安全装置が働き自動停止してしまうので、テンキー入力により、強制的に安全装置を解除する必要がある。キー入力に失敗するとシャットダウンというメッセージとともにメックが緊急停止、ミサイルやマシンガン系の実弾に引火して自爆という憂き目に遭う。なお、これは武器の強制排除で回避が可能である。1ゲーム終了後には、モニターに客観視点でのリプレイが表示され、各プレイヤーに戦闘経過がプリントアウトされ参加者によるデブリーフィングが行われる。
1989年6月に開催されたCESにて試作機4台が発表され、1990年にアメリカ・シカゴにて初のバトルテックセンターが筐体16基で稼動開始[11]。1992年にはダイフレックス系列の「ダイフレックス・クリエーション」が日本での総代理店となり横浜市の「トレルワン」の32台と渋谷区の「ドクタージーカンズ」の4台で8月から日本に初導入され[13]、「バトルテック」関係のコンテンツでは最も早く日本上陸を果たしている。1993年9月にはダイフレックス・クリエーションの総代理店業務を引き継いだ「ザップ」[14]が中心となり「日本バトルテック協会」を設立し会長・評議委員長に三浦慶政ザップ社長、最高顧問に角川歴彦メディアワークス社長、評議委員に安田均・黒田幸弘・安彦良和・西谷史を据え公式大会の展開を始めとしたゲーム普及やメディアミックスの推進を行い[15]、1994年4月9日には渋谷のドクタージーカンズにて日米4名ずつの代表を招いて初の世界大会となる「日米決戦大会」を開催した[16]。
大型で高価な筐体が使用されていたために、当時の一般のゲームセンターの多くでは設置することはできず、「バトルテックセンター」と呼ばれるこのゲーム専用の屋内型アミュースメントが都市部中心に作られていた[17]。日本では標準的な設定で1プレイ1000円という高額な設定で[13]、店によっては500円の場合もあった。
バトルテックセンターは1994年時点では東京4店と神奈川・愛知・兵庫・大阪・宮崎各1店の日本国内9店舗に対応した筐体を設置し「バーチャルワールド」として展開したが[18]、1995年頃からトレルワンなどで撤去され[19]、日本では短命に終わってしまったが、その後にも『鉄騎』や『機動戦士ガンダム 戦場の絆』など類似したコンセプトのゲームは発表されている。また、コミック「BREAK-AGE」の元ネタにもなっている。
アメリカでは多数の小説シリーズが発表されており、スター・ウォーズシリーズやスター・トレックシリーズに匹敵する広大な世界観を形成している。なお、日本では富士見ドラゴンノベルズでグレイデス軍団シリーズの翻訳と、富士見ドラゴンブックでリプレイのキャラクター達を主役にした小説が発表された他、富士見ファンタジア文庫から「バトルテック・ノベル」として小説化されたのみである。
ゲームの舞台となるのは西暦31世紀の銀河系である。
西暦2060年ごろ人類は地球を飛び出し、銀河中に居住可能な惑星を見つけたり、テラ・フォーミングを行い、星間文明圏を築いていた。2400年代になると、各惑星間の紛争が拡し、地球帝国が戦闘マシーン「バトルメック」を開発し、その軍事的優位のもと「星間連盟」が結成される。宇宙船によって惑星間の移動も簡単に行え、通信も極高周波発生装置(HPG)という技術によって恒星間のリアルタイム通信も行うほどで、人類は栄華を極めた。
しかし2766年、かねてより星間連盟首長の座を狙っていたステファン・アマリスが反乱を起こし、当時の連盟首長のリチャード・キャメロンとその一族を虐殺して連盟首長の座を簒奪する。これに対し、リチャードの摂政でSLDF(星間連盟防衛軍)の総司令官アレクサンドル・ケレンスキーが反撃し、内戦が勃発した。11年にも及んだ内戦はケレンスキーの勝利に終わり、簒奪者アマリスと彼の一族は処刑される。だが、ケレンスキーは有力な五大公を集めて会議の開催を呼びかけるも、五大公は応じず、逆に自身が新たな連盟首長であると互いに主張しあい、自らの私設軍の戦力を増強し始めた。この有様にケレンスキーは失望し、2784年、自身を支持するSLDFの将兵たちと共に辺境宙域に「大脱出」していずこかに去り、のちに「氏族(Clan)」と呼ばれる勢力へと変化していく。 2787年に連盟首長の座を巡る継承権戦争が勃発する。継承権戦争は初期の頃はNBC兵器の無差別投入などの暴挙が行われ、数多くの惑星が死の星にされた。
