Helmut Zemo | |
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出版の情報 | |
出版者 | マーベル・コミック |
初登場 |
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クリエイター | ロイ・トーマス トニー・イザベラ サル・ビュッセマ |
作中の情報 | |
所属チーム | CSA サンダーボルツ マスターズ・オブ・イビル シークレット・エンパイア ヒドラ |
著名な別名 | フェニックス バロン・ジモ シチズンV アイアン・クロス |
能力 |
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ヘルムート・ジモ(Helmut Zemo)は、マーベル・コミック によって発行されたマーベル・コミックが出版するアメリカン・コミックスに登場するキャラクターであり、主にキャプテン・アメリカやアベンジャーズの敵として登場する。
ロイ・トーマス、トニー・イザベラ、サル・ビュッセマによって創造され、1973年12月の『キャプテン・アメリカ』第168号でデビューした。
彼は、第二次世界大戦中にスティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカと戦ったナチスの科学者でもあったジモ家十二代目当主のハインリッヒ・ジモ/バロン・ジモ(初代)の息子で[1]、十三代目ジモ家当主である。
ヘルムート・ジモは、ドイツのライプツィヒで生まれた。もともとエンジニアだったヘルムートは、キャプテン・アメリカの帰還と父親の死に関する報告書を読んで激怒し、ジモ家の資産と自らの科学的ノウハウを使って、父親の野望を達成しようと決起した。
ヘルムートは最初に“フェニックス”の別名をもって、キャプテン・アメリカを彼の相棒のサム・ ウィルソン/ファルコンごと罠に嵌めて捕らえることに成功し、復讐しようとしたが、罠から脱した2人に返り討ちにされた挙句、父親が発明した超強力接着剤“アドヒーシブX”の容器に誤って転落してしまった。一時は死亡したと思われていたヘルムートだったが、一命を取り留めたことと引き換えに、被っていたハインリッヒのフードがアドヒーシブXによって自身の顔面をひどく爛れさせるほど剥がせなくなってしまったことから狂気に陥り[1]、父親と同じように紫色の覆面を被るようになった[2][3][4]。
数年後ヘルムートは、“バロン・ジモ”の名と地位を引き継いで再登場し、アーニム・ゾラの突然変異と同盟を組むと、プリムス Iとミュータントのバーミンと共謀し、ロジャースを罠に誘い込むために彼の幼なじみのアーニー・ロスを誘拐すると、ロジャースとプリムス Iの精神を入れ替えることに成功した。だがヴァーミンが造反で暴走したプリムスにジモは襲われ、その後ロジャースも元に戻って逃走されたため計画は失敗に終わった[5][4]
ジモは後にシンシア・シュミット/マザー・スペリオルと年老いたヨハン・シュミット/レッドスカルと邂逅すると[6]、レッドスカルの秘密や地位を自分が継承しようとレッドスカルの指導を受け、ロジャース打倒のため友人デビッド・コックスの誘拐・洗脳や[7]、ロスの再誘拐など数度に渡ってロジャースに挑んだ[8]。しかしレッドスカルが自分を単に利用しているだけであることに気付いたジモは、自らレッドスカルを倒そうと動いた。だがマザー・スペリオルの精神攻撃を受けると、敗北した[9][4]。
次なるロジャース抹殺の策としてジモは、“マスターズ・オブ・イービル”を結成し、そのトップに就任した。マスターズ・オブ・イービルは“アベンジャーズ・マンション”に侵攻して占拠し、ヘラクレスとアベンジャーズの執事エドウィン・ジャービスを負傷させ、ロジャースとデイン・ウィットマン/ブラックナイトにも挑んだが、敗れたジモはマンションの屋根から落ちた[10][4]。
ジモは後にジョルジュ・バトロック率いる“バトロックズ・ブリケード”とサイキック探偵のトリストラム・ミコーバーを雇い、父親を生き返らせるために、“ブラッドストーン”の5つの断片の探索を手伝った。紆余曲折の末に生き返ったハインリッヒだったが、ジモの計画は裏目に出て、ロジャースとレイチェル・レイトン/ダイヤモンドバックと戦う最中に、レッドスカルのためにブラッドストーンを盗もうとしたブロック・ラムロウ/クロスボーンズによって抹殺され、取り乱したジモはそれを取り戻そうとした結果、日本の死火山に転落し、生き延びたものの右手が酷く焼け爛れた[11]。
