『ファイヤー・ガーデン』 | ||||
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スティーヴ・ヴァイ の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | カリフォルニア州ロサンゼルス マザーシップ・スタジオ | |||
ジャンル | ハードロック、ヘヴィメタル、プログレッシブ・ロック、インストゥルメンタル | |||
時間 | ||||
レーベル | エピック・レコード | |||
プロデュース | スティーヴ・ヴァイ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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スティーヴ・ヴァイ アルバム 年表 | ||||
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『ファイヤー・ガーデン[7]』(Fire Garden)は、スティーヴ・ヴァイが1996年に発表したスタジオ・アルバム。アルバム前半の「フェイズ1」は大部分がインストゥルメンタル、後半の「フェイズ2」は大部分がボーカル入りの楽曲という構成になっている[8]。ヴァイ自身は『Guitar World』1996年10月号のインタビューにおいて「2枚組のアルバムとしてリリースしたら高価になってしまう。だからアルバム2枚分の曲を1枚のアルバムに押し込んで、2相を表現することにした」と説明している[9]。
「ダイイン・デイ」は、ヴァイがオジー・オズボーンと「マイ・リトル・マン」(アルバム『オズモシス』に収録)を共作していた頃に作られた曲である[10]。
ヴァイの説明によれば、「ファイアー・ガーデン組曲」は少年時代に観たリターン・トゥ・フォーエヴァーのライヴに影響されているという[11]。組曲のうち「プサ・ロード」では、エレクトリック・シタールを4つのアンプで鳴らして、4本のシタールが同時に演奏されているような効果を得た[11]。また、続く「エンジェル・フッド」におけるピアノ演奏は、サンプリング音源を使ってヴァイ自身がシーケンサーに入力した[11]。
「バンコク」はミュージカル『チェス』の楽曲「ワン・ナイト・イン・バンコック」をインストゥルメンタルとしてカヴァーしたもの。ヴァイ自身は、当初は自分の古いテープを聴き返して、自分のアイディアだと思い込み「ファイアー・ガーデン組曲」の一部に組み込んだが[12]、マネージャーのボーイフレンドから『チェス』の曲だという指摘があり[12][13]、最終的にはティム・ライスら原作者の許諾を得て「ファイアー・ガーデン組曲」の前に収録した[12]。ヴァイは1997年のインタビューで、この件について「デイヴィッド・リー・ロスのバンドにいた頃にテープを渡されて、奴は中身も言わないで『これを採譜してくれ。この曲を覚えてセット・チェンジの間に演奏してくれ』って言ってきた。それで採譜して、ほんの何回かだけ演奏したんだ」「曲名も何も知らなかった。それで10年経って、そいつを引っ張り出して聴き返しても思い出せなかったから、俺が書いたと思い込んでしまった。素晴らしいメロディで、俺が作ったにしては良すぎると思ったよ」と語っている[13]。
「フェイズ2」ではヴァイ自身がリード・ボーカルを担当した。ヴァイはそのことについて「いつもステージではもっと歌いたいって思っていたから、楽しい時間が過ごせるだろうと感じている」「ギターと歌を同時にこなすのは、とても難しいってことが分かった。それができれば、一生の仕事にするだろうね」と語っている[9]。
「バンコク」と「ファイアー・ガーデン組曲」のレコーディングに参加したマイク・マンジーニ(元アナイアレイター〜エクストリーム)は、1996年から2000年にかけて、ヴァイのツアーでもドラムスを担当した[14]。その他、ヴァイと共にデイヴィッド・リー・ロスのバンドで活動していたグレッグ・ビソネットや、ヴァイの旧作にも参加したスチュアート・ハム、デヴィン・タウンゼンド、ディーン・カストロノヴォ等も参加している。
Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「他の多くのギター・ヒーローと違い、ヴァイは音楽を、自分のテクニックを誇示する手段とはみなしていない。むしろ、驚異的なテクニックで音風景を生み出すことに注力して、自分の名人芸を披露している。その結果、ギター・フリークでなくても楽しめるギター・アルバムになった」と評している[8]。
特記なき楽曲はスティーヴ・ヴァイ作。15.は日本盤ボーナス・トラック。