そして、31世紀、中心領域が『バトルテック』の主要な舞台になる。
この中心領域ではクリタ家をはじめとする「五王家」同士が数百年の長きに渡って勢力争いを繰り広げている。打ち続いた戦乱によってしだいに技術が廃れてしまい、主要な物語の舞台となる31世紀には社会が大きく荒廃している。そのため、人類が宇宙に出て栄華を極めた西暦2千数百年代頃の科学技術はオーバーテクノロジーとして扱われており、メックもその過去の超技術の産物の一つである。
各王家はそれぞれの軍隊を揃えているもののその規模は小さく、戦いの主役は契約を交わして戦う傭兵達である。傭兵はチームを組んで戦闘契約を結び、契約主から依頼された戦闘をチーム単位で行う。各チームの個々の傭兵の戦闘能力にはばらつきが見られるため集団戦闘を行い互いをカバーする。また正規軍とは異なり非正規戦闘などにも手を染める。それぞれの傭兵チームは独立採算制となっており、補給は私費となるため、戦場で撃破した敵のメックの部品回収がパイロットの重要な任務となっている。また科学技術が失われつつあるため、メックの新規製造は難しく、過去の遺跡からの発掘や敵軍の鹵獲が中心だったが、3028年に過去の技術の情報が集約されているメモリーコアが発見された事で、かなりの技術が復興し、メックや気圏戦闘機の新造や新規開発が可能となった。
一方、氏族たちは辺境の惑星で小競り合いを繰り返していたが、3050年に大同団結して心領域へ大規模な侵攻を行い、一時は中心領域の30%を占領した。しかし、3052年の惑星ツカイードでの戦いで氏族は敗北、3060年には逆に中心領域の連合軍が氏族の本拠地である惑星ストラナメクティに侵攻し、氏族による中心領域制圧作戦を中止に追い込んでしまう。この激しい戦いでは、1つの氏族が完全に滅ぼされてしまっている。
中心領域では大脱出後の大規模な戦闘により社会が荒廃したため、メック技術の低迷が激しかった。一方の氏族の社会には、このような技術が良く保存されているため、一般的に氏族の機体のほうが性能が良いという形で描かれている。最大の特徴はオムニメックと呼ばれる高性能メックが存在している事で、中心領域のメックを圧倒する性能を持っている。
氏族は各々が動物に由来する名前を持っており、各々がメック戦士(ウォーリア)を中心とする社会を形成、生産者や技術者はそれら戦士に奉仕する形となっている。氏族社会はアレクサンドル・ケレンスキーと彼の息子の語録を神格化する事で特殊な精神社会(思想的には武士道に通じる物が在るとされる)を形成している。その語録の解釈をめぐって氏族間の見解の相違から小競り合いを繰り返してはいるが、社会全体を巻き込む戦乱は社会を混迷や絶滅に追い込みかねない事から、主にメックを用いた決闘という形に紛争調停の手段を求めており、「強い氏族こそが正しい」とする思想の元、氏族を挙げての強い戦士の育成に力を注いでいる。
一般に中心領域のメック戦士は集団での戦闘を得意としており、氏族のメック戦士は名誉を重んじる為、1対1での戦闘を主力としている。また、氏族では格闘戦は不名誉な行為と見なされており、格闘を行う事はほとんど無い他、一撃必殺を重視して実弾兵器を主流にした兵装を好んでいる。3052年のツカイードの戦いでは、格闘戦に弱いという弱点と補給線を絶たれて兵器を運用する事が不可能になった所を衝かれ、格闘戦用兵器とエネルギー兵器を主力にした中心領域のメックに完膚無きまでに叩き潰された。
3060年以降、一部の氏族は中心領域の国家と和解し、中には氏族ごと中心領域の国家に移住してきたものもある。
3067年、コムスターを追い出された保守派たちによる勢力「ワード・オブ・ブレイク」が“聖戦”と呼ばれる大戦を引き起こし、中心領域全域にてNBC兵器の無差別投入や非武装の市民の虐殺を行ったのち、3081年に氏族と継承国家の総攻撃で完全に滅ぼされる。そんな中、ワード・オブ・ブレイク打倒に中心的役割を果たしたデヴリン・ストーン[注釈 1]が、地球を中心として「スフィア共和国」を建国し、平和と軍縮の時代に突入する。しかし、3130年、ストーンの引退を機に再び戦乱の時代となり、これが「ダークエイジ」の世界観となる。
