ファンタグラフィックス (Fantagraphics Books)は、 アメリカ合衆国の出版社。主にオルタナティヴ・コミックや古いコミック・ストリップ集、 雑誌、グラフィック・ノベル、そして成人向け漫画であるEros Comixシリーズなどを展開している。
現在社屋はワシントン州シアトル近郊の メイプルリーフにある。
1976年、ゲイリー・グロスとマイク・カトロンによって、ファンタグラフィックスはメリーランド州カレッジパークに設立された。 できたばかりだったこの会社の最初の仕事は、他社から出版されていた広告付きミニ雑誌The Nostalgia Journalを引き継ぐことであり、すぐさま会社はこの雑誌の名前をThe Comics Journal.に改名した[1]。
かつてファンタグラフィックスに勤務していた、漫画専門のジャーナリストであるマイケル・ディーンは「ファンタグラフィックスは何年もの間繁栄と衰退を繰り返してきた」と述べている[2]。1977年にキム・トンプソンが編集者として入社し、会社の発展のために手腕を発揮し、共同経営者の一人になった[2][3]
その後、会社はメリーランド州からコネチカット州スタンフォードに移転し、それからカリフォルニア州ロサンゼルスへと移転した[4]。
1981年から92年までの間、ファンタグラフィックスはマニアックな視点をもつ漫画批評誌en:Amazing Heroesを刊行した。
1979年初頭、ファンタグラフィックスは ジェイ・ディスボロー(Jay Disbrow)のThe Flames of Gyroを皮切りに漫画の出版を始めた[5]。 1982年に出版したヘルナンデス兄弟のラブ・アンド・ロケッツでファンタグラフィックスの知名度は向上し、en:Acme Novelty Library, Eightball, Hateなど批評家からも受け入れられ、賞を受賞した作品も出てきた
カトロンは経営者として活動しつつも1982年から85年までThe Comics Journalの宣伝や流通を手掛けてきたが、1985年にファンタグラフィックスを去った[6]。
The Ignatz Seriesは、 Avant Verlag (ドイツ), Vertige (フランス), Oog & Blik (オランダ), Coconino Press (イタリア), Sinsentido (スペイン)との共同出版シリーズ。シリーズ名はクレイジー・カットの登場人物イグナッツ・マウスからとっている。 なお、ここではファンタグラフィックス出版分のみ記す。
この本は漫画雑誌の小雑誌とグラフィックのベルの中間であるようにデザインされている。
すべての作品は 2色刷りの32ページで、 中とじされており、 8 1/2” x 11"サイズのジャケットで価格は7.95ドル。
このシリーズの編集・プロデュースはイタリア人漫画家のIgortが行っており、ファンタグラフィックスの編集者 Kim Thompsonがしばしば翻訳をおこなっている。
Eros Comixは1990年にポルノ 漫画雑誌出版のために立ち上げられたブランド。 アニメのビデオや DVD、成人向け漫画、わいせつな絵や写真も取り扱っている。 The 2006年現在 Eros Comixのプリント・カタログは470種以上売っているが、そのほとんどが成人向け漫画である。
最近になって、作家兼アーティストのトム・サットンが"Dementia"の変名で参加した。