ベイクウェルプディング

ベイクウェルプディング
ベイクウェルプディング
フルコース デザート
発祥地 イギリス
地域 ダービーシャー・デイルズ
考案者 ラットランド・アームズ、ベイクウェル、1820年
提供時温度 温かい(焼き立て)または冷たい
主な材料 粉にしたアーモンドジャムバター
派生料理 ベイクウェルタルト
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ベイクウェルプディング英語: Bakewell pudding)はイングランドのデザートである。こしたジャムの層が土台となった薄片のペイストリーで、中身はアーモンドペーストで作られている。プディングはダービーシャーベイクウェルという町に由来する[1][2]

語源

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「ベイクウェルプディング」への言及は「ベイクウェルタルト」という言葉よりも早く現れ、20世紀に一般的な使用が始まる[1]。また「ベイクウェルプディング」の最も早い言及は1826年にまで遡る[3]イザベラ・ビートンは1861年にThe Book of Household Managementにおいて2つのベイクウェルプディングのレシピを出版している。1つはペイストリーの土台を用いたものであり、もう一方はパン粉を使用したものである[4][5]。 またイライザ・アクトンは1864年に彼女の本のModern Cookery for Private Familieにおいてベイクウェルプディングについて言及している[6]

歴史

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現在はすたれたパン粉を主材料としたレシピはイザベラ・ビートンが作った

プディングの起源は明白ではない。歴史学者はプディングの存在を中世の時代の15世紀に遡って突き止めたが[1][3][7]、一般的に解釈された話はラットランド・アームズ・イン(現在のラットランド・アームズ・ホテル)の女家主であったグリーブズ夫人が1820年(ほかの出典は1860年代をあげている[8]) に偶然作ったものである。彼女はおそらく料理人にジャムタルトを作るように指示を与えた。その料理人は かき混ぜた卵とアーモンドペーストをペイストリーに混ぜるかわりに、ジャムの上に広げた。調理をするときに卵とアーモンドペーストがカスタードのような状態になったため、結果として成功しホテルで人気の料理となった[3][8][9]

ベイクウェルタルト

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ベイクウェルタルトは20世紀の間にベイクウェルプディングの派生形として発展した[1][3]

ベイクウェルの少なくとも2つの店は独自のベイクウェルプディングのレシピを主張している[10]


脚注

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  1. ^ a b c d The History of the Bakewell Pudding”. Bakewellonline.co.uk. 2014年1月18日閲覧。
  2. ^ Bakewellderbyshire.com”. Bakewellderbyshire.com. 2013年7月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年1月18日閲覧。
  3. ^ a b c d Davidson, Alan (2014). The Oxford Companion to Food. Oxford: Oxford University Press. p. 54. ISBN 0199677336. https://books.google.co.uk/books?id=RL6LAwAAQBAJ&pg=PA54#v=onepage&q&f=false 
  4. ^ Mrs Beeton (1970年1月1日). “BBC Food website”. bbc.co.uk. 2014年1月18日閲覧。
  5. ^ Beeton, Isabella Mary (1861). The Book of Household Management. Farrar, Straus, and Giroux. p. 630. https://books.google.co.uk/books?id=NgPhAAAAMAAJ&pg=PA630#v=onepage&q&f=false 
  6. ^ Acton, Eliza (1865). Modern Cookery for Private Families. Longmans, Green, and Company. p. 427. https://books.google.co.uk/books?id=wHkEAAAAYAAJ&pg=PA427#v=onepage&q&f=false 
  7. ^ Pudding or Bakewell Tart?”. Bakewell (2012年1月6日). 2015年12月13日閲覧。
  8. ^ a b Central England (1998年4月18日). “One of our famous tarts? I don't think so”. Telegraph. 2014年1月18日閲覧。
  9. ^ The Bakewell Pudding - Putting The Record Straight Bakewell, Derbyshire”. BakewellOnline.co.uk. 2015年12月7日閲覧。
  10. ^ Lord, Peter (2009). Clarence Whaite and the Welsh Art World: The Betws-Y-Coed Artists' Colony, 1844-1914. Llandudno: Coast and Country Productions. pp. 13-14. ISBN 978-1-907163-06-7. https://books.google.co.jp/books?id=0wglXHiBzc0C&pg=PA13&redir_esc=y&hl=ja 25 May 2016閲覧。 

参考文献

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  • Eliza Acton (1845). Modern Cookery for Private Families 
  • Isabella Mary Beeton (1861). Beeton's Book of Household Management 

外部リンク

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