星間連盟結成前の戦乱の時代に締結された条約で、もはや人間社会から戦争は無くせないと諦め、戦争を合法な紛争解決手段と認める代わりに、武力行使に厳格なルールを定めた条約で、非戦闘員への攻撃の禁止、大量破壊兵器の使用禁止や、捕虜となった場合の身の安全の保障などが規定された。これにより、戦争から残虐さが無くなった反面、つまらない諍いでも安易に武力で解決しようとする風潮が生まれてしまう。条約そのものは既に死文と化しているが、ゲームの舞台となる31世紀以降でも、各国は概ね戦場の不文律として条約の精神を守っている。不文律であるため破っても特に罰せられることはないが、アレス条約を無視する傭兵や海賊等は「無法者」と呼ばれ、捕虜になったとしてもアレス条約に基づいた扱いを受けることができなくなる。
小説ではドラコ帝国、メックウォリアなどのゲームではドラコ連合などと訳される。首都惑星は「ルシエン」。日本人の末裔、クリタ家を支配者(肩書はルシエンの公爵で連合国の大統領)として戴く巨大国家。日系人とスラブ系人が多数派で、中世ヨーロッパのような独裁貴族制であり、他国に対する侵略や陰謀などを盛んに行う冷酷な帝国主義国家。3020年代を舞台としたゲーム・小説のほとんどのストーリーでは悪役となっているが、3030年代以降では主役級の活躍を見せている。モデルはアメリカ人のイメージする大日本帝国。
主な人物
タマラー協定領(パキスタンを中心とする南アジア系人種)、ドネガル保護領(ドイツ系)、スカイア連邦(スコットランド系)の3国を主体に、多数の小国家と連合した自由民主主義国家連合であり、ライラという国名は、この3国を3本の弦に見立てたことにちなんでいる。首都惑星は「ターカッド」。シュタイナー家を指導者とし、貴族制ではあるが自由貿易と民主主義を行っている。ただし、完全な民主制ではなく、どちらかと言えば全体主義体制に近い国家となっている。3国の立場は一応平等となっているが、経済力や工業力の差による格差が存在し、「ターカッド」のあるドネガル保護領が、経済的に最も貧しいにも関わらず政治的権限が集中しているため、裕福な他の2国は搾取されていると反発している。特にタマラー協定領では、ドラコ連合に奪われた領土の回復を求める運動が盛んに行われており、それが高じてライラ共和国からの分離独立を求める勢力が台頭し、後年のラサルハグ自由共和国の誕生に繋がっていく。モデルは冷戦時代の旧ソ連など。なお、内戦を経て分裂した後では「ライラ同盟」(Lyran Alliance)と呼ばれる。
ダヴィオン家が率いる最大勢力の継承国家。首都惑星は「ニューアヴァロン」。ライラ共和国と同盟を結んでいる。星間連盟の継承者の中ではもっとも血統正しいため、他国からも一目置かれている。メックの研究など、星間連盟時代の研究、復古などが盛んに行われている。3028年、連邦国王ハンス・ダヴィオンとライラ共和国次期当主のメリッサ・シュタイナーの結婚式の最中にカペラ大連邦国に宣戦布告して第四次継承権戦争を引き起こし、カペラ大連邦国の半数を制圧する。11年後の3039年にはドラコ連合に侵攻するが、こちらは失敗に終わった。
主な人物
ハンス・ダヴィオンとメリッサ・シュタイナーの結婚によって誕生した、恒星連邦とライラ共和国の連合国。他国を遥かに上回る領域と国力を持った為に、中心領域をすぐに統一すると思われたが、氏族の侵攻で統一は頓挫。更にハンスとメリッサが相次いで死亡すると、二人の間に産まれた兄妹が骨肉の争いを始めた事で元の2国に分裂してしまう。しかし、旧恒星連邦側は分裂後も「連邦=共和国」と名乗る。
主な人物
