IUPAC命名法による物質名 | |
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薬物動態データ | |
代謝 | Hepatic |
排泄 | Renal |
データベースID | |
CAS番号 | 118-08-1 |
ATCコード | none |
PubChem | CID: 197835 |
ChemSpider | 171234 |
UNII | 8890V3217X |
ChEMBL | CHEMBL497942 |
化学的データ | |
化学式 | C21H21NO6 |
分子量 | 383.395 g/mol |
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ヒドラスチン(Hydrastine)は、1851年にAlfred P. Durandが発見した天然に存在するアルカロイドである[1]。加水分解すると、1910年代にバイエルが抗出血性薬として特許を取った[2]ヒドラスチニンが生成する。
名前の由来となったヒドラスチス(Hydrastis canadensis)等のキンポウゲ科の植物に含まれる。
ヒドラスチンの全合成は、1931年にロバート・ロビンソン卿らによって初めて報告された[3]。その後[4][5]、鍵となるラクトンアミド中間体(図の構造4)の合成が最も困難であったが、1981年にJ.R.ファルクらが単純な出発物質から4段階でヒドラスチンを全合成する事に成功し、大きなブレイクスルーとなった[6]。ファルクの合成では、パッセリーニ反応を利用してラクトンアミド中間体4を構築することが重要なステップであった。
比較的単純な1,3-ベンゾジオキソールの誘導体1から出発し、リチウムメチルイソシアニドを用いたアルキル化反応により、イソシアニド中間体2を得る。中間体2をオピアン酸3と反応させると,分子内パッセリーニ反応が起こり,鍵となるラクトンアミド中間体4が得られる。続いて、POCl3を用いて脱水条件下で閉環反応を行い、次にPtO2を触媒として水素化反応を行うことで、テトラヒドロイソキノリン環が形成される。最後に、ホルムアルデヒドとの還元的アミノ化反応によりN-メチル基を設置して、ヒドラスチンが合成される。