パーシヴァル マーガンサー
パーシヴァル マーガンサー(Percival Merganser)は、1940年代終わりの小型の民間輸送機である。本機は全金属製応力外皮構造で首輪式の引き込み可能な降着装置を持つ双発の高翼単葉機であった[1]。
「マーガンサー」は鳥のアイサの意味。
マーガンサーは「乗客に訴えかける」ことに重点を置いて設計された乗客5名乗りの小型旅客機であった。この結果、最高を見晴らしと乗降し易い低床を実現するために高翼の配置と首車輪式の降着装置を採用した[2]。
1946年11月に完成した胴体部はパリ航空ショーに出展するために鉄道連絡船でパリに運ばれたが、エンジンにデ・ハビランド ジプシー・クイーンを選択して設計されていたことと他に適当なエンジンも入手不可能であったことからこの時点で既にマーガンサーの命運は尽きていた。
マーガンサーは1機のみが飛行し、初飛行は1947年5月9日にルートン空港から行われたが、この機に搭載されていたエンジンは軍需省からの借りものであった[2]。パーシヴァル社はこの機体で広範囲な飛行試験を実施し、多くの価値ある試験データを入手できた。1947年9月にラドレットで開催されたSBACショーに出展されたが、1948年8月には廃棄処分にされた。
2番目のマーガンサーは静止テストと構造テスト用の機体として使用された[3]。
マーガンサーは量産されなかったが、本機の試験プログラムから得られたデータを基にした更なる開発が適当なエンジンが入手可能となったより大型のプリンス、プレジデント、パーシヴァル ペンブローク シリーズへと繋がった[2]。
出典: British Civil Aircraft since 1919, Volume III.[4]
諸元
性能