リャオ家(漢字では「遼」)が統率する継承国家。中国系の人々が多数派を占める。首都惑星は「シーアン」。かつては広大な領土を持っていたが、継承権戦争で恒星連邦と自由世界同盟に領土を奪われていき、5つある継承国家では最弱の規模となっている。恒星連邦とライラ共和国の同盟に対抗してドラコ連合と自由世界同盟との間に緩い同盟関係を結ぶが、第四次継承権戦争で同盟関係が生かされる事は無く、国土の半数を失い、離反した地区がチコノフ自由共和国、セントアイブス協定として独立する。後にこの時に失った領土の多くは取り戻すことはできたが、最弱の立場は変わらない。
第四次継承戦争の最中の3029年、故郷チコノフ星を守ろうと考えた連邦国の主席軍事補佐官パーベル・リジック将軍によって建国。地球近辺の23の恒星を支配しており、恒星連邦とライラ共和国の連絡路にあたる重要な位置をしめていた。このため、恒星連邦と同盟していたが、リジック将軍は恒星連邦の秘密工作で暗殺され、3031年の国民投票で恒星連邦に併合される。
第四次継承戦争中の3029年、当時のカペラ大連邦国首相の娘カンダス・リャオが建国。彼女は恒星連邦の工作員と結婚し、恒星連邦の属国のような国家運営を行った。3063年、カペラ大連邦国の攻勢に敗れて併合される。
主な人物
マーリック家が支配する継承国家。首都惑星は「アトレウス」。ライラ共和国に匹敵する国土を持つが、内部は多数の公国に分断されており、内乱が繰り返し発生する不安定な情勢となっている。後年、ワード・オブ・ブレイクと深い結びつきを持ち、彼らの本拠地が国内に置かれた。
主な人物
3034年にライラ共和国とドラコ連合の間に誕生した6番目の継承国家。北欧系人種が多数派を占めている。首都惑星は「ラサルハグ」。国家主席は議会で選ばれる事から選定公(Elected Prince)と呼ばれており、初代選定公にはハーコン・マグヌッソンが選ばれた。ライラ共和国のタマラー協定領とドラコ連合のラサルハグ軍管区で行われていた領土回復運動が実を結んだのと、緩衝地域を欲しがっていた両国の思惑によって誕生した。この時、ドラコ政府が現地に何の相談も無くラサルハグ軍管区の残りを割譲したことから、現地で少数派であるドラコ系市民の将来を危惧したドラコ軍守備隊が撤退を拒否して蜂起し、「浪人戦争」となった。3050年に開始された氏族の侵攻で国土の大半を失い、滅亡の危機に瀕する。3052年、惑星「ツカイード」で氏族と継承国家連合軍の一大決戦が行われ、連合軍が勝利した事で国家としての命脈を保つが、最終的には氏族の一部族との同化政策が執られる事になる。
元々は星間連盟の通信担当大臣、ジェローム・ブレイクが起こした完全中立を標榜する星間通信を管理する組織だったが、星間連盟崩壊後に性質を変化させてしまい、一種の宗教団体化している。そのため、HPGを作動させる時には、司祭(コムスターの技師)は祈祷文を唱えねばならず、祈祷が無ければ装置が作動しないと信じる者もあらわれる始末となっている。人類発祥の地、地球に本拠地を構えているのと、コムスターなしには全ての惑星が孤立する暗黒時代になってしまうため、全ての国家から暗黙の了解で不可侵の存在となり、コムスター通信の利用料は無限の「お布施」としてコムスターの豊富な資金源となっている。一見中立だが、他にはない過去・現在の秘密情報を握っており、情報機関「ROM」[注釈 4]と、軍隊「コムガード」も持ち、陰険な陰謀を影で画策していた。氏族の侵攻を切っ掛けに大規模な改革が行われ、神秘主義的な勢力が一掃されるが、それが後述のワード・オブ・ブレイク誕生に繋がってしまう。
中心領域からやや外れた辺境の惑星群を指す。テラ・フォーミングされてはいるがほとんどが荒野であり、開拓民が苛酷な環境で農業等を起こして暮らしている。アメリカの西部開拓時代がモデル。ほとんどが善良な人々であるが、警察力はほとんどないに等しく、海賊化したものたちが集落を襲い、若者を拉致、強制的に徴用して配下にしてしまうことも少なくない。逆らえば家族ともども虐殺されるため、ほとんど諦めて配下に加わっている。また、海賊の中には自らを勝手に将軍、皇帝、大統領などと名乗り、恐怖を撒き散らす「蛮王国」( Bandit Kingdoms)と総称されている。海賊化したものたちがたまに中央星域の小国家を襲うことがあるが、バトルメックはほとんど旧式、メックウォリアも正式な訓練を受けたものではなく、本物の傭兵の前では蹴散らされる存在である。しかし、海賊は数が多く、犯罪シンジケート化しているため侮れない。中には中心領域とさほど変わらない地域大国もある。
