現地語社名 |
Korporacija FAP a.d. Корпорација ФАП а.д. |
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ラテン文字名 | Fabrika automobila Priboj |
種類 | ジョイント・ストック・カンパニー |
業種 | 輸送用機械 |
設立 | 1953年 |
本社 | 、 |
事業地域 | 世界各地 |
主要人物 | 総務部長:ランコ・ヴコヴィッチ(Ranko Vuković) |
製品 |
貨物自動車 バスの製造開発 |
売上高 | 2.67百万ユーロ (2018年[1]) |
利益 | 5.38百万ユーロ (2018年[1]) |
総資産 | 20.21百万ユーロ (2018年[2]) |
純資産 | 14.26百万ユーロ (2018年[2]) |
所有者 |
セルビア政府(43.22%) PIOファンド(17.65%) プリボイ町(12.39%) RFZOファンド(11.95%) そのほか少数株主(2018年) |
従業員数 | 270名(2017年[3]) |
ウェブサイト |
www |
脚注 / 出典 Business ID: 07210434 Tax ID: 101206591 [4] |
プリボイ自動車工場(セルビア語: Корпорација Фабрика Аутомобила Прибој а.д. / Korporacija Fabrika Automobila Priboj a.d. FAP、セルビア語ラテン翻字: Fabrika automobila Priboj)は、セルビア、ズラティボル郡プリボイに本拠を置くトラックと軍用車両の製造を行う自動車メーカー。今日セルビア政府が株式の大半を所有しており、セルビア防衛産業の一社となっている[5]。
創業当初スイスの商用車メーカーであるアドルフ・ザウラーとライセンス契約を締結し、ザウラートラックの製造を行いザウラー=ウェルケ(Saurer-Werke)ブランドとして4トンと6トン積みトラック17台の販売を開始している[6]。
1959年、年間生産台数を3,600台に増やす目標を掲げ、新規組立ラインを構築したことにより生産台数は1,000台へと拡大する。1962年には新型車両を開発し、年間生産台数は2,000台へ増加[6]。
1970年にはダイムラー・ベンツとのライセンス契約を締結し、DB1113、DB1213トラックの製造を開始。この頃には年間5,000台を製造しており、41,000台の数年に渡る生産計画が開始されている[6]。7月15日にはユーゴスラビア諸国の企業と協力し、ボスニア・ヘルツェゴビナ社会主義共和国ではファモス社(FAMOS)、クロアチア社会主義共和国ではTAZと、マケドニア社会主義共和国では11オクトムブリ社(11 oktomvri)など製造と金融面での協力を行っているほか、エジプト、タンザニア、スーダン、チュニス、リビア、ナイジェリア、スーダンなどアフリカ諸国に対し輸出を成功させている。
1975年には外国の投資によってFAPに新しく組立ラインが開設されたことにより、年間生産台数は1万台に増強され、数々の新型ベンツ・トラックを市場に送り出している。1976年にライセンス契約の範囲が拡大したことにより車両総重量(GVW)が12トン(積載5トンクラスの中型)から26トン(積載10トン以上の大型)の車両製造を開始し、130~320馬力のディーゼルエンジンが搭載されている。この経験から1978年に全輪駆動式の大型軍用トラック「FAP 2026 BDS / 6x6」が新規に開発されている[6]。
1979年は年間7,000台のトラックとバスの製造を行っており、国内外の需要を完全に満たす状況であった[6]。
1983年、軍用トラックの後継型となる「FAP 2632 BDS / 8x8」を開発。走行状態で20トンの積載能力を誇っていた。その後、FAPは数回に渡り工場の拡張を行ったことで部品製造も開始しており、年間生産台数は15,000台に増加している[6]。
1990年代、国際社会によるユーゴスラビアに課された経済制裁の影響により、制裁解除後には多数の市場を失ったことにより業績が悪化している[7]。
1995–1996年にイカルバスと共同開発した車両「FAP 2026 GC / B 6X6」を使用し、プリボイ - ベオグラード - モスクワ - ウランバートル - 北京 - ダルヤン - ベオグラード - プリボイの冬季ユーラシア横断クロスカントリーを行い139日間で走破している。またクロスカントリーの途中、トラックの耐久性を検証するためゴビ砂漠でテストを行っている[8] 。
2002年、民営化に向けた準備プログラムを開始する[6]。
2014年、フィンランドのトラックメーカーであるシスオートはセルビア政府と協力しFAPの買収を提案[9]。しかし、双方戦略不一致のため交渉は決裂している。セルビア政府はこれまで企業に対し合計250万ユーロ(約3億2千万円)もの資金を投資しており、制裁の影響やユーゴスラビア・ディナールのハイパーインフレなどによる業績の悪化に対し健全化に向けた包括的な再編プロセスを策定しており、この理由から1,000名以上の従業員が退職金を受け取ることができずに会社を去っている[3]。最終的に巨額な債務は裁判所の判断によりFAPの株式に変換されることで決着している[3]。
現在はセルビア軍の軍事車両に関する供給とメンテナンスを請け負っており[3]、セルビア軍と新型車両に関する新規契約を交わしている[10]。