ヘンレ係蹄の下行脚(ヘンレけいていのかこうきゃく、Descending limb of loop of Henle)は、ヘンレのループの前半部分を構成する細尿管の一部分である。
ヘンレ係蹄下行脚における物質の透過率は以下の通りである。
物質 | 透過率 |
---|---|
イオン | 透過率は低く、ナトリウムイオンも塩化物イオンも透過しにくい[1]。 |
尿素 | 適度に透過する[2]。 |
水分 | 容易に透過する。水分はヘンレ係蹄下行脚において容易に再吸収される[3]。 |
また、髄質部の細胞間液は、濃縮され(ヘンレ係蹄上行脚による)、髄質部と下行脚との間に大きな浸透圧が生じる。このため、下行脚で尿は劇的に濃縮される。下行脚における浸透圧は300mOsmol/Lから1400mOsmol/Lまで達する[3]。
上皮組織は、簡単な立方形である[4]。
それらは、直細血管の血液の欠如部分、ヘンレ係蹄太い上行脚の上皮組織の厚さで見分けることができる[5]。
ヘンレ係蹄上行脚のように下行脚にも厚い部分と薄い部分がある。しかし、その2つの部分は1つの構造として扱われるためこの区別はそれほど重要ではない。太い下行脚は、細い下行脚ほど重要でないので「下行脚」と「細い下行脚」は同義として扱われる。単に「細い脚」(英: thin limb)と記述する文献もあるが、これは「ヘンレ係蹄の細い上行脚」も含まれる。