パフィオペディルム・ハイナルディアヌム

パフィオペディルム・ハイナルディアヌム
パフィオペディルム・ハイナルディアヌム
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ラン科 Orchidaceae
亜科 : アツモリソウ亜科 Cypripedioideae
: パフィオペディルム属 Paphiopedilum
: パフィオペディルム・ハイナルディアヌム P. haynaldianum
学名
Paphiopedilum haynaldianum (Rchb.f.) Stein

パフィオペディルム・ハイナルディアヌム Paphiopedilum haynaldianumパフィオペディルム属ラン科植物。複数花を1つの花茎に同時に咲かせる。

特徴

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葉は線状舌形で長さ20-35cm、緑色で肉厚[1]。花茎は斜め上に伸びて長さ35-45cmに達し、数花をつける。花は径12-15cmになる。背萼片は卵形で基部近くの両側の縁が強く背面に反り返る、全体に淡黄緑色を帯び、周辺は紫紅色に染まり、内側には褐色の粗い斑紋が出る。側花弁は匙形で黄緑色の地に褐色の粗い斑点があり、先端の方から暗い紫紅色に染まる。唇弁は褐色で縁は外を向き、耳状の突出部がある。仮雄蕊は倒卵形で先端中央がくぼんでいる。原産地での開花時期は2-3月頃[2]

種小名はハンガリーの大司教で植物学者であったハイナルド(S. F. L. Haynald, 1816-91)にちなんだものである。

発見は1873年、グスタフ・ヴァリスにより、ヴィーチ商会 によってその翌年に紹介されたものである[2]

分布

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フィリピンルソン島に産する。標高約1000mの石灰岩地域に生えていることが多い[2]

近似種

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本属には複数花をほぼ同時に開花させるものは他に幾つかある。その中でローウィ P. lowii は花の形や模様が本種ととてもよく似ている。違いについてはこの種の項を参照のこと。

利用

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洋ランとして栽培される。丈夫で開花させやすい種として知られる[3]。この属では大きな花を付けるものであり、花持ちもよくて一ヶ月ほどは美しい姿を鑑賞出来る[2]。ただし栽培時には寒さを嫌う。日本での開花は夏[4]

出典

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  1. ^ 以下、主として園芸植物大事典(1994),p.2892-2893
  2. ^ a b c d 塚本他(1956),p.106
  3. ^ 唐澤監修(1996),p.448
  4. ^ 大場(2010)p.94

参考文献

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  • 『園芸植物大事典 2』、(1994)、小学館
  • 唐澤耕司監修、『蘭 山溪カラー図鑑』、(1996)、山と溪谷社
  • 塚本洋太郎・椙山誠治郎・坂西義洋・脇坂誠・堀四郎、『原色薔薇・洋蘭図鑑』、(1956)、保育社
  • 大場良一監修、『失敗しない洋ラン入門』、(2010)、主婦の友社(主婦の友生活シリーズ)