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フレキシブルコンテナバッグ (和製英語:Flexible Container Bag 英語:Flexible intermediate bulk container, FIBC) は、粉末や粒状物の荷物を保管・運搬するための袋状の包材のことである。略して「フレコンバッグ」「フレコン[注 1]」「コンテナバッグ」などとも呼ばれる。1トン程度の重量物を充填できる容積・強度のものが主流であることから「トン袋」「トンバッグ」「トンパック」などとも呼ばれる。英語ではフレキシブル・インターミディエイト・バルク・コンテナ(FIBC)が正式名称となるが[1]、ジャンボ、バルクバッグ、スーパーサック、ビッグバッグなど様々な名称で呼ばれている。
ポリエチレン (PE) やポリプロピレン (PP) などの丈夫な化学繊維により、製造された袋。穀物や飼料、土砂などの粉状物質の梱包・輸送に適している。バッグ全体を支える丈夫な吊りベルトの長いループ部が上部に付いており、フォークリフトやクレーンなどで吊って持ち上げることができる。
バッグは軽量であるうえ、使用後は折りたたみが容易であり、省スペースとなっている。また、耐荷重1トン程度の強度を持ち、価格も安価であることから、幅広い分野で使用される。
原料の運搬だけでなく、災害時の土嚢としての使用や日本では福島第一原子力発電所事故によって汚染された地域の除染活動に使用され、福島県内各地の仮置き場に山積みされた。
正確な使用年代は明らかになっていないが、少なくとも1940年代に登場した。最初期はポリ塩化ビニル (PVC) とゴムから作られ、カーボンブラックの輸送に使用されていた。しかし、非常に重量が大きいうえに高価だったため、1960年代から1970年代にかけてはPPを使用して縫製した、後世において一般的に使われる原型のものが作られた。
1970年代半ばに起こった石油危機による中東での大規模建設事業でセメント需要が高まり、ヨーロッパ地方から大量のセメントを運ぶ際にフレコンバッグを使って出荷された。この時、フレコンでの流通が確立したと言われる。
現在では幅広い産業でフレコンバッグが使われており、毎年40億トン以上の製品を輸送している[2][3]。
製品・用途によって異なるが、大別して本体、投入口、排出口、吊り部などによって構成されているものが多い。
日本産業規格(JIS規格)Z1651:2017[6]により、定められている。
国際規格は「ISO 21898:2004,Packaging−Flexible intermediate bulk containers (FIBCs) for non-dangerous goods」として定められており、これを国内規格とした「JIS Z 1651:2008」が日本のJIS規格として採用されている[7]。
周囲を金属製のケージに囲まれ、折り畳み式の四角筒形状のコンテナは「ヘスコ防壁」と呼ばれ、主に戦場の陣地構築など軍事用途に用いられている。