「フランケンシュタインが生まれた夜 」(フランケンシュタインがうまれたよる、原題 : The Haunting of Villa Diodati )は、イギリス のSFドラマ 『ドクター・フー 』の第12シリーズ第8話。脚本はマキシン・アルダートン、監督はエマ・サリバンが担当し、2020年2月16日に BBC One で初放送された。
本作には「散りゆくドクター 」(2017年)が最後の登場となっていたサイバーマン が再登場した。視聴者数は507万人で、批評家からは好評であった。
13代目ドクター (演:ジョディ・ウィテカー )らは1816年のスイス のディオダティ荘 を訪れ、『フランケンシュタイン 』の著者メアリー・シェリー (演:リリー・ミラー)と出会う。彼女が『フランケンシュタイン』を執筆したのはディオダティ荘にインスパイアされたためであるが、ディオダティ荘の怪奇現象が孤高のサイバーマン と彼の求めるサイバーマンのデータベース"サイベリアム"によるものであることが明らかになる。
メアリー・シェリーが『ドクター・フー』に初登場したのは本作ではなく、ビッグ・フィニッシュ・プロダクション (英語版 ) のオーディオであった。
孤高のサイバーマンは「ジュドゥーンの襲来 」において、ジャック・ハークネス がグレアム、ライアン、ヤズを介してドクターに警告を伝えた存在であった。ドクターは彼らにサイバーマンについて教える際、「残酷な宇宙の時間 」でサイバーマンに改造されたかつてのコンパニオンのビル・ポッツ について言及している[ 1] [ 2] 。孤高のサイバーマンは残る第12シリーズのフィナーレ「サイバーマンの再興 」「時を超えた子供たち 」にも続けて登場した[ 3] 。
ビッグ・フィニッシュ・プロダクションのオーディオシリーズでは、メアリー・シェリーが1816年前後に8代目ドクターと出会い、一時的にコンパニオンになった。2011年のオーディオ The Silver Turk では2人が損傷したサイバーマンと遭遇し、シェリーはこの出来事にインスパイアされて『フランケンシュタイン 』を執筆した[ 4] 。
本作に登場したジョージ・ゴードン・バイロン は、「スパイフォール 」パート2でドクターと共に行動したエイダ・ラブレス の父親である[ 1] 。
「フランケンシュタインが生まれた夜」はマキシン・アルダートンが脚本を執筆した[ 5] [ 6] 。クリス・チブナルはアルダートンについて「絶対的なメアリー・シェリーとバイロン……彼女はそのエキスパートだ」と評価した[ 7] 。エピソードの設定の大部分は、1815年のタンボラ山噴火 に起因する夏のない年 において見舞われた暴風雨も含め、バイロン卿やメアリーらについて判明している史実に基づいている[ 7] 。
ジョン・ポリドリ はマックス・ボルドリー が[ 8] [ 6] 、バイロン卿はジェイコブ・コリンズ=レヴィ (英語版 ) が演じた[ 9] [ 6] 。
前話「悪魔の呼び声 」と本作からなる第4製作ブロックはエマ・サリバンが監督した[ 10] 。村の内装にはMerthyr Mawr (en ) estate がロケ地に使用された[ 11] 。
「フランケンシュタインが生まれた夜」はイギリスでは2020年2月16日に放送され[ 6] 、日本 では2020年8月12日からHulu で字幕版・吹替版共に配信が開始された[ 17] 。
イギリスでのその晩の視聴者数は386万人で、その日7番目に多く視聴された番組になった[ 18] 。Audience Appreciation Index は80であった[ 19] 。合計視聴者数は507万人で、その週のイギリスのテレビ番組では第31位の記録であった[ 19] 。
^ a b Coggan, Devan (16 February 2020). “Doctor Who recap: The modern Prometheus ”. エンターテインメント・ウィークリー . 17 February 2020 閲覧。
^ Flora Carr (2020年2月18日). “Doctor Who: Jodie Whittaker confirms Bill Potts Cyberman easter egg ”. ラジオ・タイムズ . 2021年1月11日 閲覧。
^ Mirko Parlevliet, Mirko (23 November 2019). “Make Space for the Doctor Who Series 12 Trailer and Art! ”. vitalthrills.com . 23 November 2019 閲覧。
^ Jeffrey, Morgan (16 February 2020). “How Doctor Who's The Haunting of Villa Diodati contradicts canon – but also doesn't ”. ラジオ・タイムズ . 17 February 2020 閲覧。
^ “Doctor Who Series 12: writers announced ”. CultBox (13 November 2019). 13 November 2019 閲覧。
^ a b c d “Doctor Who Series 12 Episode 8 ”. BBC (5 February 2020). 5 February 2020 閲覧。
^ a b Fullerton, Huw (16 February 2020). “Doctor Who: the real story of Shelley, Byron and the Villa Diodati ”. ラジオ・タイムズ . 17 February 2020 閲覧。
^ “Doctor Who Series 12: Maxim Baldry to star in historical episode ”. CultBox (3 July 2019). 3 July 2019 閲覧。
^ “Jacob Collins-Levy ”. Independent Talent Group. 2021年1月11日 閲覧。
^ “Guy Murray-Brown ”. Gems Agency . 1 November 2019 閲覧。
^ “Doctor Who 'The Haunting of Villa Diodati': behind the scenes ”. CultBox (2020年2月20日). 2020年6月5日 閲覧。
^ Siede, Caroline (16 February 2020). “Doctor Who meets Frankenstein's author—and its monster ”. The A.V. Club . 17 February 2020 閲覧。
^ George Griffiths (16 February 2020). “Doctor Who season 12 episode 8 review: The Haunting of Villa Diodati ”. Metro . 2021年1月11日 閲覧。
^ Mulkern, Patrick (16 February 2020). “Doctor Who The Haunting of Villa Diodati review: a ghost-story that deftly subsumes the birth of horror into the show's own mythology ”. Radio Times. 2021年1月11日 閲覧。
^ Power, Ed (16 February 2020). “Doctor Who review, The Haunting of Villa Diodati: A muddled episode that underserves Jodie Whittaker ”. インデペンデント. 2021年1月11日 閲覧。
^ Hogan, Michael (16 February 2020). “Doctor Who: The Haunting of Villa Diodati, recap: a neat twist on how Mary Shelley got the idea for Frankenstein ”. The Telegraph. 2021年1月11日 閲覧。
^ “Huluプレミア『ドクター・フー シーズン12』6・24から独占配信 ”. TV LIFE web (2020年6月2日). 2020年1月9日 閲覧。
^ Marcus (17 February 2020). “The Haunting of Villa Diodati? - Overnight Viewing Figures ”. Doctor Who News . 17 February 2020 閲覧。
^ a b Marcus (24 February 2020). “The Haunting of Villa Diodati - Official Ratings ”. Doctor Who News . 24 February 2020 閲覧。