ヒメモダマ

ヒメモダマ
ヒメモダマの豆果
保全状況評価
準絶滅危惧環境省レッドリスト
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類
core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : マメ群 fabids
(真正バラ類I eurosids I)
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
亜科 : ジャケツイバラ亜科 Caesalpinioideae
(旧 ネムノキ亜科 Mimosoideae
: モダマ属 Entada
: ヒメモダマ E. phaseoloides
学名
Entada phaseoloides (L.) Merr.
英名
Matchbox bean, St. Thomas' bean
ヒメモダマの花(沖縄県石垣市桴海 おもとトンネル北側)

ヒメモダマ(姫藻玉、学名:Entada phaseoloides)はマメ科モダマ属つる性常緑樹[1][2]。別名:コウシュンモダマ[3]、方言名:ウジルカンダ、スバガーニー[1]。環境省及び沖縄県カテゴリー 準絶滅危惧種(NT)[4]

特徴

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葉は2回羽状複葉(羽片2対、小葉1–4対)が互生する。葉先の羽片はしばしば巻きひげになる。近縁種であるモダマの小葉の先端は丸いか凹むのに対し、本種の小葉は短く尖る傾向がある。 花期は初夏だが円柱状の穂状花序は目立たない。直径3.3–5.5cmの種子を含む、長さ60 cm近い豆果節果)をぶら下げる。種子はモダマよりやや小さく、中央が盛り上がる点でもモダマと異なる。節果は成熟すると節ごとに分離落下し、種子は海流散布される[1][2]

分布と生育環境

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沖縄島石垣島小浜島西表島与那国島。台湾南部、フィリピン、太平洋諸島、オーストラリアの熱帯~亜熱帯の海岸近くの森に分布する[1][5][2]

利用

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モダマと同様に、大粒の種子はアクセサリー等の装飾品に用いられる。

樹皮はサポニンを含み、フィリピン等東南アジアではシャンプーに使われる。繊維は製紙用や漁網、綱等の製作に用いられる。種子内容物は油を多く含み、有毒のこともあるが、薬用・食用にもされるほか、油を抽出して照明に用いられる[6]

脚注

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  1. ^ a b c d (大川 & 林 2016, p. 125)
  2. ^ a b c (林 & 名嘉 2022, p. 44)
  3. ^ (米倉 & 梶田 2003)
  4. ^ (沖縄県 2018, p. 183–184)
  5. ^ (大橋 et al. 2021, p. 443)
  6. ^ (湯浅 & 前川 1987, p. 181)

参考文献

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  • 米倉浩司; 梶田忠 (2003年). “ヒメモダマ”. BG Plants 和名-学名インデックス (YList). 2024年3月17日閲覧。
  • 林将之; 名嘉初美『沖縄の身近な植物図鑑』ボーダーインク、2022年。ISBN 9784899824350 
  • 大川智史; 林将之『琉球の樹木』文一総合出版、2016年。ISBN 9784829984024 
  • 大橋広好; 門田裕一; 木原浩; 邑田仁; 米倉浩司『フィールド版 改訂新版 日本の野生植物I』平凡社、2021年。ISBN 9784582535389 E. phaseoloides subsp. phaseoloidesとして記述)
  • 沖縄県『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物 第3版 菌類編・植物編 レッドデータおきなわ』沖縄県環境部自然保護課、那覇市、2018年。 
  • 湯浅浩史; 前川文夫『マメ科資源植物便覧』(財)日本科学協会、1987年。ISBN 9784887162266 

外部リンク

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