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ヘルムート・ジモは、父親のハインリッヒには劣るものの、特定の科学的知識、優れた射撃と剣術、そして非武装戦闘で才覚を発揮する。彼はまた、非常に熟練したリーダーであり、敵味方の両方を欺く戦略や交渉に優れる策略家でもある。また、頭に装着している金属製のヘッドバンドには、サイキック攻撃から防ぐように設計された回路が組み込まれており、これによってマザー・スペリオルの強烈な精神攻撃を受けた際には、脳死状態を回避した。様々なライフルも所有しており、アドヒーシブX用のハンドヘルドスプレーガンを持っている。また、自身が開発した薬品の“コンパウンドX”に身体を浸すことで父親と同様に、老化を遅らせ若々しい身体を維持している[12][1]。また、ムーンストーンから重力、光、または分子操作、超人的な強さと耐久性、飛行など、幅広い能力を与えられる[13]。
『マーベル・ゾンビーズシリーズ』では、ゾンビ化したジモがサンダーボルツと共にソーを攻撃した。
ナチスが地球を征服することに成功した『MC2』においてのジモは、レッドスカルの後継者であるヴィクター・フォン・ドゥーム/ドクター・ドゥームの科学顧問として登場。ドゥームの死後、ジモは彼の後継者になるためにリード・リチャーズと戦った[14]。
『アルティメット・マーベル』においてのジモは、第二次世界大戦中にロキの副司令官として登場するが、最終的に彼の手にかかって死亡した[15]。
『デッドプール・マックス』には労働者階級の家から来たにもかかわらず、ドイツの貴族の子孫であると主張するアメリカの白人至上主義者という大幅に変更されたバージョンで登場。父親が黒人女性と関係を持っていたことと、ユダヤ人の医師が毒入り水で母親を殺したという出来事から、少数派への憎しみを抱えている。“ホワイトランド”と呼ばれる生存主義者の隠れ家を見つけ、米国全土で人種戦争を扇動するために信者にサリンガスを使用しようと目論んだが、デッドプールと対峙し、未遂に終わった[16]。
『オールドマン・ローガン』の前日譚における『オールドマン・ホークアイ』でのジモは、年老いて視力と戦う力を失ったクリント・バートン/ホークアイと対決するヴィランの一人として登場した[17]。
『マーベル・シネマティック・ユニバース』(MCU)では、ダニエル・ブリュールが演じる。日本語吹替は内田夕夜が担当。
元“ソコヴィア”の特殊暗殺部隊“エコー・スコーピオン”の隊長を務めていたソコヴィア人男性。母国においては名家の出身であり、多数のクラシックカーが駐車されたガレージや自家用ジェットなどを所有する貴族相当の財力と、執事のエズニックを従え、男爵(バロン)の地位・情報網・海外での簡易拠点を手配させる人脈まで保有する御曹司でもある。かつては家族思いの善人だったが、2015年にウルトロンが引き起こしたソコヴィアの戦いに巻き込まれた父と妻子を喪ってしまう。この一件から、“アベンジャーズ”のような超人たちを存在してはならない者と憎悪するようになった。
常時物静かで、感情を爆発させることなく自らの計画を着々と成し遂げられる実行力と、目的達成のために複数の人物を手にかける非情さを秘めているが、超人だけでなく“ヒドラ”についても「滅んで当然」と考えており[注釈 1]、“ワカンダ”の元国王であるティ・チャカをはじめとした各国の政府高官を爆破テロに巻き込んだのは決して本意ではなく、彼らを死傷させてしまった事実に罪悪感を抱える一面もある。朝食に必ずベーコンとコーヒーを添付させるこだわりを持つ。
当人は超人に匹敵する特殊能力を持たないが、特殊暗殺部隊に所属していた経験から英語だけでなくロシア語やドイツ語も話せる語学力と、銃器の取り扱いや変装に基礎戦闘スキル、EMP爆弾の組み立てといった技能、暗号解読の腕や行動力まで、常人を上回るほどの高い実力を備えている。
リガ市内の23番地にあるマンション。とても広いリビングの窓には、キャプテン・アメリカを象徴するように星型と、赤・青・白の3色で彩られたステンドグラスがあてがわれ、奥の部屋の床には隠し通路も作られており、その入り口の穴の上に浴槽が置かれていた。
“フラッグ・スマッシャーズ”を追って、サムとバッキーと共にリガに来たジモは、このマンションを拠点として提供。その後、“ドーラ・ミラージュ”とジョン・ウォーカー/キャプテン・アメリカ(2代目)たちの小競り合いに紛れて、ジモは隠し通路から逃げ出してしまう。
ハズブロの『マーベル・レジェンド』では、2種類のジモのアクションフィギュアが存在し、1つは原作コミックスに準拠したデザインで、もう1つはテレビドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』に登場した実写版ジモをフィギュア化したものとしてそれぞれ発売された。