ヒメオコゼ

ヒメオコゼ
ヒメオコゼ
Minous monodactylus
(1)涙骨の2番目の棘が長く、後方に向いている。(2)尾鰭に2本の暗色の横帯がある。(3)背側半分は灰色で腹側は赤い。
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : 棘鰭上目 Acanthopterygii
: カサゴ目 Scorpaeniformes
亜目 : カサゴ亜目 Scorpaenoidei
: フサカサゴ科 Scorpaenidae
亜科 : オニオコゼ亜科 Synanceinae
: ヒメオコゼ族 Minoini
: ヒメオコゼ属 Minous
: ヒメオコゼ M. monodactylus
学名
Minous monodactylus
(Bloch & Schneider, 1810)
英名
Grey stingfish

ヒメオコゼ Minous monodactylus(姫虎魚、英: Grey stingfish)は、カサゴ目フサカサゴ科に属する魚類イザナギ[1]などともいう。

田中茂穂博士(1878-1874)による近代の命名のため「いざなぎ」等の異称が残る。

最大で全長15 cmになる[2]。日本では相模湾新潟以南に棲息する。岩石に寄り添い、砂を掻き分けて腹部を砂中に埋めて擬態する。他のオニオコゼ亜科と同様、有毒の棘を持つ。同じヒメオコゼ属にはイトオコゼヤセオコゼがある。

幼魚の生態

[編集]

東インド諸島から南日本に分布。比較的に沿岸性、内湾性の小型魚であり、幼魚は2~3月と8~10月とに出現するが、10mm以下のものは後者の方が多く、前者は前年の夏のものと推測されている。出現温度は11~27.8℃。黄海から南下する冷水塊に棲息している。出現時刻は夜間に限定され、水深は40~94mほどと比較的浅い。昼間は底棲。

民俗

[編集]

オコゼは姿が醜いことから醜い山の神が喜ぶ、山の神の妻や家来となるなどとされ、各地に奉納儀礼が残る。実物のほか、絵馬に描いての奉納の例もある。あまり食用にはされない。

参考文献

[編集]
  1. ^ 小学館『日本国語大辞典』。
  2. ^ FishBase_Minous monodactylus
  • 田中茂穂『原色日本魚類図鑑』風間書房1955年。
  • 千田哲資「ヒメオコゼ及びアブオコゼ幼魚の出現水域について」「日本生態学会誌」1961年11月p224-226。
  • 中坊徹次『日本産魚類検索』東海大学出版会1993年。

関連項目

[編集]