ピノレシノール | |
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(+) form: 4-[(3S,3aR,6S,6aR)-6-(4-hydroxy-3-methoxyphenyl)-1,3,3a,4,6,6a-hexahydrofuro[3,4-c]furan-3-yl]-2-methoxyphenol | |
別称 (+)-Pinoresinol (−)-Pinoresinol | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 487-36-5 |
PubChem | 73399 |
ChemSpider | 66116 |
ChEMBL | CHEMBL487611 |
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特性 | |
化学式 | C20H22O6 |
モル質量 | 358.39 g mol−1 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ピノレシノール(pinoresinol)は、エゴノキ属植物[1]やレンギョウ[2](Forsythia suspensa)中に見出されるリグナンである。モンシロチョウ(Pieris rapae)の幼虫中にも見出されており、アリに対する防御物質として働いている[3]。
食品では、ゴマ種子やアブラナ属(Brassica)野菜[4]、オリーブ油[5]にも含まれている。
初の形成性操作タンパク質(ディリジェントタンパク質)はアイノコレンギョウ(Forsythia × intermedia)で発見された。このタンパク質はコニフェリルアルコール単量体からの (+)-ピノレシノールの立体選択的生合成を指図することが明らかにされた[6]。最近、2つ目のエナンチオ相補的な形成性操作タンパク質がシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)で同定された。このタンパク質は (−)-ピノレシノールのエナンチオ選択的合成を指示する[7]。
ピノレシノールはin vitroでα-グルコシダーゼを阻害し、したがって血糖降下薬として働くかもしれない[8]。エキストラヴァージンオリーブ油に関する研究では、ピノレシノールがin vitroでがんに対する化学的予防特性を持つことが示された[9]。
ピノレシノールとその他の植物リグナンは人体内の腸内細菌叢によってエンテロリグナン類へと変換される[10]。