ファーザーランド Fatherland | ||
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著者 | ロバート・ハリス | |
訳者 | 後藤安彦 | |
発行日 |
1992年5月7日 1992年11月 | |
発行元 |
Hutchinson 文春文庫 | |
ジャンル |
歴史改変小説 ミステリー パラレルワールド ディストピア | |
国 | ||
言語 | 英語 | |
コード | ISBN 4-16-752718-9 | |
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『ファーザーランド』 (Fatherland) は、イギリスの作家ロバート・ハリスの歴史改変小説。タイトルはドイツ語で祖国を意味する Vaterland (ファーターラント、父なる国)を英語に置き換えたもの。
ロバート・ハリスの小説デビュー作であり、ナチス・ドイツが第二次世界大戦に勝利した世界を舞台としたミステリー。1992年の発表後、世界各国で話題となり、日本では文藝春秋から出版された。1994年にはテレビ映画化されている。
「ファーザーランド」の世界と史実の最初の違いは、1942年のラインハルト・ハイドリヒ暗殺計画の失敗だった。ここからナチス・ドイツは快進撃をはじめ、東部戦線ではブラウ作戦の大成功によってカフカースの油田地帯を制圧、さらに偽情報によって海軍が混乱した結果、イギリス国王ジョージ6世やウィンストン・チャーチルをはじめとする英国首脳部はカナダへ逃亡、親独派のウィンザー公が復位した。1946年、アジアでは同盟国日本がアメリカ合衆国の核攻撃をうけて降伏したが、これに対しドイツは弾道ミサイルV-3でニューヨークを攻撃した。互いに相手を全滅させられることを知った両国の間で停戦が合意され、ここに勢力均衡と冷戦の構図が完成した。
ドイツは(現実世界の史実において、実際に戦前・戦中にて抱いていた)「ヨーロッパ新秩序(ナチス版ヨーロッパ共同体)」構想を具現化・結成し、属国をそこにとりこんで強大なドイツ経済圏を誇った。ナチス得意の人種論はヨーロッパ全土で幅を利かせることになり、いつのまにかユダヤ人は東方に移住させられたとして人々の前から姿を消し、その東方に住んでいたロシア人やウクライナ人などスラヴ民族は、低賃金労働者(事実上の奴隷)としての人生しか残されなかった。しかし、科学と文明の発展の前にあってそうした“ささいな”問題を堂々と口にするヨーロッパ人は、反体制的な学生しかいない。
ともかく、ナチス・ドイツは第二次世界大戦に勝利し、ヨーロッパ全土を勢力下に置く超大国になっていたが、いまだ抵抗を続けるソ連との泥沼の戦争を終わらせるために、アメリカ合衆国と友好関係を結ぼうとしていた。
1964年、アドルフ・ヒトラー総統の75歳の誕生日を間近にひかえたある朝、刑事警察(作中では、ナチスのSS〔親衛隊〕が改組されたものという設定)の捜査官であるクサヴィアー・マルヒは、湖から引き上げられた老人の遺体について捜査を始める。この高級住宅街に自宅を持つ男の名はヨゼフ・ブーラー、元ポーランド総督府次官であった。彼は事件に関わりたがらない同僚のイェーガーや、ドイツ高官の横領について取材するという「ニューヨーク・タイムズ」の記者マグワイアとの付き合いに悩みつつ捜査を進めてゆくが、その結果として歴史の闇に隠された恐るべき真実に近づいてしまい、ゲシュタポに追われる身となる。
おりしも米独友好のきざしが見え始め、アメリカのジョセフ・P・ケネディ大統領が訪独すると発表されていた。この時期にドイツの評判を落とすようなスキャンダルは、だれも望んでいない。マルヒもドイツ当局も、それぞれに真実と国際社会の安定を天秤にかけることになる。
ファーザーランド/生きていたヒトラー | |
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Fatherland | |
監督 | クリストファー・メノール |
脚本 |
スタンリー・ワイザー ロン・ハッチンソン |
原作 | ロバート・ハリス |
製作 |
フレデリック・ミューラー アイリーン・カーン |
出演者 |
ルトガー・ハウアー ミランダ・リチャードソン |
音楽 | ゲイリー・チャン |
撮影 | ピーター・ソーヴァ |
製作会社 | HBO |
公開 |
1994年11月26日 (テレビ放映) |
上映時間 | 107分 |
製作国 | イギリス |
言語 | 英語 |
1994年にテレビ映画化された(en:Fatherland (1994 film))。
※原作からの変更点 - ナチス・ドイツの勝因は米英軍のノルマンディー上陸作戦を撃退したためと説明されている。