a | b | c | d | e | f | g | h | ||
8 | 8 | ||||||||
7 | 7 | ||||||||
6 | 6 | ||||||||
5 | 5 | ||||||||
4 | 4 | ||||||||
3 | 3 | ||||||||
2 | 2 | ||||||||
1 | 1 | ||||||||
a | b | c | d | e | f | g | h |
ベノニ・ディフェンス (Benoni Defense) は、チェスのオープニングの1つ。キングズ・インディアン・ディフェンスによく似たオープニングである[1]。オールド・ベノニ・ディフェンス (Old Benoni Defense) とモダン・ベノニ・ディフェンス (Modern Benoni Defense) で基本形が異なる。
モダン・ベノニは元世界チャンピオンのボビー・フィッシャーが黒で得意としていた[2]。
a | b | c | d | e | f | g | h | ||
8 | 8 | ||||||||
7 | 7 | ||||||||
6 | 6 | ||||||||
5 | 5 | ||||||||
4 | 4 | ||||||||
3 | 3 | ||||||||
2 | 2 | ||||||||
1 | 1 | ||||||||
a | b | c | d | e | f | g | h |
右図がオールド・ベノニ・ディフェンスの基本形である[3]。基本形までの手順は1. d4 c5である[3]。
基本形以降の定跡は2. d5 e5 3. e4 d6 4. Nc3 g6 5. f4 ef 6. Bxf4 Bg7 7. Nf3 Nf6 8. Bb5+ Bd7である[4]。
白が2. dxc5 とポーンを取るのは、黒が...e6の後...Bxc5と続けて簡単にポーンを取り返すことができ、白に利点が無いので、白は2. d5と指すのが定跡である。
白の4手目では他に4. Bd3や4. f4と指す手もある[5]。
黒の4手目では他に4. … a6と指す手もある[5]。以下5. a4 g6 6. h4 h5 7. Nf3 Bg4 8. Be2 Bxf3 9. Bxf3 Nd7 10. a5 Bh6と進行する[5]。なお4. … Ne7?!は1962年にヴァルナで対局されたドナー対バレセロスキー戦で黒のバレセロスキーが指した手で[6]、以下5. Nf3 Bg4 6. h3 Bxf3 7. Qxf3 a6 8. a4 Ng6 9. g3 Be7 10. h4 0-0 11. Bd2 b6 12. Nd1 Nd7 13. Ne3 Nf6 14. h5 Nh8 15. Nf5 Ra7 16. h6!と進行したところでバレセロスキーが投了した[6]。
白の5手目で5. Nf3と指すのは、5. … Bg7 6. Be2 Ne7 7. Nd2 Na6 8. Nc4 Nc7 9. a4 0-0と進行し、黒が十分に指せる展開となる[5]。
a | b | c | d | e | f | g | h | ||
8 | 8 | ||||||||
7 | 7 | ||||||||
6 | 6 | ||||||||
5 | 5 | ||||||||
4 | 4 | ||||||||
3 | 3 | ||||||||
2 | 2 | ||||||||
1 | 1 | ||||||||
a | b | c | d | e | f | g | h |
右図は1. d4 Nf6 2. c4 c5と指した局面である。右図から3. d5 e6 4. Nc3 ed 5. cd d6と指してできた形が本記事の冒頭で掲げたモダン・ベノニ・ディフェンスの基本形である[7]。なお2手目から4手目まで手順前後することもある[脚注 1]。
白の3手目はオールド・ベノニ同様、ポーンを取らずに3. d5と指すのが定跡である。なお、そのあと黒が3.… b5と指すとベンコー・ギャンビットになる。
基本形に至るまでの白の4手目で4. deと指すのは4. … feと指され[9]、その後黒がセンターへポーンを出し[9]、黒の駒組みが非常にいい型になる[9]。また黒の5手目では5. … g6と指す手もある[5]。以下6. d6 Qb6 7. Bg5 Nh5 8. Nf3 f6 9. Be3 Bxd6と進行し[5]、白はポーンを損した代償に黒の展開を遅らせることが出来る[5]。
基本形以降の定跡は6. Nf3 g6 7. e4 Bg7 8. Be2 0-0 9. 0-0 a6 10. a4 Bg4 11. h3 Bxf3 12. Bxf3 Nbd7である[7]。
白の6手目で6. g3と指せばフィアンケット・システムとなる[9]。6. e4と指した場合黒は本譜同様6. … g6と指すが[9]、その後白が7. Nf3と指せば手順前後で本譜と同じ進行になり[9]、7. Bd3と指せば7. … Bg7 8. Nge2 0-0と進行する[9]。なお6. e4 g6 7. Bd3 Bg7 8. Nge2 0-0の変化は1960年にライプツィヒで開催されたチェス・オリンピアードのペンローズ対タリ戦で指されたもので[9]、30手で当時世界チャンピオンだったタリが英国のチャンピオンだったペンローズに負けた[9]。
白の7手目では他に7. Bf4[9]、7. Nd2と指す手もある[3]。7. Nd2と指すと7. … Bg7 8. Nc4 0-0 9. Bf4 Ne8と進行する[3]。なお7. Bg5と指せばウルマン・ヴァリエーションと呼ばれ、以下7. … h6 8. Bh4 g5 9. Bg3 Nh5 10. e3 Nxg3 11. hg Bg7 12. Nd2 0-0となる[9]。
モダン・ベノニの1変化。白の6手目で6. g3と指せばフィアンケット・システムとなる[9]。
黒の6手目以降の定跡は6. … g6 7. Bg2 Bg7 8. Nf3 0-0 9. 0-0 Qe7 10. Nd2 Nbd7 11. Nc4 Ne5 12. Nxe5 Qxe5 13. a4 a6である[10]。
白の8手目で8. Nh3?と指すのはナイトがセンターから離れるので悪手[3]。
黒の9手目は他に9. … a6[脚注 2]と9. … Na6[脚注 3]がある[3]。9. … a6と指せば10. a4 Nbd7 11. Nd2 Rb8 12. Nc4 Ne8 13. a5 Ne5と進行する[3]。この手順中に12. … Nb6?と指すと13. Nxd6! Qxd6 14. Bf4で黒はb8のルークを失う[3]。一方9. … Na6と指せば10. h3 Nc7 11. e4 Nd7 12. Re1と進行する[3]。