パット・クレイトン (Pat Clayton) 、P・A・クレイトン (P.A. Clayton) と通称された、パトリック・アンドリュー・クレイトン(Patrick Andrew Clayton DSO MBE、1896年4月16日 - 1962年3月17日) [1]は、イギリスの測量官、陸軍軍人。クレイトンは、マイケル・オンダーチェの小説『イギリス人の患者 (The English Patient)』の登場人物ピーター・マドックス (Peter Madox) のモデルとされている[2] 。
1920年代から1930年代にかけて、クレイトンは20年近くにわたりエジプト測量局 (the Egyptian Survey department) にあって、それまで地図化されていなかった広大な砂漠地帯の地図を作成した。1931年、ワジハルファからウェイナット山までの三角測量に従事していたとき、クレイトンはイタリアによるクーフラの占領を逃れてウェイナット山を超えてきた難民たちに遭遇し、乾ききった砂漠で死にかけていた多くの命を救う手助けをした。クレイトンは、ラルフ・アルジャー・バグノールドと全面的に協力して、バグノールドの第二次世界大戦前の探検における準備作業や地図作成に関わった。
開戦時、クレイトンは政府の測量官としてタンガニーカにいた。バグノールドは、直ちにクレイトンをエジプトに呼び戻したが、これはクレイトンが西部砂漠に関する詳細な知識を持っていたからであった。クレイトンは情報軍団に配属され、イギリス陸軍の長距離砂漠挺身隊 (LRDG) に加わった。
1941年、クーフラへの攻撃が計画されていた際、クレイトンは「T」巡察隊を率いていたが、1月31日にシェリフ山付近でイタリア軍のサハラ自動車軍団と遭遇し、攻撃された。この戦闘でクレイトン大尉は負傷し、乗っていた車両は破損した。彼は部下たちとともに捕虜となった。クレイトンは、イタリアのアブルッツォ州に移送され、そこには、2人のドイツ人スパイをリビア砂漠を越えてカイロまで送り込むサラーム作戦のスパイ活動に従事した後のラズロ・アルマシーも訪問してきた。
1941年、クレイトンは、リビア砂漠における業績に対して、王立地理学会から金メダル(創立者メダル)を授与された[3]。
パット・クレイトンは、1962年3月17日に、動脈瘤のために65歳で死去した。