PCゲーム「メックウォリア2」「メックウォリア2傭兵部隊」によってはじめて登場した新しい勢力で、その正体はバトルテックの世界で約300年前に行方不明になった軍人たちの末裔である。 西暦2700年中ごろ、星間連盟を崩壊させる大戦争が起こり、アレクサンドル・ケレンスキー将軍が不毛な戦争を嫌い、多数の軍人を連れて中心領域から大脱出した。彼らは居住可能な惑星に分散し、小規模の一族を作り暮らすことになり、中心領域から忘れ去られる。やがて彼らは古代の武士道精神を崇拝し、敗れる位なら死を選び、正々堂々と戦うことを至上のものとする独自の文化を築いていった。
全ての氏族は対立しており、全く別の組織だが、そのルールと鉄の掟のみによって、精神的な団結をしている。
氏族は、上から戦士階級(軍人一般で必ずしもメック乗りばかりでは無い)、科学者階級、技術者階級、一般市民に別れている。戦士階級のほとんどは人工授精によって生まれる「トゥルーボーン True Born」と自称する人々だが、科学者階級がその遺伝子を管理している。彼らは最強の人類へと「進歩」することを究極の目的としており、最も身体能力が優れ、知能が高いとされる人間のみの遺伝子を人工授精によって産み育てる。氏族の人々は姓を持てないのだが、戦士階級に限って、決闘で勝ち取るか大手柄を立てるかすると、人工授精用に遺伝情報を登録される名誉の証に、「ブラッドネーム Blood name」と言う、ケレンスキーとその忠実な支持者達のあわせて800ほどの姓の一つを名乗ることができるようになる。なお、こうした人工授精で職種に応じた形質が極端な形であらわれるため、戦闘機乗りは妙に小柄のやせっぽっちになり、逆にバトルアーマー歩兵は人間離れした体格を持つようになっている。そして人工授精者達の中でも、過酷な訓練を超えたものだけが戦士階級として活躍することを許され、落第した者は、戦士以外の階級で暮らすことになる。氏族間の戦争や氏族内部での争いも憎しみからではなく、戦いという究極の生存競争を行うことで、より強力な戦士のみが生き残り、その遺伝子をまた子孫とするためである。この氏族間の戦争や決闘は「神判」と呼ばれている。
しかし、氏族といえども、人口の多くは自然な形で男女から生まれる人々で、中には、戦士の訓練で落第した人工授精者同士による結婚もある。そのような子供は氏族内では劣等人種、「人腹生まれ(Free birth)」として蔑視される。逆にトゥルーボーンは「キャニスター生まれ」と揶揄されることもある。
氏族と中心領域のファースト・コンタクトの時は、氏族にとっては中心領域の人類は全て劣等人種に見えたのである。ただし「人腹生まれ」であっても勇気と実力を持ち合わせ、万人に示せることが出来れば認められ、究極の名誉として、その「人腹生まれ」の人物の遺伝子が人工授精のための遺伝子リストに加わる。
戦争で捕虜となった者は「ボンズマン」と呼ばれ、その主人に誠心誠意仕えねばならない。ボンズマンの能力や忠誠心が認められた暁には、氏族の一員として迎えられる。そして、このボンズマンの地位をいったん受け入れた後に脱走などをすることは大変な不名誉とされる。ボンズマンになりたくない場合は、儀式的な自殺となる。
中心領域では地球の存在は単に人類発祥の地というだけの歴史の一ページにすぎないが、氏族には特別な思い入れがあり、地球に帰ることを熱望している他、かつての星間連盟の復活を望んでいる。しかし、星間連盟を復活させる手法で大きな対立があり、平和的に星間連盟を復活させようとする勢力は「守護派」、武力で強引に復活させようとする勢力は「侵攻派」と呼ばれている。傭兵部隊のウルフ竜騎兵団が氏族の偵察隊として送り込まれたのは、両者の対立による妥協が原因である。
3050年、中心領域に侵攻してラサルハグ自由共和国の大半を制圧するが、3052年の「ツカイードの戦い」でコムスター軍に完敗し、更に本拠地の「ストラナメクティ」に攻め込まれた事で侵攻派の思惑は完全に頓挫する。
日本語訳された製品のみを記す。