「ブラック・ナイト」(Black Night) は、イギリスのハードロックバンドであるディープ・パープル (Deep Purple ) が、1970年に発表した楽曲。
『ディープ・パープル・イン・ロック』の完成後、ディープ・パープルはレコード会社から新たにプロモーション用シングル盤を録音することを要請された。当初は「クライ・フリー」という曲が録音されたがこの曲は没になり、代わって「ブラック・ナイト」がリリースされた。「クライ・フリー」は後に発表されたアルバム「パワー・ハウス」に収録されている。
ジョン・ロードによれば印象的なリフは、パブで酒(スコッチ&コーク)を飲んだ後、リッキー・ネルソンの「サマータイム」(ジョージ・ガーシュウィン作曲)のリフを参考にして作ったものだという[1]。当初は歌詞も即興であり、ブラック・ナイトの綴りも"Black Night"であるか、"Black Knight"なのかはっきりしていなかった。なお、曲としてはブルース・マグース(Blues Magoos)の「恋する青春((We Ain't Got) Nothing Yet)」(1966)[2]との類似性も指摘されている。
『イン・ロック』の発売に先立つ1970年6月に、本国イギリスで売り出された本曲は、全英ヒットチャートの2位まで上るヒットとなった。日本では翌1971年2月25日にアルバム「DEEP PURPLE IN ROCK 」と共にシングルA面曲で発売され、当時はアルバム未収録曲だった[3]。約10万枚を売り上げ、当時のハードロックのシングル盤としては異例のヒットを記録した。ディープ・パープルはこの後も、「ハイウェイ・スター」(1972)や「紫の炎」(1974)など、ヒットを出し続けた。76年には、「ブラック・ナイト」が日本でリバイバル・ヒットしている。
シングル盤として企画された曲なのでアルバムには未収録であったが、後に『イン・ロック』のリマスター版発売時にボーナストラックとして収録された。また、1975年に発表されたベスト・アルバム『ブラック・ナイト=24カラット』に1972年の初来日公演時のライブバージョンが収録されている。フォール[注 1]、バッド・マナーズ[注 2]、パット・トラバース、ブルース・デッキンソン、メタリカらが「ブラック・ナイト」をカバーしている。
日本ではUCCブラック・無糖のCMに使用された。